開講年度2018
科目名日本史基礎講読A-Ⅰ
科目ナンバーH231-162-03
開講種別春学期
対象学年2年
担当者福島 金治
単位数2
曜日・時限春学期 木曜日 2時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
鎌倉幕府と武家社会のしくみを知る
授業の概要
 鎌倉幕府が貞永元年(1232)に制定した『御成敗式目』を学ぶ。これを読むことで、守護・地頭の職の内容、「甲乙人」と呼ばれた普通の人々のすがたや地位、身分によって異なる刑罰をうける当時の社会のあり方などを知ることができる。授業は、式目を輪読し解釈しコメントする形式ですすめる。これにより中世社会特有の用語を知り、史料読解の基礎的な能力を養うことができる。
授業の到達
目標
 古文だからと恐れないで、読んでいこう。
 1 中世の社会の基本的な知識を身につける。 
 2 中世を学ぶには古文・漢文に親しむ。
 3 歴史の学習を「自分の好きな歴史」から「調べる対象の歴史」にする。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1 鎌倉幕府と『御成敗式目』(レクチュア)
 貞永元(1232)年に北条泰時によって制定された『御成敗式目』の制定趣旨と内容を解説し、今後の授業の進行について述べる。
 シラバスなどを事前に読んでおく(30分)
2 『御成敗式目』 第1~4条
 神仏の保護による人心の安定、守護の権限である大犯三ヶ条について学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
3 『御成敗式目』 第5~8条
 地頭の権限、鎌倉幕府の権限のおよぶ範囲と朝廷等との不可侵の原則について学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
4 『御成敗式目』 第9~12条
 謀叛・殺人・強盗・傷害などの処罰と、自身の犯罪の家族への連座の条件などを学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
5 『御成敗式目』  第13~16条
 代官の罪が主人にかかる連座の用件、また、悪口や偽造文書など法定手続きにおける刑罰を学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
6 『御成敗式目』 第17~20条
 幕府が西国に権力を拡大するきっかけとなった承久の乱をうけた法整備、また、御家人等のうちの京都与同人の成敗に関わる条項を学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
7 『御成敗式目』 第21~24条
 武家社会における相続のありかたと女性の立場について、固有の財産権をもつ女性の位置について学ぶ。

 
  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
8 『御成敗式目』 第25~28条
 御家人の相続問題について、後家や貴族に嫁いだ娘、器量のない子弟の処遇などについての取り決めについて学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
9 『御成敗式目』 第29~32条
 幕府法廷での訴訟において、偽証、奉行人などの実務官僚への原告・被告のj対応、また、敗訴した者の再審要求への取り扱い方について学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
10 『御成敗式目』 第33~36条
 刑法に関わる条項で窃盗・強姦、境界に関わる土地の紛争の処理の氏方から、同じ犯罪でも身分で違う刑罰執行のありかたなどを学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
11 『御成敗式目』 第37~39条
 御家人の官位について、任官に際しての朝廷や幕府内有力者との関係と不正行為について、御家人制維持という主従制の維持のありかたを学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
12 『御成敗式目』 第40~43条
 百姓・奴婢の身分について、年貢を払った百姓はどこでも行ける去留の自由、奴隷身分の奴婢の産んだ子供の所有権などについて学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
13 『御成敗式目』 第44~47条
 御家人の所領の交換などで生じた前任者・新任者などの相互の関係について、知行という現地支配の権利の性格を学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
14 『御成敗式目』 第48~49条
 土地などの売買に関する権利について、先祖から受け継いだ土地、幕府から恩給された土地について、それぞれへの対応の違いを学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
15 『御成敗式目』 第50~51条
 御家人の訴訟審理の手続きについて、文書内容の事実確認、第三者の関与、訴訟審理に関わる文書の交付手続きなどについて学ぶ。
 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
    
16定期試験授業時間外学習1時間
評価方法・基
準(評価割合)
 毎回、指名し口頭で内容を説明させる。出席を確認する。期間内に小テストを行う。
 筆記試験を行う。評価は、試験の結果に口頭発表の内容・小テストの内容を加えて行う。評価はテスト75%、小テスト25%とする。なお、出席は当然のことであるので、欠かさず出席すること。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『中世政治社会思想 上』岩波書店
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『中世法制史料集 第1巻』岩波書店
2.『北条泰時』上横手雅敬吉川弘文館
参考URL
1.東京大学史料編纂所
質疑応答
授業中に質問する。わからなかったりしたら、いつでも研究室に来てほしい。
備考
テキストは、コピーして配付する。
高校時代に使った国語辞書・古語辞書・電子辞書を毎回持参する。
画像
ファイル
更新日付2018/02/14 10:58:17