開講年度2018
科目名法哲学A
科目ナンバーJ331-211-04
開講種別春学期
対象学年3年
担当者堅田 研一
単位数2
曜日・時限春学期 月曜日 2時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
原理的な観点から法を理解する
授業の概要
法を、拳銃強盗の発する命令と同じような、主権者(国家)が力を背景にして発する命令であるというように単純に理解する人が多いが、このような単純な理解では、法の本当の姿はつかむことができない。この講義では、この単純な法のモデルの批判から出発して、とりわけ20世紀の有力な法理論を概観しながら、法の固有の性格・構造を明らかにする。次に、この法の構造に即して、どのように法的にものを考えていったらよいか、法的な推論とは何かを検討する。
授業の到達
目標
法の構造を体系的に理解してもらうこと、それを基に法的な推論とは何かを理解してもらうことをねらいとする。この講義によって、受講生が、法的なものの考え方を明確に理解し、法の原理から法を解釈・適用できるようになること、これがこの講義の目標である。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1ガイダンス:授業方針の説明
〇講義全体の流れと方針について理解する
【予習】シラバスを読み、本授業内容をあらかじめ把握する(20)
【復習】レジュメを読み直し、本日の授業の全体を確認する(30)
2法と暴力との違い(1):オースティンの法理論の説明と批判
〇法を拳銃強盗モデルで理解するオースティンの法理論の概要、及びその問題点を理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
3法と暴力との違い(2):ケルゼンによるオースティン批判
〇20世紀を代表する法哲学者ケルゼンによるオースティン批判を基に、法の特徴を理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
4ケルゼンの法理論(1):法の段階構造、妥当性、根本規範
〇ケルゼンの法理論の概要と基本的な概念について理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
5ケルゼンの法理論(2):法と強制、法規範の構造
〇前回に引き続いて、ケルゼンの法理論の概要と基本的な概念について理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
6ハートの法理論(1):ルールの概念による法の理解
〇同じく20世紀を代表する法哲学者ハートによるケルゼン批判を基に、ルールの概念によって法を理解することの意義について理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
7ハートの法理論(2):一次的ルールと二次的ルールとの結合としての法、承認のルール
〇ハートの法理論の概要、及び基本的な概念について理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
8ハートの法理論(3):司法裁量論
〇「ハード・ケース(難解な事案)」についてのハートの司法裁量論について理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
9問題練習
〇問題練習及びその解説の形式で、これまでの授業内容の復習をを行う
【予習】これまで配布したレジュメ、及びノートを読み直し、これまでの授業内容について理解する(60)
【復習】本日の授業の解説を基に、これまでの自分の理解度を確認する(60)
10ドゥウォーキンの法理論(1):司法裁量論批判、原理
〇現代を代表する法哲学者ドゥウォーキンによるハートの司法裁量論批判について理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
11ドゥウォーキンの法理論(2):原理の論証
〇ドゥウォーキンが法的推論の本質と考える「原理の論証」を中心に、ドゥウォーキンの法理論の概要と基本概念を理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
12ドゥウォーキンの法理論(3):平等な配慮と尊重を受ける権利
〇ドゥウォーキンが法の根本をなすと考える「平等な配慮と尊重を受ける権利」について理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
13ドゥウォーキンの法理論(4):なぜ「原理の論証」なのか
〇法的推論はなぜ「原理の論証」でなければならないのかについてのドゥウォーキンの考え方を理解する
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
14原理の論証:法的推論におけるその意義
〇「原理の論証」について実例を用いながら説明し、理解を深めていく
【予習】前回指定されたレジュメの該当部分を読み、考えてくる(30)
【復習】レジュメとノートを読み直し、本日の授業内容について理解する(60)
15授業のまとめ
〇授業の全体を振り返る
【予習】これまで配布したレジュメ、及びノートを読み直し、これまでの授業内容について復習する(60)
【復習】本日の授業を基に、自分の理解を確認する(60)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
成績評価は、定期試験(100%)で行う。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『テキストは使用しない。授業中に配布するレジュメを用いて講義する』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『二十世紀の法思想』中山竜一岩波書店24844-00-026026-X
参考URL
質疑応答
原則としてオフィス・アワーにおいて対応する。月曜日4限、私の研究室(6516)にて行う。これ以外の時間でも、対応可能な場合にはいつでも質問に対応します。
備考
授業中の私語は厳禁する。授業中の携帯電話操作は禁止する。
卒業・進級・就職・部活動その他を理由とした単位認定の特別扱いは、一切行わない。
受講生の理解度やその他の事情を考慮して授業予定を変更する場合があるので注意してください。
画像
ファイル
更新日付2018/02/13 11:11:22