開講年度2017
科目名社会学Ⅱ
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者住田 翔子
単位数2
曜日・時限秋学期 水曜日 2時限
キャンパス名城公園キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
メディアによって構成される時空間とその意味を読み解く
授業の概要
私たちは誰もが、他者とのかかわりや制度・規範・習慣などのもとに形作られています。その意味で私たちはひとりで生きているのではなく、社会に生きる存在です。そして、その私たちが生きる社会を根底から支え、時に強化し時に変動させる力をもつのがメディアです。特に近代以降、メディアは時空間の枠組みを大きく変容させ、そのために私たちの生きる社会は新たに構築されてきました。さらに電子メディアが発達した現代は、また異なる社会のありようを見せています。本講義では、まずメディアの意味と歴史を確認しながら、メディアによって私たちの知覚経験に変化がもたらされたことを学びます。またメディアが私たちの人間関係や振る舞いの仕方に影響を与えていることを、メディアと空間の密接性から考えます。なお講義では、講義内容に沿った映像資料を適宜鑑賞しながら、メディア社会の構造と意味を読み解く力を養います。
授業の到達
目標
1.メディア概念が内包する意味・機能について説明することができる
2.メディア社会の抱える問題群を社会学的視点から考察することができる
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1イントロダクション
メディアが社会を支える?
◆講義の進め方、メディアから社会を見る意味を学びます
予習:講義シラバスを読み、どのような内容・計画で授業が行われるかを把握する(30)
復習:授業の全体像を確認する(30)
2メディアと時空間の分離①
◆公共空間と親密空間からなる社会について学びます
復習:公共空間・親密空間からなる社会を発見するための社会学理論や見方を、配布資料をもとにノートにまとめ確認する(60)
3メディアと時空間の分離②
◆公共空間と親密空間からなる社会が、メディアを媒介にして誕生し、いま変容を迎えていることを学びます
復習:公共空間と親密空間の分離にメディアがかかわることを、配布資料をもとにノートにまとめ確認する(60)
4メディアと時空間の分離③
◆第1回~3回の振り返り
◆映像鑑賞:『生まれてはみたけれど』(1932)
◆ミニ・レポート①作成準備
予習:第1回~3回までの講義内容を、配布資料および自筆ノートをもとに振り返り、メディアが私たちの生きる時空間に変容を与えたことを確認する(90)
課題:ミニ・レポート①の作成(30)
5メディアの物質性と歴史①
◆声、文字・写本、印刷というメディアが、私たちのものの見方、ひいては世界の認識の仕方に変化を与えたことを学びます
復習:声の文化、文字・写本の文化、印刷文化の誕生が人間の知覚に変化をもたらしたことを、配布資料をもとにノートにまとめ確認する(60)
6メディアの物質性と歴史②
◆印刷メディアの誕生以降、視覚を頂点・中心とする知覚編成が進んできたことを学びます
復習:私たちの社会が視覚中心の編成となった経緯を、配布資料をもとにノートにまとめ確認する(60)
7メディアの物質性と歴史③
◆視覚メディアのみならず、多様なメディアが私たちを形作ることについて学びます
復習:ラジオやインターネットなどのメディアと私たちとの関係性を、配布資料をもとにノートにまとめ確認する(60)
8メディアの物質性と歴史③
◆第5回~8回の振り返り
◆映像鑑賞:『NHKスペシャル 新・映像の世紀 第1集 百年の悲劇はここから始まった』(2016)
◆ミニ・レポート②作成準備
予習:第5回~8回までの講義内容を、配布資料および自筆ノートをもとに振り返り、メディアの物質性が私たちの存在の仕方にかかわることを確認する(90)
課題:ミニ・レポート②の作成(30)
9空間を編成するメディア①
◆家庭という場を対象に、メディアがいかにその空間のありかた、および家族関係に影響を与えてきたかを学びます
復習:テレビ、ラジオ、携帯電話などが家庭をいかに編成するのかを、配布資料をもとにノートにまとめ確認する(60)
10空間を編成するメディア②
◆都市を対象に、メディアがいかにその空間のありかた、およびそこでの私たちの振る舞いの仕方に影響を与えてきたかを学びます
復習:広告、ファッションなどが都市空間をいかに編成するのかを、配布資料をもとにノートにまとめ確認する(60)
11空間を編成するメディア③
◆第9回、10回の振り返り
◆映像鑑賞:『お早う』(1959)
◆ミニ・レポート③作成準備
予習:第9回、10回の講義内容を、配布資料および自筆ノートをもとに振り返り、メディアが空間の様相を規定することを確認する(90)
課題:ミニ・レポート③の作成(30)
12社会的制度としてのメディア①
◆サブカルチャー、インターネットをキーワードに、それらを媒介にした文化の生産・流通・消費過程を学びます
復習:現代のメディアコンテンツ産業について、配布資料をもとにノートにまとめ確認する(60)
13社会的制度としてのメディア②
◆メディア社会の公共圏、監視社会をキーワードに、現代の社会がかかえる課題について学びます
復習:電子メディアの社会構造に与える正負の側面について、配布資料をもとにノートにまとめ確認する(60)
14社会的制度としてのメディア③
◆第12回、13回の振り返り
◆映像鑑賞:『LOOK』(2007)
◆ミニ・レポート④作成準備
予習:第12回、13回の講義内容を、配布資料および自筆ノートをもとに振り返り、制度化したメディアの現在について確認する(90)
課題:ミニ・レポート④の作成(30)
15全体まとめ
◆これまでの授業の全体を振り返ります
予習:試験対策をふくめ、これまでの講義内容を配布資料および自筆ノートをもとに振り返り、講義全体の内容を確認する(120)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験(自筆ノート持込可) 60%
ミニ・レポート(映像を鑑賞して講義内容と照らし合わせて自身の考えを述べるもの) 40%
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『配布資料を使用します』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『社会学』長谷川公一、浜日出男、藤村正之、町村敬志有斐閣
2.『社会学をつかむ』西澤晃彦、渋谷望有斐閣
3.『文化社会学入門 テーマとツール』井上俊、長谷正人ミネルヴァ書房
4.『よくわかるメディア・スタディーズ』伊藤守ミネルヴァ書房
参考URL
質疑応答
各講義においてコミュニケーションペーパーを配布するので、質問・疑問点を書いて提出してください。次週以降の授業内にそれらに対する回答を行います。
備考
本科目と春学期に開講する社会学Ⅰはそれぞれ独立した内容で進められますが、関連した内容も扱っています。そのため、社会学Ⅰ、社会学Ⅱの両方を受講すると、より社会学に対する理解を深めることができます。
画像
ファイル
更新日付2017/02/10 13:14:09