開講年度2018
科目名基礎実験演習Ⅱ(心理学実験Ⅱ)/基礎実験演習Ⅱ
科目ナンバーY112-841-03
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者石田 光男
赤嶺 亜紀
金田 宗久
鈴置 央
単位数2
曜日・時限秋学期 金曜日 2時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
実験を通じて心理学の基礎を学ぶ
授業の概要
基礎実験演習IIでは心理現象を解明するための実験,調査,テスト等の手法を幅広い分野に関して具体的に学んでいく.具体的には4つのテーマ(視覚探索,ストループ効果,知能検査,態度測定)を取り上げ,この基礎実験演習を通して,科学としての心理学の特徴を理解し,その研究法の習得を目指す.
授業の到達
目標
1.実験の計画を立案できる.
2.心理学を研究するための方法・技術を習得できる.
3.統計に関する基礎的な知識を理解できる.
4.実験で得られた結果を,科学的報告書の形式に則ったレポートにまとめることができる.
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1オリエンテーション
春学期の基礎実験演習Iの総評も含め,基礎実験演習IIの受講上の注意,心理学実験に関する心得について説明する
【予習・復習】基礎実験演習Iを振り返り,実験演習にて学んだ実験法,レポート作成に関する注意点について復習する(120)
参考図書を閲覧し,方法論や実験レポートの書き方を再確認する(120)
2a領域 視覚探索1
視覚心理学の基礎について説明し,日常における視覚探索の役割について説明する
探索時間に影響する諸要因について学び,実際の探索時間の計測方法を学ぶ
【予習】図書館および資料室内の文献を利用し,視覚心理学の基礎知識を予習しておく(120)
【課題】視覚探索を必要とする日常生活の場面について実例をまとめる(120)
3a領域 視覚探索2
被験者および実験者として全ての条件における探索時間を計測する
グループ毎に平均値と標準偏差を計算する
【予習】配布資料をもとに探索時間の測定方法を確認しておく(120)
【課題】求めた平均値と標準偏差からグラフを作成する(120)
4a領域 視覚探索3
作成したグラフを利用し,実験結果の考察をグループディスカッションによって実施する
実験結果と考察の記載内容をまとめる
【予習】グループディスカッションの準備として,探索時間に影響する諸要因について整理しておく(60)
【課題】視覚探索課題のまとめとして,実験レポートを作成する(180)
5b領域 ストループ効果1
各自が実験者および実験参加者となり,典型的なストループ課題を行う測定したデータや先行研究をもとに,スト―ループ効果について学ぶ
【予習】ヒトの認知的活動における注意のはたらきと処理の自動性について調べる(120)
【復習】この実験の2つの仮説を理解し,仮説が正しければどのような実験結果が得られるか考える(120)
6b領域 ストループ効果2
ストループ効果に及ぼす,文字読み学習の影響を検討する実験を行う
【予習】ヒトの認知的活動における注意のはたらきと処理の自動性について調べる(120)
【復習】この実験の2つの仮説を理解し,仮説が正しければどのような実験結果が得られるか考える(120)
7b領域 ストループ効果3
クラス全体の実験データを集計し,作図する(平均値と標準偏差)実験データから仮説が支持されるか否か考える
【予習】レポートの,研究目的と方法の項に取りくみ,その内容を理解する(60)
【復習】図表の不備を正し,実験の結果および考察を的確に記し,レポートを完成させる(180
8実験レポートの中間講評
これまでの実験レポートについて振り返り,レポート作成のポイントを確認する.
【課題】これまで実施した2つの実験レポートについて見直し,改善点を整理する(240)
9c領域 個別式知能検査1
知能と知能検査について説明する
WAIS-Ⅲの原理,基本的実施方法,記録の取り方について説明する
【復習】WAIS-Ⅲの基本的実施方法及び,記録の取り方について復習し,疑問点を質問できるようまとめる(120)
10c領域 個別式知能検査2
WAIS-Ⅲの各下位検査の実施方法の説明および体験学習をする
【予習】検査用具の確認,検査方法の確認と練習をおこなう WAIS-Ⅲの検査方法を確認する(60)
【復習】16歳以上の被検者1名にWAIS-Ⅲの検査を実施し,採点をする(180)
11c領域 個別式知能検査3
実施してきたWAIS-Ⅲの検査の採点・結果の処理をする
基本的解釈法について説明する
【予習】WAIS-Ⅲで得られた結果から,被検者の知能の構造がどのようなものであるか考える(60)
【復習】WAIS-Ⅲの検査から得られた結果をまとめ,実験レポートを完成させる(120)
12d領域 態度測定1
社会心理学で扱われる「態度」という概念とその測定法について概説し,リッカート法および潜在的連合テスト(IAT)によって態度測定を実施する
【予習】社会心理学の概説書を図書館などで探し,「態度」に関する章を熟読すること(120)
【課題】本テーマ第1週目に配布されるテキストを読み,内容を理解すること(120)
13d領域 態度測定2
測定データから平均値と標準偏差を算出し,分析結果を確認する
【予習】心理統計の概説書などを参考に,「t検定」と「相関分析」について調べる(120)
【復習】得られた結果から読み取れることを客観的に説明できるようにしておくこと(120)
14d領域 態度測定3
結果についてクラス全体で確認しながら考察する
レポート作成で注意すべき点(図表の作成,引用文献リストの作成など)について説明する
【予習】心理学実験のレポート作成に関する文献を参考にレポート構成や記述すべきポイントについて理解する(120)
【課題】レポート提出前に自分または他者によるレポート添削を行うこと(120)
15基礎実験演習IIの総評
秋学期の実験演習と実験レポートを振り返る
個別質問を受け付ける
【予習】実験およびレポート作成に関する質問を準備する (60)
【復習】2年次開講の一般実験演習に向けて,本演習にて学んだ方法論やレポートの書き方などについて情報を整理する(120)
    
評価方法・基
準(評価割合)
4つのテーマすべてについてレポートの提出が求められ,それらへの評価を基本とするが,実習への参加態度も加味する.
テキスト
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『心理学論文の書き方―おいしい論文のレシピ』都築 学有斐閣2052978-4641123038
2.『心理学基礎演習Vol.1 心理学実験法・レポートの書き方』西口利文 他ナカニシヤ出版2376978-4779502378
参考URL
質疑応答
質問は基本的に講義内もしくは講義終了後に受け付ける.
備考
画像
ファイル
更新日付2018/02/19 10:56:01