開講年度2018
科目名哲学Ⅱ
科目ナンバーB131-111-02
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者星 揚一郎
単位数2
曜日・時限秋学期 金曜日 2時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
正義・平等・自由  現代の社会・道徳哲学を中心にして
授業の概要
 トランプ政権樹立により、人をモノのように扱い、人びとが思考することなく表層的に行動する風潮が世界的にいっそう強まりつつある。それに伴い、国内でも格差が広がり、同時に社会的弱者が住みにくい社会になりつつある。いま、正義・平等・自由といった人間の本質にかかわることが問い直されねばならない。哲学2では、現代の哲学を題材にして、今日の社会や倫理を考える基本をできるだけ平易な言葉と例で紹介し、次代を担う学生とともに、どのような社会を構築していくべきか、いかに生きるべきかを考えてみたい。哲学1を受講している必要はないが、のちに哲学1を受講すれば哲学史をほぼ概観することになる(2、1の順でも可)。哲学1の内容も、折に触れて説明に加える。
 受講生の理解度をみて復習しつつ進めていくし、時事的問題により話を前後することもある。参考文献は適宜紹介する。
授業の到達
目標
1、社会・道徳哲学を中心とした20世紀以降の哲学の流れを理解する。
2、哲学の専門書の記述に(さしあたり日本語で)慣れる。
3、レポート執筆のルールに則り、根拠をもって自分の意見を論述することができるようになる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1いま、哲学する意味 鷲田清一・内田樹『大人のいない国 成熟社会の未熟なあなた』を概観する。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
2自ら哲学するために 戸田山和久『論文の教室』で、レポートの作成(自ら哲学すること)の意味と方法についてあらかじめ学ぶ。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
3功利主義(1) シンガー『正義の倫理 ジョージ・ブッシュの善と悪』により、徴税の正当性について学ぶ。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
4功利主義(2) 功利主義の長所と短所について考える。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
5自由主義 ロールズ『正義論』により、公正としての正義について学ぶ。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
6厚生経済学 セン『合理的な愚か者』と『正義のアイデア』により、ロールズを補足する。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
7自由至上主義 ノージック『アナーキー・国家・ユートピア』により、小さな政府の正当化について学ぶ。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
8共同体主義(1) マッキンタイアー『美徳なき時代』により、ノージックらの原子論的人間観への批判を学ぶ。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
9共同体主義(2) サンデル『これからの正義の話をしよう』により、トランプ政権を検討する。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
10共和主義的規範理論 アーレント『全体主義の起原』により、根源的民主主義を学ぶ。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
11徳倫理学 ヌスバウム『感情と法―現代アメリカ社会の政治的リベラリズム』により、義務論、功利主義に並ぶ視点を理解する。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
12討議倫理 ハーバーマス『討議倫理』により、カントの義務論の欠点を乗り越える。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
13討議から闘技へ シャンタル・ムフ『民主主義の逆説』により、民主主義とは何かを哲学する。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
14ヴィトゲンシュタイン『倫理についての講話』で価値について語ることの可能性について検討する。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。次回分のプリント類があれば事前に読むこと。同時に、質問を考えておくこと(最低60分)。
15講義のまとめ いま、わたしたちは、どうすべきか。学んだ内容を復習するとともに、関連書籍を読み、補足をしておく。この日までにレポートの目途をたてておくこと(最低60分)。
    
16レポート試験指定した条件に合わせてレポートを作成し、教務課に提出する。
評価方法・基
準(評価割合)
基準:授業の核心を理解したうえで、レポート作成のルールにしたがって、問いを自ら立てて論述できる。
評価:授業内レポートの提出30%、期末レポート70%により評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『資料を使用する』
参考書
  ・
参考資料
参考URL
質疑応答
質問や意見があれば、授業の前後、授業中を問わず、申し出ること。希望者には、レポートの作成指導も個別にする。
備考
1、お互いに気持ちよく授業が成立するように、協力していただきたい。
2、個別に何か配慮することがあれば、気軽に相談してほしい。
3、受け身では理解しにくい。条件に沿ったレポートが書けるように、積極的に勉強してほしい。
4、授業に対する姿勢があまりにふさわしくない場合は、そのつど注意をする。
5、授業計画の内容は必ず紹介するが、時事的な出来事や受講生の理解度を見て授業内容以上の情報も提供する。また、全体と部分を往復しながら進んでいくことを、あらかじめ了承してほしい。
画像
ファイル
更新日付2018/02/07 21:40:58