サブタイトル | | 西洋国際体制の拡大と東アジアの地域的国際秩序~主権と宗主権をめぐって~ |
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科目のねらい | | 現代人は国際関係を西洋近代に発達した概念で捉えることに慣れている。その典型が、主権国家である。国家とは主権国家であり、それは対外的に独立し、組織的な司法行政制度のもとに内政を管理している。そのような主権国家に暮らす人々は国家に帰属心意識を持ち、国民という自覚を持ち、国家なしに自己のアイデンティティを見出すことはできない。しかし、そのような国民意識が形成されたのは、たかだか、ここ200年ほどの間に過ぎず、それの西洋の主権国家を基礎とする国際体制の全世界的拡大によって築かれたのである。本講義では、英文資料を用いながら、春学期に、西洋国際体制の形成過程を説明し、秋学期には、西洋国際社会と東アジア世界の地域秩序との邂逅を通して、どのような摩擦や問題を生み出していったのかを考察する。 |
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到達目標 | | 1.西洋国際体制の特徴やそれがどのような歴史的過程を経て全世界に定着していったのかを理解で きるようにする。 2.われわれの意識している国民や国際法が西洋起源のものであり、非西洋世界にどのような影響を 及ぼしたのかを理解できるようにする。 3.難易度の高い英文資料を読み解く能力を身につける。 |
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授業の内容・ 計画 | | 春学期テーマ~西洋近代外交の形成と展開 1.講義の概観と意義 2.15~16世紀西洋の新しい外交の形成 3. 中世的慣行と新しい外交の慣行 4. 旧制度における外交の展開~17世紀から18世紀末① 5. 旧制度における外交の展開~17世紀から18世紀末② 6. 旧制度における外交の展開~17世紀から18世紀末③ 7. 旧制度の外交体制の変化①近代化の試み 8. 旧制度の外交体制の変化②拡大する世界への対応 9. 勢力均衡①起源 10. 勢力均衡②勢力均衡思想の絶頂期 11.勢力均衡③19世紀における変容 12.国際平和の希求①17世紀まで 13.国際平和の希求②18世紀 14 .国際平和の希求③19世紀における現実 15. 春学期のまとめ 秋学期テーマ~西洋国際体制と東アジア地域秩序の邂逅 1. 西洋国際社会と東アジア~主権と宗主権① 2. 西洋国際社会と東アジア~主権と宗主権② 3. 朝鮮における清の宗主権と列強 4. 朝鮮における清の宗主権とイギリス① 5. 朝鮮における清の宗主権とイギリス② 6. イギリスのビルマ併合と清の宗主権① 7. イギリスのビルマ併合と清の宗主権② 8. フランスのベトナム併合と清の宗主権 9. チベットをめぐる英中露の駆け引き~チベットにおける清の宗主権問題 10.イギリスのチベットへの関心 11.ヤングハズバンド軍事使節団のチベット派遣と英中関係の混乱 12.チベットに関するおける英露協定(1907年) 13.チベットをめぐる英中関係、1908-1914(1) 14.チベットをめぐる英中関係、1908-1914(2)~シムラ会議 15.総括 |
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評価方法 (基準等) | | 平常点 (授業に対する熱意、参加度の40点) および春秋学期2度のレポート試験 (60点) にて評価する。 |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 予習:事前に配布される資料(英文の場合もあり)の内容を、次回講義に備えて疑問点などを整理しておく。(目安として毎週最低2~3時間程度) 復習:講義内容を確認し、各学期末に提出するレポートの下準備をしておく。(目安として毎週最低1時間程度) |
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教科書・ 参考書 | | 教科書: 使用しない。レジュメと史料を配布する 参考文献:小林隆夫『19世紀イギリス外交と東アジア』(彩流社、2012年):岡本隆司編著『宗主権の世界史』(名古屋大学出版会、2014年):M.S.Anderson, The Rise of Modern Diplomacy (Longman, 1993) |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | |
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備考 | | |
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更新日付 | | 2018/02/19 13:39:46 |