開講年度2018
科目名情報と社会Ⅱ/総合科目Ⅴ-Ⅱ
科目ナンバーB231-622-02
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者福山 悟
単位数2
曜日・時限秋学期 木曜日 3時限 14201
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
AIと生活
授業の概要
AI(人口知能)は既に、株価の予測、自動運転、自動翻訳、医療での画像解析等、様々な分野で活用され、私たちの生活に不可欠なものになりつつあります。しかし、AIは人間にとって脅威であると考えている人々も多く存在しています。AIに職場を奪われるかもしれないと不安になっている人がいます。また、2017年、将棋ソフト「ポナンザ」は佐藤天彦名人に圧勝し、人々に衝撃を与えました。AIが天才を打ち負かし、AIに人間は支配される可能性があると思ったからです。
 この授業では、教養部から、「ポナンザ」責任開発者の山本一成特任准教授を中心に、哲学・社会学・宗教学・生物学・語学の専門家、中部大学からは、情報工学科・ロボット理工学科の6人の先生方で、AIの現状を踏まえた上で、未来に向けて何をすべきかを検討したいと思っています。積極的な参加を期待しています。
授業の到達
目標
AIができることとできないことを把握し、今後のAIと社会の関係を考えられるようになることが本講義の目標です。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1愛知学院大学 佐藤悦成 学長

①中部大学と本学との大学間連携の意義と将来展望について。
②日本人の精神文化の変遷と社会的価値観の変化を概観する。その上で現代社会において、日本の伝統宗教として神道・仏教の果たすべき役割とは何かを論じる。
③将来、AIは日本人の精神文化にどのような影響を与えるか。神仏の存在と置き換える時代が来るのであろうか、また、そのようなことが可能であるのか否かを考える。
【予習】
日本の歴史の中で、宗教が果たしてきた役割を概観しておく。(30)
【復習】
日本人の精神について、自分の問題として考察する。(30)
2中部大学 大日方五郎 教授
近い将来実用化される可能性が高い人工知能を組み込んだ機械として自動運転車がある。自動運転車に人工知能は必須と考えられているが、自動運転機能についての人工知能の役割を理解し、それが利用者や社会とどのようなかかわりがあるかを学習する。そして人工知能が自律性を持ち、学習、適応といった高度な機能を実現していることが人や社会とのかかわりの中でどのような意味を持つのかを解説する。
【予習】自動運転がいつ頃実用化されるか調査し、メリットを個人と社会の二つの視点から考察する(60)【復習】自動運転車が関わる交通事故が起きた場合の判断と、何を理解しておく必要があるのか考察する(60)
3愛知学院大学 遠藤哲也 准教授

医療などの生命科学分野においてAIが期待されている役割を解説する。また、そもそも生物において知能とはどのようなもなのかを考えると共に、AIの今後について生物学的観点から考察する。
【予習】病気の診断におけるAIの活用について、ニュースなどを調べる。また、知能とは何なのかについて、自分なりに考えておく。(60)【復習】人工知能と生物の知能の共通点と違いについて整理する。(60)
4中部大学 石原修 学長
138億光年の宇宙空間の広がりの中にある銀河集団、その一つである銀河系にある太陽系、太陽系にある地球、地球に生きる人類、人類が住む世界、そして我々が形成する社会。我々は大気圏を超えて地球外から、衛星を使って、いろいろなものを観測し、その情報を地上に送ることもできるようになっている。社会の歴史的な発展を情報という切り口から分析し、教育をはじめ、我々が直面する問題を考える。
【予習】Universe,Singularity, Society5.0 の意味を調べる(30 )
【復習】シンギュラリティ到来の時代に「自分は職業として何をするか」を考える(30)
5愛知学院大学 川口勇作 講師
自動翻訳技術や英語能力の自動評価といった、英語教育の文脈におけるAIの活用可能性と限界点を検討する。
【予習】AIが英語教育の分野でどのように応用されているか、または応用されようとしているか調べる(60)【復習】授業内容を踏まえ、英語教育においてAIができること、できないことについて考察する。(60)
6中部大学 山内康一郎 教授
1)現在の人工知能を組み込み機器上で使用する際に何が必要となり、どのような工夫が行われるべきかを考察する。特に小型機器の中に人工知能を組み込むうえで必要となる技術を考える。2)その一方で、この人工知能を使ったアプリケーションを設計する立場から、このアプリケーションを基準にデザインしていくのかを議論したいと考えている。これをもとに人工知能の未来を皆さんと一緒に予測する。
【予習】あなたならば、人工知能を使ってどのようなアプリケーションを作りますか?アイデアを用意する(60)
【復習】現時点で人工知能にできることと、できないことをまとめる(30)
7愛知学院大学 菅原研州 准教授
近年著しい進展を見せるAIは、その能力が人間を超えていくとされている。小説や映画のSFでは既にAIが神として描かれることが珍しくないが、2017年にGoogleの元技術者がAIを神とする宗教を作ったことで話題になった。本講義では人類が神に期待してきた役割を宗教学的に検討し、その上でAIが神になる意義を考察し、果たしてそのような世界は人類にとって幸せかを模索したい。
【予習】宗教学における基本的な神観念について、確認しておくこと。(30)
【復習】AIが神になった世界における幸せについて、講義内容を踏まえてよく考えておくこと。(30)
8中部大学 川島信 教授
 AI(人工知能)を実際に活用する研究の具体例を紹介する。医療・介護領域へのAIの応用として心疾患患者を対象とした「心臓モニタシステム」の研究状況について、生活への負担の無い先端ウェアラブルセンサの研究開発からセンシングデータのAIによる診断・解析に到るまでのシステム全体の概要について講義する。
これらの研究を踏まえ将来のIoT時代へのAI技術の応用について展望する。
【予習】ウェエアラブルバイタルセンサ、IoT、AI(人工知能)などの技術用語、概念に関する予習(30)
【復習】センサシネットワークステムの構成法の復習、データ解析へのAI技術適用法(30)
9愛知学院大学 松井真一 講師
AIは誰にとって有用であるのか。社会階層の観点からAIの普及によってもたらされる社会的地位の流動化/固定化を検討する。
【予習】生活の中で既に実現しているAIの活用例を調べておく〈60〉
【復習】AIが普及するなかで私たちの生活がどのように変化するかを考察する〈60〉
10中部大学 平田豊 教授
運動の学習と記憶保持機能の中核を担う小脳を人工的に構築し、この人工小脳を用いてロボットを制御する方法の概要を学ぶ。運動学習のデモ実験を通し、人が持つ柔軟な運動学習能力を実感する。過重力下で運動学習効率が上がるという「ドラゴンボール」の重力室の効果の真偽を評価した実験を紹介する。人の注意状態を改善するOculo-feedback という新しい技術の可能性について述べる。
【予習】ドラゴンボール21巻と31巻で触れられる重力とトレーニング効果をインターネット等で調べる(60)【復習】運動の学習と記憶に関する神経機構とその工学的実現法、運動学習の促進機構をまとめる(60)
11愛知学院大学 岩佐宣明 准教授
社会保障改革と民主主義の活性化という二重の観点から、AI時代に向けたベーシック・インカムの可能性を考える。
【予習】ベーシックインカムについて、インターネット等を用いて予め調べておく。(60)
【復習】授業内容を踏まえ、ベーシックインカムに対する自分の考えを整理する。(60)
12中部大学 奥居哲 准教授
「チューリングとAI (AIにできないことは?)」
コンピュータの父として知られる数学者アラン=チューリングは、早くからAIに着目し考察した人でもある。チューリングの考案したコンピュータ(計算)のモデル(チューリング機械)について易しく学びながら、AIの限界について考える。(小テストあり)
【予習】「チューリングテスト」とは何か調べる(30)
【復習】授業で取り上げた計算不可能な問題の説明に納得がいくよう復習する(30)
13愛知学院大学 山本一成 特任准教授

AIは将棋・囲碁の名人を超えた。それにはどのような技術があり、今後我々の社会はどうなるのか?名人を倒した将棋プログラムの作者が語る人類の未来。
【予習】将棋・囲碁におけるAIについてのニュースなどを読んで、これまでの背景を調べておく。(60)
【復習】今後、AIに何を期待したいか、自分の考えをまとめる(60)
14中部大学 藤吉弘亘 教授
特化型人工知能を実現する深層学習は、画像認識・音声認識・自然言語の各分野において従来のアプローチと比べ認識性能を大幅に向上し、大変注目されている。本講義では、画像認識における深層学習の基礎を詳しく解説し、最新動向について紹介する。また、Amazon Robotics Challengeでの深層学習の利用について紹介し、今後の課題について議論する。
【予習】深層学習の実用例について調べる(30)
【復習】深層学習をベースとした人工知能システムの課題についてまとめる(30)
15愛知学院大学 福山悟 教授

各回の内容をもとに、テーマである「AIと生活」について総括する。
【予習】これまでの授業内容を復習しておく。(60)【復習】各回の講義を総合的に捉えながら、AIができることとできないことを理解し、今後、AIが私たちの生活とどのように関わっていくかを考える。(60)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験を行い、この問題について総合的に理解できているかを評価します(定期試験100%)。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『なし』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『(山本)人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?』山本一成ダイヤモンド社1500円+税978-4478102541
2.『(大日方) 自動運転』鶴原吉郎、仲森智博日経BP社1,500円+税978-4-8222-7396-5
3.『(川島) イラストで学ぶ ディープラーニング』山下 隆義講談社2,600円+税978-4-06-153825-2
4.『(奥居) チューリングを読む コンピュータサイエンスの金字塔を楽しもう』ペゾルド(著)井田他(訳)日経BP社3,000円+税4822283720
参考URL
1.(奥居) イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密映画公式サイト
質疑応答
各回の講義内容に関する質問
愛知学院大学の教員:各教員の研究室を訪ねてください。研究室やオフィスアワーはWebCampusで確認できます。
中部大学の教員:基本的に担当する回以外は直接話をする機会はありませんので、できるだけ授業終了時に質問をすませてください。あとから質問する必要が出てきたときは、教養部事務室(2号館3階)に問い合わせてください。
備考
一つひとつの講義内容についての質問などは、各担当教員と直接コンタクトを取って下さい。講義全体やその他の問い合わせは、2号館3階の教養部事務室まで。
画像
ファイル
更新日付2018/09/06 16:36:15