開講年度2018
科目名人間行動の理解Ⅰ
科目ナンバーB231-285-01
開講種別春学期
対象学年2年
担当者金田 宗久
単位数2
曜日・時限春学期 月曜日 4時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
心理学実験入門
授業の概要
心理学ⅠおよびⅡでは、人間の「こころ」に関わる理論と事象を紹介しています。これらの理論や事象は、科学的な研究法(実験や調査など)によって得られたデータに基づいています。この授業では、受講生のみなさんが実験者および実験参加者の役割を体験しながら、心理学の基本的な方法論について理解を深めることを目的としています。具体的には、6つの実験テーマを通じて仮説検証についての考え方からデータ収集、結果の解釈に至るまでを理解してもらいたいと思います。そして、計6本のレポート作成を通じて、データの実践的な報告方法の習得を目指します。
授業の到達
目標
この授業の到達目標は以下の通りです。
 (1)科学的な手続きやデータ処理について述べることができるようになる。
 (2)科学的な方法論で物事を客観的に検討できるようになる。
 (3)客観的な文章で自分の考えを報告できるようになる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1ガイダンス
この授業を受講する際の注意点を確認するとともに、心理学実験の流れについて概説します。
【予習】シラバスを熟読し、授業内容について事前に把握する(30)
【復習】配布された資料を読み、内容について振り返る(30)
2心理学実験の手法・レポート作成の注意点
心理学実験で用いられる仮説検証の手続きについて、具体的な事例を用いて解説します。また、授業中に提出を求める実験レポートの作成における注意事項を説明します。
【復習】配布された資料を読み、心理学実験の特徴について復習する(30)
3ミュラー・リヤー錯視(1)
代表的な錯視図形であるミュラー・リヤー図形を用いて、錯視現象に関する実験を実施し、データを取得します。
【復習】配布された資料を読み、実験の目的および手続きについて復習する(60)
4ミュラー・リヤー錯視(2)
第3回の授業で取得したデータに基づき、ミュラー・リヤー錯視についての考察ポイントを解説します。
【課題】データに基づいてミュラー・リヤー錯視についてのレポートを完成させる(240) *次回授業時に提出
5大きさの恒常性(1)
知覚の恒常性の1つである大きさの恒常性に関する実験を実施し、データを取得します。
【復習】配布された資料を読み、実験の目的および手続きを復習する(90)
6大きさの恒常性(2)
第5回の授業で取得したデータに基づき、大きさの恒常性についての考察ポイントを解説します。
【復習】返却されたレポートの見直し(90)
【課題】データに基づいて大きさの恒常性についてのレポートを完成させる(240) *次回授業時に提出
7鏡映描写(1)
鏡映描写課題を用いた実験を実施し、知覚運動学習に関するデータを取得します。
【復習】配布された資料を読み、実験の目的および手続きを復習する(90)
8鏡映描写(2)
第7回の授業で取得したデータに基づき、両側性転移についての考察ポイントを解説します。
【復習】返却されたレポートの見直し(90)
【課題】データに基づいて鏡映描写についてのレポートを完成させる(240) *次回授業時に提出
9語の記銘(1)
記憶のメカニズムに関する実験を実施し、データを取得します。
【復習】配布された資料を読み、実験の目的および手続きを復習する(90)
10語の記銘(2)
第9回の授業で取得したデータに基づき、記憶における系列位置効果についての考察ポイントを解説します。
【復習】返却されたレポートの見直し(90)
【課題】データに基づいて語の記銘についてのレポートを完成させる(240) *次回授業時に提出
11パーソナル・スペース(1)
自分と他者との間に生じる空間(パーソナル・スペース)に関する実験を実施し、データを取得します。
【復習】配布された資料を読み、実験の目的および手続きを復習する(90)
12パーソナル・スペース(2)
第11回の授業で取得したデータに基づき、パーソナル・スペースの考察ポイントを解説します。
【復習】返却されたレポートの見直し(90)
【課題】データに基づいてパーソナル・スペースについてのレポートを完成させる(240) *次回授業時に提出
13集団の認知:錯誤相関(1)
集団を認知する際に生じうる錯誤相関に関する実験を実施し、データを取得します。
【復習】配布された資料を読み、実験の目的および手続きを復習する(90)
14集団の認知:錯誤相関(2)
第13回の授業で取得したデータに基づき、錯誤相関についてレポートで考察するポイントを解説します。
【復習】返却されたレポートの見直し(90)
【課題】データに基づいて錯誤相関についてのレポートを完成させる(240) *授業時間内にて提出
15まとめ
6つの実験テーマを通じて実習を行った心理学的な仮説検証法について復習します。
【復習】返却されたレポートの見直し(90)
これまでに配布された資料を読み、内容を復習する(120)
    
評価方法・基
準(評価割合)
授業中に指定する実験レポート60点(6テーマ×10点)と授業への参加態度40点の合計で評価します。
*実験レポートのうち一つでも未提出があった場合は「失格」となります。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『授業中に配布』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『教材心理学』木下冨雄 ほか(編)ナカニシヤ出版2,000円+税9784888480123
2.『心理学基礎実験を学ぶ―データ収集からレポート執筆まで』大和田智文・鈴木公啓(編著)北樹出版2,400円+税9784779304835
参考URL
質疑応答
質問等がある場合は気軽に聞いてください。特に、実験の手続きやデータのまとめ方について曖昧なままにしておくと、正確なデータが収集できない、あるいは間違ったデータでレポートを作成してしまうという可能性があります。正しく理解するためにも不明な点は随時たずねてください。
備考
(1)心理学ⅠおよびⅡの単位を修得していることが望ましい。
(2)受講者でグループやペアを作って実習形式で進めていくため、原則として遅刻や欠席は厳禁とします。
(3)やむを得ず欠席してしまった場合、必ずその旨を申し出て必要なデータを受け取り、データ整理やレポート作成などの課題の説明を受けてください。
(4)授業時間を利用して、調査や実験を実施することがあります。心理学の研究にふれる良い機会となるため、ぜひ参加協力をお願いします。
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更新日付2018/02/14 16:00:53