開講年度2017
科目名経済原論B
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年3年
担当者吉田 雅彦
単位数2
曜日・時限秋学期 月曜日 4時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
マクロ経済学の基礎理論
授業の概要
マクロ経済学(macroeconomics)とは,一国経済における経済変数の集計量の決定やその因果関係を分析するものである。マクロ経済学にとって基本的なことは,国内総生産(GDP),消費・投資,政府支出などの経済変数の集計量によってマクロ経済の動きをとらえることである。本授業では,マクロ経済学の基本的な構造を平易に解説したうえで,景気の動きを決める基本的なメカニズムや政府の財政金融政策の機能について考察する。
授業の到達
目標
マクロ経済変数は数多くあるが,そのなかで中核的な経済変数の決定や因果関係を学ぶことによって,経済全体の景気の現状やその動向を判断する力を培うことができる。また,政府のマクロ経済政策―財政金融政策―における政策効果の波及メカニズムを理論的に学ぶことによって,政府の経済政策の目的や手段を理解でき,またその政策の問題点を考える力を培うことができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1マクロ経済学とは  〇マクロ経済学の見方 〇ケインズ経済学と新古典派経済学 【予習】教科書の該当箇所を一読しておく(30) 【復習】授業ノートを確認する(60)
2GDPとは 〇GDPとGNIの概念 〇三面等価の原則 〇GDPと物価 〇国民1人当たりGDP【予習】日本のGDPの国際的な位置づけを調べておく(30) 【復習】授業ノート参照して,GDPの定義を確実なものとする(60)
3マクロ経済学における需給 〇マクロ経済均衡式 〇ISバランス式 〇有効需要の原理【予習】三面等価の原則を確認する(30) 【復習】授業ノートを参照して,マクロ経済均衡式とISバランス式を数値例とともに確認する(60)
4有効需要と乗数メカニズム 〇景気の波及メカニズム 〇限界消費性向と乗数【予習】マクロ経済均衡式を確認する(30) 【復習】授業ノートを参照して,限界消費性向と乗数理論を数式で定義できるように確認する(60)
5均衡GDPの決定理論 〇45度線分析 〇財政政策と政府支出乗数 〇完全雇用GDP【予習】乗数理論を確認する(30) 【復習】授業ノートを参照して,均衡GDPの決定論を数式とグラフで説明できるかようにする(60)
6貨幣と日銀の役割 〇貨幣とは 〇日銀の役割 【予習】日本の貨幣の歴史について調べてみる(30) 【復習】授業ノートを参照して,貨幣の範囲,日銀の役割について確認する(60)
7マネーストックと信用乗数 〇ハイパワードマネー(=マネタリーベース) 〇日銀の貨幣供給ルート 〇信用乗数 〇日銀のバランスシート【予習】貸借対照表(バランスシート)とは何かを調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,ハイパワードマネーとマネーストックとの関係を数値例とともに確認する(60)
8貨幣需要関数 〇取引需要 〇国債と利子率の関係 〇資産需要 〇貨幣需要関数【予習】国債とは何かを調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,国債と利子率の関係,流動性選好説について数値例とともに確認する(60)
9貨幣市場の均衡 〇貨幣の需給均衡 〇均衡利子率の決定 〇金融政策の効果【予習】ハイパワードマネーの供給ルートと貨幣需要関数を確認しておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,貨幣市場の均衡と均衡利子率の決定について数式とグラフで確認する(60)
10財政政策 〇政策目標と政策手段 〇財政政策の効果 〇クラウディングアウト効果【予習】45度線図法による財政政策の効果を確認しておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,財政拡張政策によるクラウディングアウト効果を確認する(60)
11金融政策 〇資産市場と財市場の接点:金利とGDP 〇金融政策の効果【予習】貨幣市場モデルにおける金融政策の効果を確認しておく(30) 【復習】金融政策が財市場と資産市場に与える影響を確認する(60)
12マクロ経済政策における論争 〇フリードマンによる批判 〇裁量かルールか【予習】財政金融政策のGDPと利子率に与える影響を確認しておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,ケインズ学派とマネタリストにおけるマクロ経済政策に対する相違を確認する(60)
13インフレーション 〇フィリップス曲線 〇インフレか失業か 〇インフレと金利 【予習】インフレーションとは何かを調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,フィリップス曲線の意味するところと,インフレと金利との関係を確認する(60)
14失業 〇完全失業率と有効求人倍率 〇自然失業率 〇賃金の下方硬直性【予習】近年の日本の完全失業率の推移を調べておく(30)【復習】授業ノートを参照して,フリードマンの自然失業率仮説をグラフで説明できるか,確認する(60)
15総括 〇「総括資料」による全体の流れ【予習】テキスト,授業ノート,資料などによって全体の流れをつかむ(120) 【復習】「総括資料」にもとづき,関連箇所をテキスト,授業ノートで確認する(120)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験80点,課題(2回)20点,計100点で評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『入門経済学 第2版』伊藤元重日本評論社3000円+税978-4-535-55817-5
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『マンキュー経済学Ⅱマクロ編』N・グレゴリー・マンキュー東洋経済新報社4000円+税978-4-492-31445-6
2.『マクロ経済学 第2版』伊藤元重日本評論社2800円+税978-4-535-55621-8
参考URL
1.内閣府ホームページ政府の政策一般についてわかる。
質疑応答
〇場所:6号館6階(6616号室) 〇時間:月曜日5時限目,火曜日5時限目
備考
原則として毎回,「出欠」を確認する。経済原論は体系的な科目であるため,毎回の出席を希望する。
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更新日付2017/02/17 11:20:41