開講年度2017
科目名福祉社会と法
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者小島 和貴
単位数2
曜日・時限秋学期 月曜日 4時限 6415
キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
福祉政策の展開と福祉分野の法律問題
授業の概要
2000年に介護保険制度がスタートし、日本では福祉に対するイメージが変わってきている。従来、措置により進められてきた福祉サービスは契約に基づき、自ら選択することが重要となっている。こうした高齢者福祉の問題に加えて、児童福祉法や各種障害者福祉法の領域においても変化が見られる。本講義では、福祉分野にはどのような法があり、どのような法律問題が、政府の福祉政策が展開される中で生じているのかについて考えてみようとするものである。
授業の到達
目標
日本の高齢化率の変化は速い。1970年、高齢化社会、1994年、高齢社会と、その間24年間。フランスは100年以上かけて変化した。1989年にはゴールドプランが打ち出され、高齢化の問題は、われわれの社会生活にインパクトを与えるようになった。そして高齢化の問題と関わる中で福祉の問題も再検討の必要性が提起されるようになった。福祉は家族内の問題とされてきた価値観が社会的にも転換し、福祉サービスの必要性が認知され始めた。法治国家のもとでは、福祉サービスの基本は法に基づくことになる。そのため福祉と法・政策の視点が必要となる。
受講者は日本の福祉政策のあゆみを理解し、これからの福祉政策のあり方を考えることが求められる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1オリエンテーション。この講義の進め方、授業中のアクティビティ、ホームワーク等について説明する。
 
社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、福祉を議論するときのテーマ等を確認する。
2戦前の社会と福祉政策(恤救規則・救護法等)。戦前期日本の社会福祉、とりわけ救貧政策について説明を行う。社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、恤救規則・救護法等について確認する。
3戦後社会と福祉政策:「福祉三法体制」の形成。1950年代の福祉と法について説明を行う。戦後直後という時代状況にも配慮する。社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、「福祉三法」の成立要因等について確認する。
4高度経済成長と福祉政策:「福祉六法体制」の形成。1960年代の福祉と法について説明を行う。経済政策と福祉法の制定という視点を重視する。社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、「福祉六法」の成立要因等について確認する。
51970年代以降の社会と福祉政策:「福祉見直し」。1970年代以降に指摘されるようになる「福祉元年」とその前後について説明を行う。
 
社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、「福祉元年」や「福祉見直し」等の用語について確認する。
66.日本の福祉法の動向と社会の高齢化。1970年の高齢化社会の実現から1980年代の福祉法や政策の動向について説明を行う。社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、「高齢化社会」や「高齢社会」、「ゴールドプラン」等について確認する。
7社会福祉基礎構造改革。1980年代から90年代にかけての福祉法の動向について、「基礎構造改革」をキーワードにして検証する。
 
社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、社会福祉基礎構造改革が提唱された背景等について確認する。
8福祉の専門職化。社会福祉士や介護福祉士等の役割等について検証する。社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、社会福祉士や介護福祉士の期待される役割について確認する。
9介護保険制度の導入。1990年代の社会の高齢化の進展を受けて、介護保険法が制定された。その意義や役割について検証する。社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、介護保険法制定の背景や必要性について確認する。
10地域福祉と「権利擁護」。住民生活と地域福祉や「福祉教育」の役割や機能について検証する。社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、地域福祉、福祉教育、社会福祉協議会等について確認する。
11障がい者福祉の専門職化と精神保健福祉士等の役割。障がい者のサービスと精神保健福祉士等の福祉専門職の役割について説明する。社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、障がい者福祉にかかわる専門職、例えば精神保健福祉士や身体障害者福祉司等の用語について確認する。
12福祉サービスの提供と行政。福祉サービスが提供される際の行政の役割や制度について説明する。社会福祉用語辞典等の資料を活用しながら、福祉事務所、ケースワーカー等の用語について確認する。
13福祉サービスの提供と社会福祉法。いわゆる福祉法に基づき福祉サービスは提供されるが、その際、「社会福祉法」が制定されている意義について説明する。社会福祉用語辞典や六法全書等の資料を活用しながら、社会福祉法について確認する。
14人々の生活と貧困。生活保護法をひもときながら、どのようなサービスが認められ、どのようなときにそうしたサービスが受けられるのかについて説明する。社会福祉用語辞典や六法全書等の資料を活用しながら、生活保護法について確認する。
15これからの福祉法。これまでの講義を振り返り、今後求められる福祉法について、児童や一人親家庭等も踏まえながら検証する。これまでの講義ノートを確認し、この講義のテーマは何であったのかを各自確認する。
    
16試験もしくはレポート。これまで学習してきたことを確認し、試験もしくはレポートの準備を進める。
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験もしくはレポート(80%)、予習(10%)、小テスト(10%)
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『資料を使用する』
参考書
  ・
参考資料
参考URL
質疑応答
毎回の授業の最後に設けられる時間にて行うことができる。
備考
より具体的な授業の進め方に関しては、第1回目の授業中に説明を行うので必ず出席すること。
大学生として適切ではない行動等をとる者に関しては失格となる場合がある。
画像
ファイル
更新日付2017/02/24 09:34:19