開講年度2017
科目名生命に関する諸問題Ⅱ
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者城 貞晴
単位数2
曜日・時限秋学期 木曜日 4時限
キャンパス名城公園キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
「自発的なリズム形成」から見える生命の世界
授業の概要
私たちの周りでは、絶え間なく物質やエネルギーの目まぐるしい移動が起きています。生命体はそのような環境下でこそ存在しえると言えます。本講義では「自発的なリズム形成」を中心に据えて、様々な例を通じて生命体を捉えていきます。
授業の到達
目標
生物たちは様々な「リズム」とともに生きています。春夏秋冬を通じて鳥は仲間同士で鳴きあい、雨を合図にカエルたちは大合唱し、蛍たちは「いとおかしく」発光し、虫たちは仲間に負けじと羽音をたて、そして寒さに震えることもあります。私たちの体内では心臓が鼓動し、神経回路網には絶えず信号が送られています。呼吸や体内時計も忘れるわけにはいきません。友達との間で繰り広げられる共感、いわゆるシンクロしたりもしますね。本講義は物理的視点から、何故そんなことが起きているのか?の疑問に答えようとするものです。
本講義終了の頃には、以下の各トピックが一つに見えてくるでしょう。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1本講義で扱う学問を構築した物理学者たち

## 散逸構造理論を構築した物理学者たちの生い立ちや思想などを紹介します。難しそう!という先入観は要りません。内容が分かれば実に奥深く豊かで、私たちが生きる意味について深く教えてくれる理論です。
本講義では教科書、参考書は不要です。ノートをとって復習してください。毎回大切な点を強調しますので、その辺りを中心に復習してください。

まずは、紹介する専門家について知りましょう。
2宇宙を支配する2つの法則

## 本講義は、出来るだけ数式を用いずに解説します。まず、エネルギー保存則について説明します。同時に、エネルギー論的アプローチだけでは自然現象を説明できないことを理解します。乱雑さを司るもう一つの法則について学ぶ必要があります。
エネルギー論的アプローチは大切ですが、それだけでは自然現象を理解できたとは言えないことに気付きましょう。
3乱雑さを増す中でこそ現れる構造
~散逸構造~

## 宇宙を司る法則を前提とすれば、全ては乱雑さを増すばかりのはず。しかし、その中で何故生命体などの秩序が形成されるのか。一度、ここで本質に迫ります。
一見逆説的にも見える不思議な話。しかし一度納得できると、その奥深さに感動することでしょう。生命体の素晴らしさ、はかなさ等、その奥に隠されています。しっかりと復習してついてきてください。
4時の矢
-時間 忘れられた次元-

## プリゴジンは、自らの著書のタイトルについてその思いを吐露しています。プリゴジンの考えてきたこと、その思想を一度ここでまとめます。春学期の内容よりもやや詳しめに話します。
プリゴジンの思想を紹介します。時間に対する想いに耳を傾けましょう。
5生命が個体ではなく集団を形成する理由

## 秋学期の当該講義のテーマはリズムです。この辺りとのかかわりについて説明をはじめます。
なぜ、生命は集団で行動するのだろうか。その意味を理解しましょう。
6集合体から発生するリズムとかたち

## 私たちは一個体の生物を何も疑うことなく生物であると捉えていますね。ではなぜ集団になり、「シンクロ」するのでしょう。そこには乱雑さ増加のための潜在性が隠されています。一見秩序形成、しかし本質的には、どうも違うようです。
あくまで宇宙を司る二つの法則を根底に据えて理解を深めることが大切です。非常に深遠な法則だということを感じましょう。
7リズムの分岐、複雑化、進化について

## 分岐、複雑化、進化について説明します。環境とのかかわりが大切だと分かります。
リズムがもたらすものを知りましょう。
8リズムを生み出す素はなにか

## 「リズム」を生み出す根源は何か、追求します。
リズムが生じる根源について考えましょう。
9体内の自立分散システム
~ウナギ、ミミズの前進運動を例として~

## 前回の理解を深める内容です。
自ら例を挙げてみてください。実に多くの例を挙げることができるはずです。
10流れとパターン形成

## やはり「流れ」が大切です。その奥深さを知ります。
ノートの復習をしてください。
11生物と非生物の境目付近 
-非周期性結晶-

## シュレディンガーは「非周期性結晶」という用語を用いました。古典的著書で使われた用語、しかしとても大切なこの概念を理解しましょう。
自分なりに色々と考えてみてください。
12時間的周期構造について

## 物理学では、空間的規則性に目が向けられることが多いです。しかし、時間軸を設定すると、周期構造が潜んでいることが多いのです。
過去、現在、未来を貫く一本の時間軸を設定するとそこに周期性が見えてきます。そのイメージをもてるようにしてください。
13混沌から形成される秩序にあふれる宇宙

## そろそろ、この世界は散逸構造にあふれていることが確信できる時期です。どんなものがあるか、想像していきます。
散逸構造の実例を挙げてみてください。枚挙に暇がないことが分かります。
14物理学的に「生」と「死」を考える。

## 春学期同様、生と死について物理学的に考察します。その境目も見えてくるでしょう。
本講義を振り返りながら、生と死についてじっくりと考えてください。
15再び振り返って考えてみよう。

## 全体を振り返り、リズムという観点から生命体を見つめ直します。
リズムという観点から、振り返ってみてください。
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
参加姿勢30点, レポート・小テスト30点、定期試験40点の合計100点満点で評価する。但し、真剣さが認められない等の場合(教員の指示に従わない、私語、居眠り、無断教室出入、遅刻、飲食など)には上記配点を超えた大幅減点の対象である。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『なし』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『複雑性の探究』ニコリス、プリゴジンみすず書房
2.『確実性の終焉』プリゴジンみすず書房
3.『生命とは何か』シュレディンガー岩波文庫
4.『ほか、プリゴジンの著書多数。但し、購入の必要はない。』
参考URL
1.なし
質疑応答
講義時に行ってください。
備考
画像
ファイル
更新日付2017/02/16 17:25:54