開講年度2018
科目名情報社会論
科目ナンバーG231-902-04
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者加藤 晴明
単位数2
曜日・時限秋学期 月曜日 2時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
マスコミからネットへの変化と〈メディアと人間〉のかかわり
授業の概要
 電話・スマホのような〈パーソナルメディア〉に注目し、〈メディアと人間〉をテーマに講義する。
 情報化という社会の変化は、3つ意味でリアリティが変化してきている社会である。
(1)マスコミ的リアリティからネット的リアリティへ
(2)素朴実感に根ざしたリアリティの社会から情報的リアリティへ
(3)現実空間とネット空間という二重のリアリティへという変化である。
 こうした変化に焦点を当てて〈メディアと人間〉の関係を論じる。
 授業では、最初にマスコミからインターネット社会への変化を説明する。次にパーソナルメディア経験の出発点である電話に注目し、電話からケータイへ、インターネットへの変化を説明する。マスコミ学やネット社会に関心のある方も受講していただきたい。
授業の到達
目標
・メディア社会の特徴を構造的に深く理解できるようにする。
知識:メディア社会を読み解いていく、「視点」「キーワード」など必要な知識を身につける。
理解:専門知識をもつことで、単なる感想を超えた、構造的な理解する。
思考:知識と理解をもとに、小論文的で雑駁な感想ではなく、論理的な思考を深める。
判断:メディアと向かい合っていく上で必要な判断力を身につける。
講義を通じて、メディア社会の基本視点を身につけることで、政策論に応用できるようにする。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1メディア社会の主題:メディア社会とは何か
※二世界フレームをキーワードにメディア社会の問題とそれへのアプローチとしての自己メディア論の必要性を説明する。
予習:教科書の序章「メディアとは自己を仮託する文化装置である」の1節をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
2マスメディア論を超えて①:マスメディア論とその批判の系譜
※マスメディア論の基本フレームとそれを批判する新しい胎動について説明する。
予習:教科書の1章の1節「マスメディア批判の物語」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
3マスメディア論を超えて②:自己メディア論の必要性と可能性
※メディアの本質(事業者となることの快感等)について論じる。
予習:教科書の1章の2節「自己メディア論の必要性と可能性」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
4メディア・近代・自己①:近代の視覚装置と自己
※近代の視覚装置とリアリティ観について説明する。対象:カメラオブスキュラとステレオスコープ
予習:教科書の2章の1節「自己を造形させるメディアとリアル」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
5メディア・近代・自己②:現代的メディア経験へ
※視覚メディア的リアリティから、マスメディアによる擬似現実構築への展開を説明する。
予習:教科書の2章の2節「自己の被フレーム化と情報的現実論の展開」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
6メディアとしての電話①:電信から電話へ
※テレコミュニケーションに託された欲望や、電信段階からすでに始まっていたオンラインと親密性について説明する。
予習:教科書3章1節「前史としての電信」、2節「電話=遠隔魔術のはじまり」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
7メディアとしての電話②:電話のメディア特性
※電話にみる声とおしゃべりのメディア特性について説明する。
予習:教科書3章3節「声とおしゃべりのメディア特性」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
8メディアとしての電話③:電話と救済
※電話の特殊な使い方を事例にしながら、メディア行為の3類型について説明する。
予習:教科書3章4節「電話風俗と救済願望」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
9ケータイ・スマホ論①:ケータイのメディア特性と携帯電話物語
※携帯電話のメディア特性について説明する。また携帯電話物語の映像ドラマを分析する。
予習:教科書4章の前半:5つの理論フレームから日本人とケータイまでをよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
10ケータイ・スマホ論②:研究の系譜
※マナー問題、初期の携帯電話研究、2000年代の研究など、移動体メディア研究の系譜を説明する。また、自己都合コミットメント概念を提起する。
予習:教科書4章の後半:場所からの解放とマナー問題から以降をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
11ネット・自己・救済①:自己論の系譜
※現代的な自己論について解説し、それがいかにメディアと結びついて可能となっているのかを、自己メディア論として説明する。
予習:教科書5章1節「ネット空間への理論フレーム」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
12ネット・自己・救済②:ネット恋愛の物語構造
※ネット空間における親密性の問題としてネット恋愛をとりあげる。そこに託された欲望としての、自己物語のリライトについて説明する。
予習:教科書5章2節「ネット恋愛物語にみる「救済」と「再生」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
13ネット社会論の系譜①::テクスト論争について
※インターネット初期からのコンテクスト論争=コミュニティ論争について、ネット言説の初期まで遡って解説する。
予習:教科書6章1節「ネット社会の位置を考える」、2節、3節をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
14ネット社会論の系譜②:SNSとフラッシュモブ論
※2000年代のネット論を、アーキテクチャー論、SNS論とフラッシュモブを事例に解説する。
予習:教科書6章4節、5節をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成されること。(120分)
15情報メディア社会のまとめ
※これまでの講義のキー概念をまとめ、試験の範囲について説明する。
予習:事前提示の問題候補群の場所を教科書で確認すること。(120分)
復習:試験範囲を参考に、これまでのノートを読み直し、必要に応じて教科書で補完すること。(120分)
    
16定期試験を実施する。
評価方法・基
準(評価割合)
・ミニ課題(各5点以内):講義時に書いてもらう。(30%)
・平常点(15%):出席管理をするとともに、私語は厳しく注意します。
・試験点(55%):持込は、教科書と公認持込ペーパー(A4版1枚を事前配布)
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『講義時に説明する。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『メディア文化の社会学』加藤晴明福村出版23004-571-41037-9
2.『《情報》の社会学』小林修一・加藤晴明福村出版22004-571-41501-X
参考URL
1.加藤晴明の講義メモ
質疑応答
初回の講義でメールアドレスを周知する。
備考
担当教員は、情報社会、メディアだけではなく、マスコミ学も専門である。マス・メディアに関心のある学生の受講も期待する。
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更新日付2018/02/02 16:15:54