開講年度2018
科目名税法
科目ナンバーC231-212-81
M231-162-81
開講種別春学期
対象学年2年
担当者川井 和子
単位数2
曜日・時限春学期 火曜日 4時限
キャンパス名城公園
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
税法の基本的事項の学修
授業の概要
国民が安心して暮らせる社会のために税金は不可欠であり、税負担は、納税者において公平に配分しなければなりません。そして、日本国憲法は納税の義務を定めるとともに、租税の賦課徴収は法律の定めによることと定めています。また、わが国では主たる国税について申告納税方式を採用しているので、納税者は税法に基づいて自らの税金について自ら計算して納めます。したがって、私たちにとって税に関する知識は不可欠であるといえます。
以上をふまえて、本講義では、税や税制度の役割、税法の基本原則を学修したうえで、各論として所得税、法人税、消費税、相続税について基本的な学修をします。とくに、最近の税に関する事例(事件)を題材として、税法の解釈・適用、租税回避行為とその否認に関する動向などに関し、基本的事項の修得をねらいとします。
授業の到達
目標
商学部のカリキュラム・ポリシーに即して、実務で通用する知識を習得するため、わが国における税制と各個別税法等の理解を目標とします。具体的には、日本国憲法から導かれる租税法律主義と租税公平主義という税法上の2つの基本原則を理解し、最近の税に関する事例(事件)などを通じて、税法の基礎知識やその解釈適用のあり方を修得します。これにより、税に関する紛争を予防するスキルを養うことを目指します。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1イントロダクション: 税法を学ぶ意義・わが国の税に関する制度設計と租税法の基本原則最近の税に関するニュースを点検し、それについて考えてくること。 60分
※授業時間外学習は復習を中心とする(2回~15回まで同じ)。
2税の意義と歴史・憲法と租税法税法における法的思考([リーガルマインド)について考えること。
前回の授業の復習と新聞やインターネットの税に関するニュースを確認すること(次回以降も同じ)。 60分
3税法の基本原則Ⅰ・租税公平主義税の意義、そして、憲法と税法の関係について理解すること。 60分
4税法の基本原則Ⅱ・租税法律主義租税公平主義について端的に説明することができるようにすること。 60分
5租税法律主義と租税公平主義の対立―武富士事件租税法律主義について端的に説明することができるようにすること。 60分
6税法の解釈・適用税法の基本原則である租税法律主義と租税公平主義の関係について理解し、その対立について考えてくること。 60分
7税務通達と租税法律主義税法の解釈適用のあり方について理解し、不確定概念や借用概念の解釈についての考え方を理解すること。 60分
8節税・租税回避・脱税税務通達の意義を理解したうえで、いわゆる通達課税と租税法律主義との関係について考えてくること。 60分
9租税回避行為の否認税負担の減少行為に関する3つの類型について理解してくること。 60分。
10税の種類と計算方法(1)所得税の意義と計算租税回避行為の否認とは何か。その否認の方法について学んだことを理解してくること。 60分
11税の種類と計算方法(2)所得税の意義と計算所得税の計算構造について理解してくること。  60分
12租税の種類と計算方法(3)法人税の意義と計算所得税法における所得区分の意義について理解するとともに、その論点について考えてくること。 60分
13.税の種類と計算方法(4)相続税の意義と計算法人税の計算構造について理解し、益金概念、損金概念について考え、企業会計における利益と法人税における所得との違いを理解すること。 60分
14申告と納税-申告納税方式と賦課課税方式相続税の計算方法について理解し、民法上の相続財産と相続税法上の相続財産との違いについてその概要を理解してくること。 60分
15税務調査と不服申立て・納税者の権利保護わが国が採用する申告納税制度と租税法律主義との関係について考えてくること。 60分
    
評価方法・基
準(評価割合)
適宜、小レポートを作成・提出することとします(20%評価)。定期試験を実施します(80%評価)。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『リーガルマインド租税法[第4版]』増田英敏成文堂3780円978-4-7923-0549-9基本的にこのテキストに即して授業を進めます。
2.『日本税理士会連合会HP・「租税教育講義用テキス2017」[講義用テキスト(税法PDF/2.3MB]』日本税理士会連合会各自下記URLより印刷してください。
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『租税判例百選[第6版]』中里実ほか有斐閣2808円978-4-641-11529-3重要判例教材
参考URL
1.日本税理士会連合会HP「租税教育講義用テキスト」の2017版です。
2.国税庁HP・税大講本「税法入門(平成29年度版)」租税法の概要をわかりやすく説いています。
質疑応答
質疑応答は、授業終了後及びオフィスアワーに名城公園キャンパス2915研究室にて行います。
オフィスアワ-: 火曜日 16時30分~17時30分、水曜日15時00分~16時00分
備考
(1)本講義の受講にあたっては、この科目が扱う税金の賦課・徴収のあり方・使途について強い関心があることが望ましいです。(2)教科書は必ず授業に臨むにあたり準備し、講義の際には、ノートとともに忘れずに持参することとします。(3)授業中の私語は厳禁とし、入退室しないことを原則とします。また、すべての携帯電話操作を禁止します。
※ なお、受講生の履修状況により、適宜、内容・進度等を調整変更することがあります。
また、ミニテスト等の結果により、授業内容等に適宜フィードバックする予定です。
画像
ファイル
更新日付2018/02/03 16:56:14