サブタイトル | | 19世紀半ばのアメリカの文学と社会(ナサニエル・ホーソーン編) |
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科目のねらい | | ナサニエル・ホーソーンの『緋文字』や同じ作家の他の作品を読解、解説するだけではなく、当時のベストセラー作品や社会の動きにも目配りをすることによって、同時代の多様な英語表現、文学作品を生み出した文化k的、歴史的な背景を多角的に検討したい。 |
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到達目標 | | アメリカ文学史上の傑作とされるホーソーンの『緋文字』を中心とする、彼の書いた英語のオリジナルのテクストなどの読解を通して、その多彩な英語表現や、それらの背後にある、文化や歴史的な背景を学ぶことを目標とする。 |
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授業の内容・ 計画 | | 第1回:イントロダクション:F.O.マシーセンによる「アメリカンルネサンス」の作家たちの選択 第2回:文学研究の制度化と文学史の構築:ナサニエル・ホーソーンとハーマン・メルヴィルの評価の変遷 第3回:ホーソーンの名声と文学産業の経営戦略::文学の「場」ということ 第4回:セイラムと日本のつながり:大森貝塚の発見者エドワード・モースとピーボディ・エセックス博物館の東洋コレクション 第5回:セイラムの「魔女たち」を裁くホーソーンの祖先:「若きグッドマン・ブラウン」に描かれた「正しい」共同体の裏側と魔女裁判のメカニズム、そして魔女狩りから赤狩りへ 第6回:文学を解釈するということ:「痣」の読解―フェミニズム編 第7回:文学を解釈するということ:「痣」の読解ー新歴史主義編 第8回:ホーソーンのロマンスへのこだわり:『ブライズデイル・ロマンス』(1852)の序文 第9回:公私の「中間領域」としての「税関」:『緋文字』(1850)の序文の役割 第10回:ホーソーンにとプライバシー、その曖昧な語り方:19世紀の生活空間の分離と男性職業作家 第11回:ヘスター・プリンの初登場は監獄の門の前:「不倫文学」『緋文字』と『ボヴァリー夫人』(1856)の評価と物語の構造の相関関係 第12回:1848年のセネカフォールズ:フェミニズム運動の始まりとヘスターが口にする英語の表現の雄弁さと強さ 第13回:ホーソーンの女性の理想像:『家庭の天使』VSブルーマーを身に着けた女性たち、『ニューヨークタイムズ』創刊号(1851年9月18日付)の第一面の記事、イギリスの風刺雑誌『パンチ』 第14回:清教徒の共同体で晒し者にされる「聖母」:マリア信仰の高揚とヘスターの描き方のねじれ 第15回:春学期の振り返り
第16回:イントロダクション:『緋文字』のなかの2つの時代―家族をめぐる価値観の変化 第17回:愛のない結婚とヘスターの希求:清教徒社会のロマンティックラブ? 第18回:ヘスター包囲網:母性という神話と男性社会 第19回:幽閉された総督の妹:『緋文字』と英語文学のなかの「屋根裏部屋の狂女」 第20回:ヘスターの罰と罪意識の内在化:躾と児童文学の効用―スーザン・ウォーナー『広い、広い世界』(1850)とミシェル・フーコー『監獄の誕生』を手掛かりにして 第21回:17世紀のボストンを描く物語に紛れ込んだfiresideという言葉:近代家族の条件と『緋文字』なかの時代錯誤、そしてOxford English Dictionaryを参照する必要性 第22回:19世紀の家庭の聖域化、家族の孤立と崩壊:家庭の幸福と描かない/描くことができないホーソーン 第23回:実験共同体の新しい家族像:『ブライズデイル・ロマンス』とブルックファームの現実 第24回:夫・父親であることの重圧とディムズデイル:理想の夫・父親像と失業者ホーソーン 第25回:「忌々しい物書き女たち」に嫉妬するホーソーン:19世紀アメリカの大衆文学と純文学 第26回:家庭からの逃走:アメリカ文学のなかの男性キャラクターの系譜 第27回:ベストセラーになった独身男の物語:ドナルド・グラント・ミッチェル『独身男の夢想』(1850)と『ブライズデイル・ロマンス』の独身男カヴァデイルの語り口 第28回:文学作品のアダプテーション 映画化された『緋文字』その1:ヴェンダース監督版 第29回:文学作品のアダプテーション 映画化された『緋文字』その2:デミ・ムーア主演版 第30回:秋学期の振り返り |
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評価方法 (基準等) | | 授業中のコメントなど(20%)、期末レポート(80%) |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 予習 テクストの下読み(毎回) 1.5時間 復習 授業内容の確認(毎回) 0.5時間
作品の時代・社会背景のリサーチ 15時間 期末レポートなどの課題作成 15時間 |
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教科書・ 参考書 | | 教科書 Nathaniel Hawthorne, Leland S. Person ed. The Scarlet Letter and Other Writings, W.W. Norton, 2017. 参考書 Larry J. Reynolds ed. A Historical Guide to Nathaniel Hawthorne, Oxford UP, 2001. ジュディス・フェッタリー、鵜殿えりか、藤森かよこ訳『抵抗する読者―フェミニストが読むアメリカ文学』ユニテ、1996年。 テリー・イーグルトン、大橋洋一訳『文学とは何か』上下、岩波文庫、2014年。 |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | オフィスアワー 木曜2時間目(研究室番号 3538)
授業時間で対応可能なものは、時間内で質問を受け、時間がかかるものはオフィスアワーで対応します。 |
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備考 | | |
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更新日付 | | 2018/02/13 17:12:37 |