開講年度2018
科目名教育学Ⅰ
科目ナンバーB131-271-01
開講種別春学期
対象学年1年
担当者萩生 昭徳
単位数2
曜日・時限春学期 木曜日 2時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
人として生きるための教育学入門(1)
授業の概要
教育というと、学校で教えることと学ぶことだと思うかもしれません。しかし、教育は何も学校の中だけのものではないのです。私たちが現在学んでいるような学校は、たかだか百数十年ほどの歴史を持つ制度でしかありません。この授業では、教育がなぜ学校の中(だけ)のことだと考えられることになったのかを、この社会の成り立ちから考えるとともに、そこで忘れられている、人が人として生きるためにこそ教育が必要であることを考えていきます。それはまた、受講者の皆さん自身がこれからどう生きていったらよいのかを自分で問い返すことにもなるのではないかと思います。
教育学Ⅰ・Ⅱはともに「人として生きるための教育学」をテーマとしていますが、教育学Ⅰでは主として「学校」を切り口に、「教育=学校」という図式から頭を解放して、あらためて教育について考えていきます。
授業の到達
目標
近代社会において必要とされ、つくられた学校のありかたを知ることを通して、近代学校という枠組みを解いた教育について論じることができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1はじめに:「学校」のイメージ
「学校」という言葉でイメージするものが「近代」に限定されたものであることを学びます
復習 授業内容を確認する(60分)
2閑暇と学校
学校が歴史的にはごく限られた特権階級の子どもたちが通うものであったことを学びます
復習 配付資料を再読する(15分) 授業内容を振り返り、学校というものが成立した状況について理解を深める(60分)
3ラテン語からから母語へ
ルネサンス運動を経て、ラテン語学校から母語を教える学校へと、必要とされる学校が変化していったことを学びます
復習 配付資料を再読する(15分) 授業内容を振り返り、学校に通う人々や教育内容の変化について理解を深める(60分)
4近代公教育制度の成立(1):なぜすべての子どもが学校に通うようになったのか?
近代になり、なぜすべての子どもが学校に通う必要性が生まれたのか学びます
復習 配付資料を再読する(15分) 授業内容を振り返り、近代学校成立の社会的必要性について理解を深める(60分)
5近代公教育制度の成立(2):背景となる教育思想
近代公教育制度の成立を促したコメニウス、ルソー、ペスタロッチらの教育思想について学びます
復習 配付資料を再読する(15分) 授業内容を振り返り、コメニウスらの思想について理解を深める(60分)
6中間まとめ
これまでの授業内容を振り返り、近代学校とそれ以前の学校とを対比しながら近代学校の特質について確認します
復習  授業内容を振り返り、近代学校の特質について理解を深める(60分)
7日本における近代学校(1):「学制」
明治の日本における近代公教育について、「学制」を中心に学びます
復習 配付資料を再読する(15分) 授業内容を振り返り、「学制」についての理解を深める(60分)
8日本における近代学校(2):「教育勅語」
「教育勅語」発布以後の日本の近代公教育について学びます
復習 配付資料を再読する(30分) 授業内容を振り返り、日本の近代公教育の歩みについて理解を深める(60分)
9中間まとめ(2)
日本の近代公教育の特質について確認します
復習 配布資料を再読する(15分) 授業内容を振り返り、日本の近代公教育の特質について理解を深める(60分)
10近代社会の人間観と学校
近代社会の人間観と学校とのかかわりについて学びます
復習 授業内容を振り返り、近代社会の人間観が学校に及ぼした影響について理解を深める(60分)
11近代国民国家と言語政策
「国語」が明治になって登場した意味を考えます
復習 授業内容を振り返り、「国語」が登場した意味について理解を深める(60分)
12「国語」の役割
「国語」が果たす役割と、学校がその普及の担い手となったことについて学びます
復習 授業内容を振り返り、「国語」を広めるシステムとしての学校について理解を深める(60分)
13工場と学校の論理
近代社会における大量生産の工場と学校とが同じ論理をもっていることを学びます
復習 授業内容を振り返り、工場と学校とに共通する論理について理解を深める(60分)
14転換点に立つ学校
ポスト近代社会である現在、学校が転換点に立ってることを学びます
復習 授業内容を振り返り、ポスト近代社会における学校の意味について理解を深める(60分)
15まとめ
授業の全体をふりかえります
復習 15回の授業の全体を見直す(60分)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
評価方法:定期試験(100%)
評価基準:試験は論述形式
授業内容をしっかりと把握したうえで、設問に明確に答える文章であること
論旨の通った文章であること
字数も評価に加えます
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『資料を配付する』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『「近代」の意味 制度としての学校・工場』桜井哲夫NHK出版4-14-001470-9
2.『ことばと国家』田中克彦岩波新書4-00-420-175-6
3.『やさしい教育原理』田嶋一有斐閣アルマ978-4-641-12426-4
参考URL
質疑応答
授業日の昼休みに、アガルスタワー3階講師控室にて対応します。
備考
授業では出席をとります。2/3以上の出席がない場合は失格となるので注意してください。公欠は出席扱いしません。
私語は禁止です。
授業中の講義室の出入りは原則として不可とします。
画像
ファイル
更新日付2018/02/06 14:34:08