開講年度2017
科目名ベンチャービジネス論/ベンチャー・ビジネス論
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年3年
担当者鵜飼 宏成
単位数2
曜日・時限秋学期 水曜日 3時限
キャンパス名城公園キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
イノベーションを起こす起業家と企業を理論的に理解しよう
授業の概要
■本講義は、ベンチャービジネスを理論とケーススタディで体系的に理解することを目的に組み立てられている。学生の中には、特別経営講座Aで実際のベンチャー起業家の事業や考え方を理解し、企画論や事業計画論でアイデアを事業として組み立てる思考プロセスの重要性について学んでいることと思う。これら講義で学習したことは、ベンチャービジネスを理解する重要な点ではあるが、一端に過ぎない。
■そこで、本講義は、次のような一連の質問へ答える形でベンチャービジネスと関連領域を学んでいく。ベンチャービジネスは社会的にどんな意義があるのか?人はベンチャービジネスをどのように見ているのか?ベンチャービジネスを評価するとしたら何に注意すべきなのか?ベンチャービジネスを成長させるためにはいかなる支援が必要になるのか?また、成長するために起業家はどのように自らを変え、同時に環境を整備しなければならないだろうか?
授業の到達
目標
■体系的な理論学習を踏まえ、ケース検討の過程では、個人分析→ペア分析→クラス全体分析のステップを踏み、多様な考え方があることを知る。学生は、ワークショップを通じ、次の能力向上を目指す。
(1)ベンチャービジネス経営診断力
(2)状況に応じた柔軟な仮説構築力
(3)事業構想力と戦略策定力
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1「ガイダンス」:授業方針の説明

〇本科目の概要と基本的な用語を理解します。

・ベンチャービジネス論の全体像について
【予習】シラバスを読み本授業内容を把握する(30)
【復習】授業の全体像について確認(30)
【課題】注目する中小企業を選び、理由を約400字で下記E-Mailへ土曜日までに提出(180)
2「今なぜベンチャーが注目されるのか」:ベンチャービジネスを学ぶ意義の説明

〇日本経済についてわが国がおかれた現状を理解します。

・ベンチャービジネスが期待される背景について
【予習】参考書第23章の通読と疑問の整理(60)
【復習】授業内でレジュメへ新たに加わった情報を確認(30)
【課題】講義を約1000字で要約し、下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
3「ベンチャービジネスとは」:ベンチャービジネスの定義と類型の説明

〇ベンチャービジネスの定義と存在するタイプを理解します。

・どのような企業がベンチャービジネスと呼べるかについて
【予習】事前配布のレジュメを読み把握する(60)
【復習】授業内でレジュメへ新たに加わった情報を確認(30)
【課題】講義を約1000字で要約し、下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
4「ベンチャーの起業とは何であり、何でないか(1)」:創業と開業の違いを説明

〇屋台ゲームを通じて起業を疑似体験。違いを理解します。

・起業と経営の原風景を築く
【予習】経営入門で行った「屋台ゲーム」を振返る(60)
【復習】10日間の屋台経営での気付きを確認(30)
【課題】屋台ゲーム結果の分析と仮説を構築。下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
5「ベンチャーの起業とは何であり、何でないか(2)」:経営感覚を説明

〇環境の異なる3種類の屋台を起業・経営。経営感覚を体験的に理解します。

・仮説構築と検証を繰り返し、問題発見・解決策立案を行う
【予習】新仮説に基づき10日間屋台ゲームで検証(60)
【復習】異なる環境下の気付きで仮説を再構築(30)
【課題】屋台ゲーム結果の分析と仮説を構築。下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
6「第1回中間試験と屋台ゲーム仮説検証」:習熟度と仮説のチェック

〇ベンチャービジネスに期待が集まる背景を再認識し、構築した仮説の検証をします。

・受講生個々人の屋台ゲーム仮説をクラス全体で討議し、新仮説を設定の上、入門ゲームで実践的に検証する
【予習】第1回~5回講義の再復習(60)
【復習】グループ討議を踏まえての気付きを確認(30)
【課題】屋台経営の自己分析レポート(約1000字)。下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
7「イノベーションとは何か」:ベンチャービジネスが起こすイノベーションの種類を説明

〇研究成果に基づきイノベーションの類型を理解します。

・「創造的破壊」「新結合」等ともいわれるイノベーションを練習問題で考える
【予習】参考書第24章の通読と疑問の整理(60)
【復習】練習問題の再確認(30)
【課題】第1回課題の中小企業を分析、レポート(約1000字)。下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
8「イノベーションとは何でないか」:創造と改善の違いを説明

〇経営にとり双方とも欠かせない事業の創造と改善の違いを理解します。

・制約条件の理論を検討のきっかけに違いを練習問題で考える
【予習】制約条件の理論の事前学習(60)
【復習】練習問題の再確認(30)
【課題】制約条件の理論を適用した企業問題解決策レポート(約1000字)。下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
9「起業家とは誰か」:ベンチャービジネスを牽引する起業家の素養を説明

〇起業家の素養を、キャリア、マインド・セット、スキル・セットの視点で理解します。

・イノベーティブな事業を実現した起業家が実践したものとは
【予習】起業家を一人調べてくる(60)
【復習】スキルセット、マインドセットを再確認(30)
【課題】選定した起業家の成果分析レポート(約1000字)。下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
10「第2回中間試験と起業家的能力チェック」:習熟度と資質チェック

〇イノベーション類型と起業家素養の理解を深め、自身の起業家的資質を確認します。

・起業家的能力をチェックリストで得点化し、現状把握と変化を促す計画づくり
【予習】第7回~9回講義の再復習(60)
【復習】起業家的能力の再確認(30)
【課題】起業家的能力現状分析とキャリア形成レポート(約1000字)。下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
11「ベンチャービジネス事例研究(1)その1」:起業家の視点で環境分析・戦略立案

〇SWOT分析で製造ベンチャーの現状把握とそれに基づく方針設定・戦略立案をします。

・個人ワーク→ペアワーク→全体ワークのステップでワークショップ
【予習】製造ベンチャー事例を通読、関連情報調査(60)
【復習】SWOT分析、クロスSWOT分析再確認(30)
【課題】クロスSWOT分析シート(写し)を土曜日までに2804BOXに提出(150)
12「ベンチャービジネス事例研究(1)その2」:起業家の視点で新ビジネスモデル構築

〇ビジネスモデル・キャンバスで立案戦略の実行に向けた必要条件を再設定します。

・個人ワーク→ペアワーク→全体ワークのステップでワークショップ
【予習】製造ベンチャー新ビジネスモデルの検討(60)
【復習】当初ビジネスモデルを再確認(30)
【課題】修正ビジネスモデル・キャンバス(写し)を土曜日までに2804Boxに提出(150)
13「ベンチャービジネス事例研究(2)その1」:起業家の視点で環境分析・戦略立案

〇SWOT分析でサービス・ベンチャーの現状把握とそれに基づく方針設定・戦略立案をします。

・個人ワーク→ペアワーク→全体ワークのステップでワークショップ
【予習】サービス・ベンチャーの事例を通読、関連情報調査(60)
【復習】SWOT分析、クロスSWOT分析の再確認(30)
【課題】第11回講義の課題に同じ(150)
14「ベンチャービジネス事例研究(2)その2」:起業家の視点で新ビジネスモデル構築

〇ビジネスモデル・キャンバスで立案戦略の実行に向けた必要条件を再設定します。

・個人ワーク→ペアワーク→全体ワークのステップでワークショップ
【予習】サービス・ベンチャー新ビジネスモデルの検討(60)
【復習】当初ビジネスモデルを再確認(30)
【課題】修正ビジネスモデル・キャンバス(写し)を土曜日までに2804Boxに提出(150)
15「ベンチャービジネスの支援環境」:ベンチャービジネスの成長を促す支援の説明

〇創業期ベンチャービジネスの資金調達、育成システム、支援政策等を理解します。

・ベンチャー・キャピタル、ビジネス・インキュベーション等の支援の仕組みについて
【予習】日本のベンチャー・キャピタル1社を調べる(60)
【復習】金融取引上の問題と支援策の関係を再確認(30)
【課題】講義を約1000字で要約し、下記E-Mailへ土曜日までに提出(150)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
■平常点(50%)、定期試験の結果(50%)で評価する。平常点は、課題の提出内容により評価する。
■なお、然るべき理由無く、出席が3分の2に達しない者には単位を与えないので、注意のこと。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『適宜、資料を配布する』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『『はじめて出会う経営学』23章・24章』内藤勲編著中央経済社本体2,800円+税978-4-502-18031-61年次基礎科目「経営入門」テキスト
参考URL
質疑応答
研究室番号:2804(名城公園キャンパス・アガルスタワー8階)
オフィスアワー:水曜日~金曜日の昼休み
備考
■課題提出E-Mailアドレス venture.mkc@gmail.com
■特別経営講座A、企画論、事業計画論を合わせて履修すること。
■特に将来起業を希望する者は、バーチャルカンパニーⅠA・Bの履修を推奨する(抽選の科目であることに注意)
■発展科目として3年次から履修できる「ベンチャービジネス実践研究」がある。継続して履修することを望む。
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更新日付2017/02/17 20:13:10