開講年度2018
科目名知的財産法B
科目ナンバーJ331-217-02
開講種別秋学期
対象学年3年
担当者篠田 四郎
単位数2
曜日・時限秋学期 木曜日 1時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
著作権法
授業の概要
 著作権法は、特許法と並ぶ知的財産法の柱である。特許法が発明というアイディアを保護するのに対して(アイディア保護法)、著作権法は創作的な表現を保護する(表現保護法)。両者の間には本質的な違いはあるものの、なお、権利者保護の観点から見ると、多くの類似性も認められる。
 受講者の皆さんは、特許法を履修していなくても、抵抗なく著作権法を履修することができる。受講生の皆さんは、基礎知識の習得をしながら、徐々に具体的な問題を解決していくことになる。
授業の到達
目標
 受講生の皆さんは、最新の法律改正、判例、学説に触れながら、著作権法の現在を知ることができる。これがこの講義の到達目標となる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1著作権法とベルヌ条約、立法史(出版条例、版権条例、旧著作権法(明治32年)、新著作権法(昭和45年)予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:著作権法とベルヌ条約との関係、憲法上、条約は国内法律よりも上位規範であることを確認する(60分) 
2著作権法の構造(著作権法の目的から見た体系)、著作者の権利に含まれる著作権と著作者人格権との関係(著作17条、18条、19条、20条)。実演家等の著作隣接権予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:著作権法は、大きく2つに分けられること、著作者の権利と実演家などの権利(著作隣接権)について、著作権法により確認する(講義録8~9頁)(60分)
3著作者と著作物(著作1条)、著作物を創作的に表現した者を著作者という。予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:特許法上のアイディアすなわち発明保護と、創作的な表現との相違を確認する(講義録9頁)(60分)
4思想・感情と表現との2分論 表現の自由、学問の自由など、近代社会が共有する金本的価値の保護。予習:講義録の該当箇所を読む(30分)
復習:ある小説のイメージ、数学における命題の解明、城の定義などは、思想・感情それ自体、著作権法の保護の対象としないこと(講義録13頁~14頁)を確認(60分)
5創作的表現における創作性とは著作者の個性。機能的著作物(コンピュータのプログラム、著作10条1項9号)。表現の幅予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:講義録17頁(60分程度)
6共同著作物(joint work)と結合著作物(combined work)との比較講義録19~24頁、客観的に共同関係の存在。講義録20頁掲載の平成13年最高裁判例を読む(40分程度)
7職務著作(法人著作 work made for hire)著作15条。職務著作の意義、この要件、法人等の発意、法人等の使用者(実質的監督関係)、発意の意義、従業者等が職務上作成、公表予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:講義録25頁~41頁 特に、平成15年最高裁判例(講義録27頁、RGBアドベンチャー事件)を検討する(60分程度)
8プログラムの著作物(著作15条2項)、意義、プログラムの表現とは何か。必要な改変予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:講義録41頁確認(60分)
9映画の著作物の著作者(著作16条)、映画についての著作権における参加約束と法廷譲渡(著作29条)予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:講義録42頁から45頁をよく理解する(60分)
10ゲームソフトと映画、特に、頒布権の消尽と貸与権(著作26条の2)予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:最高裁判例を確認する(講義録56頁~61頁)(90分)
11著作物の分類(表現形式による。)著作10条と、編集著作物(著作12条)、予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:講義録67頁~85頁 、85頁~96頁、著作権法が無方式主義(著作17条2項)を採用していることの確認、種類により論点が異なる(60分程度)
12著作者人格権の種類、公表権(著作18条)、氏名表示権(19条)、同一性保持権(20条)予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:講義録94頁~125頁(60分程度)
13著作権(財産権)の種類(著作21条~28条)
複製権(著作21条)、上演権(著作22条)におけるカラオケ法理)、翻案権(著作28条)
予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:講義録126頁~210頁(90分程度)
14著作権の制限(私的使用)米国におけるフェアユース、平成24年改正法を含む。予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:講義録211頁、213頁(60分程度)
15著作権の侵害、差止請求(著作112条)、損害賠償請求(著作114条・114条の4)予習:講義録の該当箇所を読んでおく(30分)
復習:講義録234頁~245頁(60分程度)
    
16定期試験(事例による試験)
評価方法・基
準(評価割合)
筆記による試験
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『授業中に配付』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『著作権法』篠田四郎
参考URL
1.特になし
質疑応答
 講義後または、授業中であっても可能な限り質問に応じる。
備考
画像
ファイル
更新日付2018/02/17 08:12:06