開講年度2018
科目名経済学原論
科目ナンバーL221-232-01
開講種別通年
対象学年2年
担当者吉田 雅彦
単位数4
曜日・時限通年 火曜日 3時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
ミクロ経済学・マクロ経済学の基本構造を学ぶ
授業の概要
ミクロ経済学(microeconomics)は,個々の経済主体―消費者や企業など―の合理的な経済行動から「市場(market)の仕組み」を学び科目である。ここでは,市場がもつ「市場のメカニズム」について理解を深める。また,市場調整は万能ではなく,「市場の失敗」をともなうこともあるが,その際の政府の市場介入についても学ぶ。一方,マクロ経済学(macroeconomics)は,国民経済の経済変数―GDP,消費,投資,政府主出など―の集計量の決定やその因果関係を学ぶ科目である。また現代では,海外部門(貿易部門)を無視できない経済であるため,「国際マクロ経済学」の基本理論にも言及する。
授業の到達
目標
ミクロ経済学では,見えざる「市場(取引)」というものを理論モデルを使って,目に見える形にして考えたり,将来の市場経済の予測を行う力を培うことができる。マクロ経済学では,金利,物価,為替レートなどの中核的な経済変数間における因果関係がわかり,景気の現状やその動向について予測できる力を培うことができる。
授業計画(春)
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1需要と供給 〇黄金のクロス図 〇需要と供給の一致(=市場均衡) 〇豊作貧乏【予習】テキストの該当箇所を読む(30) 【復習】授業ノートを参照して,需給曲線を描けることを確認する(60)
2需要と供給分析の応用 〇宅地市場と地価 〇原油価格 〇差別価格 〇消費税の負担【予習】近年の原油価格の動向を調べてみる(30) 【復習】授業ノートを参照して地価と原油価格の決定を確認する(60)
3需要曲線の導出 〇価格と需要 〇需要と収入 〇需要の価格弾力性 〇需要曲線のシフト要因【予習】テキストにおける価格と需要に関する箇所を一読する(30) 【復習】需要の価格弾力性について数値例を用いて確認し,需要曲線のシフト要因を整理する(60)
4需要曲線と消費者余剰 〇需要と効用 〇消費者余剰 〇需要と効用最大化【予習】経済学でいう効用とは何かを調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,消費者余剰が図示できるか確認する(60)
5供給曲線とは 〇価格と供給 〇供給の価格弾力性 〇供給曲線のシフト要因【予習】テキストにおける価格と供給に関する箇所を一読する(30) 【復習】供給の価格弾力性を数値例を用いて確認し,供給曲線のシフト要因を整理する(60)
6費用の構造と供給行動 〇費用構造 〇平均費用と限界費用 〇完全競争【予習】企業にとって費用とは何かを調べてみる(30) 【復習】授業ノートを参照して,限界費用の概念を数値例を用いて確認する(90)
7利潤最大化と供給行動 〇利潤最大化行動 〇生産者余剰 〇需給均衡 〇費用曲線の数学的展開【予習】企業にとって利潤とは何かを調べてみる(30) 【復習】授業ノートを参照して,利潤最大化行動と最適生産量について図示できるか,また数学的展開ができるか,確認する(90)
8市場と価格メカニズム 〇市場メカニズム 〇資源配分の効率性【予習】オークション市場の仕組みを調べてみる(30) 【復習】授業ノートを参照して,需要と供給曲線と価格調整の仕組みを確認する(90)
9余剰分析 〇総余剰の最大化 【予習】消費者余剰と生産者余剰が図示できるかどうかを確認する(30) 【復習】授業ノートを参照して,余剰分析が図示できるか,確認する(90)
10資源配分のゆがみ 〇間接税の導入 〇自由貿易の利益 〇X非効率【予習】間接税とはどのような税金かを調べる(30) 【復習】授業ノートを参照して,間接税の効果と貿易の利益が図示できるか,確認する(60)
11独占の理論 〇独占価格 〇独占価格と資源配分 〇独占価格に関する数値例【予習】独占と寡占とはどのような市場化か,またその事例を調べる(30) 【復習】授業ノートを参照して,独占価格の決定について図示できるか,確認する(60)
12完全競争と独占的競争 〇企業の参入・退出行動 〇完全競争市場の長期均衡【予習】飲料にはなぜ多くの種類があるのか,考えてみる(30)【復習】授業ノートを参照して,完全競争,独占,独占的競争の特性や相違について整理する(90)
13外部効果 〇外部効果とは 〇外部効果と政府介入 〇外部効果の内部化【予習】大気汚染などの公害がもたらす諸影響について考えてみる(30) 【復習】授業ノートを参照して,外部性とピグー税について図示できるか,確認する(60)
14公共財 〇公共財の理論 〇費用逓減産業 【予習】なぜ政府は財・サービスを供給するのか,考えてみる(30) 【復習】授業ノートを参照して公共財の最適供給と費用逓減産業の価格形成について図示できるか,確認する(60)
15総括 〇「総括資料」による要点の整理 〇「課題レポート」を配付【予習】授業ノート,資料などを一読して全体の流れを把握する(120) 【復習】「総括資料」にもとづき,関連事項を確認する(120)
    
16課題(レポート)
授業計画(秋)
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1マクロ経済学とは  〇マクロ経済学の見方 〇ケインズ経済学と新古典派経済学 【予習】教科書の該当箇所を一読しておく(30) 【復習】授業ノートを確認する(60)
2GDPとは 〇GDPとGNIの概念 〇三面等価の原則 〇GDPと物価 〇国民1人当たりGDP【予習】日本のGDPの国際的な位置づけを調べておく(30) 【復習】授業ノート参照して,GDPの定義を確実なものとする(60)
3マクロ経済学における需給 〇マクロ経済均衡式 〇ISバランス式 〇有効需要の原理【予習】三面等価の原則を確認する(30) 【復習】授業ノートを参照して,マクロ経済均衡式とISバランス式を数値例とともに確認する(60)
4有効需要と乗数メカニズム 〇景気の波及メカニズム 〇限界消費性向と乗数【予習】マクロ経済均衡式を確認する(30) 【復習】授業ノートを参照して,限界消費性向と乗数理論を数式で定義できるように確認する(60)
5均衡GDPの決定理論 〇45度線分析 〇財政政策と政府支出乗数 〇完全雇用GDP【予習】乗数理論を確認する(30) 【復習】授業ノートを参照して,均衡GDPの決定論を数式とグラフで説明できるかようにする(60)
6貨幣と日銀の役割 〇貨幣とは 〇日銀の役割 【予習】日本の貨幣の歴史について調べてみる(30) 【復習】授業ノートを参照して,貨幣の範囲,日銀の役割について確認する(60)
7マネーストックと信用乗数 〇ハイパワードマネー(=マネタリーベース) 〇日銀の貨幣供給ルート 〇信用乗数 〇日銀のバランスシート【予習】貸借対照表(バランスシート)とは何かを調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,ハイパワードマネーとマネーストックとの関係を数値例とともに確認する(60)
8貨幣需要関数 〇取引需要 〇国債と利子率の関係 〇資産需要 〇貨幣需要関数【予習】国債とは何かを調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,国債と利子率の関係,流動性選好説について数値例とともに確認する(60)
9貨幣市場の均衡 〇貨幣の需給均衡 〇均衡利子率の決定 〇金融政策の効果【予習】ハイパワードマネーの供給ルートと貨幣需要関数を確認しておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,貨幣市場の均衡と均衡利子率の決定について数式とグラフで確認する(60)
10財政政策 〇政策目標と政策手段 〇財政政策の効果 〇クラウディングアウト効果【予習】45度線図法による財政政策の効果を確認しておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,財政拡張政策によるクラウディングアウト効果を確認する(60)
11金融政策 〇資産市場と財市場の接点:金利とGDP 〇金融政策の効果【予習】貨幣市場モデルにおける金融政策の効果を確認しておく(30) 【復習】金融政策が財市場と資産市場に与える影響を確認する(60)
12国際収支表 〇国際収支表の見方 〇国際収支の均衡【予習】国際収支表を一読しておく(30) 【復習】授業ノート,資料を参照して,国際収支均衡の定式化を確認する。
13外国為替の決定 〇為替レートの決まり方 〇均衡為替レート【予習】直近の為替レート(円・ドルレート)の推移を確認しておく(30) 【復習】授業ノート,資料を参照して,為替レートの決定論を短期と長期にわけて整理する(60)
14国際マクロ政策政策 〇変動相場制における財政政策の有効性〇変動相場制における金融政策の有効性【予習】財政金融政策について確認しておく(30)【復習】授業ノート,資料を参照して,変動相場制の下での財政金融政策の効果と相違点を確認する(60)
15総括 〇「総括資料」にもとづく全体の流れ【予習】テキスト,授業ノート,資料などによって全体の流れをつかむ(120) 【復習】「総括資料」にもとづき,関連箇所をテキスト,授業ノートで確認する(120)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験(1回)70点,課題(3回)30点,計100点で評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『入門経済学 第4版』伊藤元重日本評論社3000円+税978-4-535-55817-5
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『ミクロ経済学 第2版』伊藤元重日本評論社3000円+税4-535-55261-4
2.『マクロ経済学 第2版』伊藤元重日本評論社2800円+税978-4-535-55621-8
参考URL
質疑応答
〇6号館6階(6616号室)  〇時間:火曜日5時限目
備考
原則として毎回,「出欠」を確認する。
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ファイル
更新日付2018/02/05 14:02:16