開講年度2018
科目名数学Ⅰ
科目ナンバーB131-323-01
開講種別春学期
対象学年1年
担当者望月 朝恵
単位数2
曜日・時限春学期 金曜日 3時限
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
日常で使う論理と論理学
授業の概要
数学の考え方の基礎である論理の基本法則や妥当な推論形式を,実生活に関連した題材を通じて体系的に学習します(公務員試験「判断推理」類題も取り上げる予定です).
授業の到達
目標
1.論理学の基本概念を理解する.
2.自分の考えを筋道立てて述べることができる.
3.実生活の様々な問題に対して,論理を自覚的に活用できるようになる.
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1はじめに:論理学の対象
論理学の対象は何か?正しい推論とはどのようなものか?初回の授業で,これらのことを確認します.また,日常言語で表現された文章を論理学の記号による表現に置き換える仕方について学びます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
2文の記号化
論理学では,最も簡単な文(原子文)の真偽から始めて,複合文の真偽を定めていきます.このことを,真理表を作成しながら確かめていきます.同時に,二重否定の法則・排中律・トートロジー・論理的同値などの基礎概念と基本法則を学びます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
3文の真偽
前回に引き続き,矛盾律・矛盾による証明(背理法)・ド・モルガンの法則などの基礎概念と基本法則を学びます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
4ド・モルガンの法則/条件文消去の法則
「晴天であるならば遠足に行きます」というような「ならば」という接続語を含む文を条件文といいます.ここでは,条件文の真偽の定義を考えることから始め,条件文の逆・裏・対偶を学びます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
5条件文の逆・裏・対偶・否定
対偶の法則や条件文消去の法則などについて学習し,対偶法による証明の例を見ます.また,後述予定の論理の基本法則を概観します.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
6切断/アリバイの原理
正しい推論と間違った推論(謬論)とを区別する1つの方法である「真理表による推論の正しさ(妥当性)判定法」を学びます.最も基本的な正しい推論である「切断」と「アリバイの原理」を,謬論の形式と比較しながら学習します.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
7三段論法
「風が吹けば桶屋が儲かる」という命題は正しいでしょうか?この結論に至る推論を分析することを通じて,妥当な推論と健全な推論の違いを学びます.また,三段論法と対偶を組み合わせた練習問題を解きます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
8両刀論法(ジレンマ)
「ジレンマ」は,日常的には「二者択一の選択肢のどちらをとっても望ましくない結果になる」という思考パタンを指しますが,数学では「場合分けの証明」として用いられる正しい論法です.ここでは具体例を通じて,ジレンマとその解決法,また,「二分法の誤り」などについて考えます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
9分配法則を含む推論
最も身近な分配法則に,数の計算における分配法則があります.これと同様な法則が論理演算にも成り立つことを確認します.そして,推論や論証の中で,分配法則をどのように応用できるかを学びます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
10.Excelによる真理表作成
Excelを用いて真理表を作成することにより,推論の妥当性を判定します.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
11述語と集合
直観的には正しいにも関わらず,命題論理学の範囲ではその正しさを示すことができない推論があります.そのため,これまでに学んだ命題論理学を拡張し,拡張された論理学(述語論理学)の基礎となる述語や集合について学びます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
12存在命題を含む推論
「ネッシーが存在する」という命題が証明できなければ「ネッシーは存在しない」という命題が真であるといえるでしょうか?一般に,結論の真偽には,「真であることも偽であることも証明できない」場合があることに注意しながら,練習問題を解きます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
13拡張されたド・モルガンの法則
「どの矛によっても貫かれない盾が存在する」という命題を否定したいとき,どのように言えばよいでしょうか?このことを,「すべての」と「and」,「いずれかの」と「or」の関係に注意しながら考えます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
14必要十分条件/パラドクスとウソつき問題
「うそつきのパラドクス」や,従来の集合論が矛盾を孕むことを明らかにした「ラッセルのパラドクス」などを紹介します.また,ウソつきのパラドクスの考え方を応用して,「ウソつき問題」を解きます.
小テストの問題を次の授業時までに解いておくことが必要です(30).
15まとめと復習テスト
論理学の基本概念について理解しているかどうか,また,それらを応用して正しい推論と間違った推論を区別し,それぞれの場合に,適切な理由を与えることができるかどうかを確認します.
    
評価方法・基
準(評価割合)
●授業への参加(小テスト・口頭発表など)(40%)
●復習テスト(60%)
により60%以上を合格とします.
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『数学I・数学の思考法(第2版)---日常で使う論理と論理学---』望月朝恵成文堂1300978-4-7923-9245-1
参考書
  ・
参考資料
参考URL
質疑応答
授業の途中・最後に質疑応答の時間を設けます.
備考
この授業では,PCを利用して課題を提出します.提出方法については,初回授業時に説明します.
画像
ファイル
更新日付2018/02/13 15:35:02