開講年度2018
科目名論理学Ⅱ
科目ナンバーB131-111-12
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者大野 波矢登
単位数2
曜日・時限秋学期 金曜日 3時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
形式論理学の基礎と論理的思考への応用
授業の概要
論理学Ⅱでは論理学Ⅰの範囲で使用した記号言語に、重なり合った一般性(多重量化)と同一性を加えることによって、いっそう複雑な日常言語の表現をあつかえるものへと記号言語を拡張する。そして、この拡張された記号言語を使って、論証の妥当性や文の集合の整合性、形式的真理を真理の木の方法によって判定できるようにする。また、形式論理学を利用して、情報や知識を複眼的、論理的に分析し、表現する能力を向上させる。
授業は講義形式で行い、テキストの各章の基本事項の解説、練習問題、練習問題の解説、小テストという流れで進める。
授業の到達
目標
1.日本語の文の論理形式を正しく把握し、それを述語論理の記号言語へ翻訳できる。
2.真理の木の方法を使って、論証の妥当性、文の集合の整合性、形式的真理を判定できる。
3.論理的思考の実践において、形式論理学で学習したことを応用できる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1この授業で学習する内容の説明、命題論理(1)
◯論理学が扱う基礎概念(論証の妥当性、文の集合の整合性、形式的真理等の概念について学ぶ。)
【予習】シラバスを読み授業内容をあらかじめ把握すること。(20)
【復習】授業時に配布したプリントを再読し、論証の妥当性、文の集合の整合性、形式的真理等の概念について理解を深めること。(30)
2命題論理(2)
◯論理的表記法(論理学で使用する記号言語について学ぶ。)
◯真理関数的結合子と真理表(真理表の書き方と、真理表を使って論証の妥当性、文の集合の整合性、形式的真理を判定する方法を学ぶ。)
【予習】テキストの第1章を読むこと。(60)
【復習】テキストの第1章を再読し、真理関数的結合子と真理表の使い方を確認すること。(30)
3命題論理(3)
◯真理の木(真理の木の書き方と、真理の木を使って文の集合の矛盾・整合性、論証の妥当性を判定する方法を学ぶ。)
【予習】テキストの第2章を読むこと。(60)
【復習】テキストの第2章を再読し、真理の木の書き方と使い方を確認すること。(30)
4練習問題と小テスト(1)
◯練習問題(テキスト42~46頁の2.6練習問題のうち授業時に指示した箇所の問題を解く。)
◯小テスト(1)(出題範囲:テキスト第1、2章)
【予習】真理表と真理の木の使い方を確認すること。(30)
【復習】授業で取り上げた練習問題の間違えた部分を復習すること。(30)
5記号言語の拡張(1)
◯普遍量化子と存在量化子(「あらゆる~について…」「~ような…が存在する」に対応する記号の使い方を学ぶ。)
【予習】テキスト52~54頁を読むこと。(30)
【復習】テキスト69頁の3.8練習問題1(a)~(c)の文を記号化し、普遍量化子と存在量化子の使い方を確認すること。(30)
6普遍例化と存在例化
◯普遍例化と存在例化の推論規則(普遍例化と存在例化の推論規則の使い方を学ぶ。)
◯真理の木(量化子を伴う文を含む論証の妥当性を真理の木を使って判定する方法を学ぶ。テキスト58~59頁の3.4例(a)~(g)を解く。)
【予習】テキスト54~58頁を読むこと。(30)
【復習】テキスト69頁の3.8練習問題1の論証の妥当性を判定すること。(30)
7練習問題
◯否定についての推論規則(全称文と存在文の否定のドモルガンの法則による書き換えを学ぶ。)
◯練習問題(テキスト69~70頁の3.8練習問題2~7を解く。)
【予習】テキスト60~69頁を読むこと。(30)
【復習】授業で取り上げた練習問題の間違えた部分を復習すること。(30)
8記号言語の拡張(2)
◯重なり合った一般性(重なり合った一般性を使った文の記号化のしかたを学ぶ。)
◯無限に成長する反例(重なり合った一般性を伴う文を含む論証の妥当性を真理の木を使って判定する方法を学ぶ。)
【予習】テキスト83~93頁を読むこと。(30)
【復習】テキスト94~98頁を読むこと。(30)
9練習問題と小テスト(2)
◯練習問題(テキスト93~94頁の4.10練習問題を解く。)
◯小テスト(2)(出題範囲:テキスト第3章、第4章)
【予習】テキスト91~93頁の4.7~4.9の例題を使って真理の木の書き方を確認すること。(30)
【復習】授業で取り上げた練習問題の間違えた部分を復習すること。(30)
10記号言語の拡張(3)
◯同一性(同一性記号を使った文の記号化のしかたを学ぶ。)
◯同一性についての推論規則(同一性についての推論規則を使って真理の木を書く方法を学ぶ。)
【予習】テキスト104~108頁を読むこと。(30)
【復習】テキスト112頁の5.5練習問題1、2を解くこと。(30)
11確定記述と個数の表現
◯確定記述(確定記述句を含む文の記号化のしかたを学ぶ。)
◯個数の表現(論理的表記法による物の個数や人の人数の表現のしかたを学ぶ。)
【予習】テキスト108~112頁を読むこと。(30)
【復習】テキスト112~113頁の5.5練習問題4~7を解くこと。(30)
12論理的思考の実践(1)
◯論証の構造と評価(論証の一般的な構造と、論証の適切さを評価する方法を学ぶ。)
◯演繹と推測(演繹、推測、仮説形成の構造をとらえる練習と、論証の適切さを評価する方法を学ぶ。)
【予習】前回の授業で配布されたプリントを読むこと。(30)
【復習】プリントの練習問題・課題問題のうち授業時に指示した箇所の問題を解くこと。(30)
13論理的思考の実践(2)
◯価値評価型論証の扱い方(価値判断や規範に関する主張を結論として導く論証の適切さを評価する方法を学ぶ。)
◯批判を発想する方法(自分の議論を第三者的な視点で批判的に見直したり、他人の議論を批判したりする際のポイントを学ぶ。)
【予習】前回の授業で配布されたプリントを読むこと。(30)
【復習】プリントの練習問題・課題問題のうち授業時に指示した箇所の問題を解くこと。(30)
14練習問題と小テスト(3)
◯練習問題(前回の授業で配布されたプリントの練習問題・課題問題を解く。)
◯小テスト(3)(出題範囲:テキスト第5章、第12、13回の授業で配布したプリント)
【予習】前回の授業で配布されたプリントを読むこと。(30)
【復習】第12、13回の授業で学習した内容を復習すること。(30)
15総括
◯授業のまとめ(授業の全体を振り返る。)
◯定期試験に関する事項の通知(定期試験の出題範囲、試験対策のための学習のポイント等を説明する。)
【復習】小テスト(3)の間違えた問題を復習すること。試験対策としてこれまでに学習した内容を確認すること。(60)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験:70点満点、小テスト:授業内小テスト(10点満点×3回)の合計点
評価の配分は、定期試験70%、小テスト30%
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『形式論理学―その展望と限界』リチャード・ジェフリー産業図書3,0244782800924
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『論理学をつくる』戸田山和久名古屋大学出版会4,1044815803900
2.『新版 論理トレーニング』野矢茂樹産業図書2,3764782802110
参考URL
質疑応答
授業に関する質問や相談には授業の前後の時間に教室で直接応対する。
備考
この科目の履修には、春学期の論理学Ⅰをあらかじめ履修していると理解がしやすいものとなる。
授業中の私語、学習目的以外でのスマートフォンの使用は禁止する。
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更新日付2018/02/09 11:20:30