開講年度2017
科目名古典文学研究Ⅱ
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年3年
担当者川名 淳子
単位数2
曜日・時限秋学期 火曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
『枕草子』を読む
授業の概要
平安時代に成立した『枕草子』は、一条天皇の中宮定子に仕えた女房、〈清少納言〉が見聞した宮廷社会の出来事を綴った随筆である。約三百段の章段には、清少納言の独特の観察眼や美意識が反映されている。授業では、当時の時代背景を考えつつ作品を精読する。また鎌倉時代末に成立した「枕草子絵巻」の鑑賞も行う。『枕草子』に描かれた人物たちのありようを見つめながら、読者としての感性を養いつつ、この古典文学がなぜ現代の私たちの心に響くのかを考えてゆく。
授業の到達
目標
『枕草子』が生まれ出た経緯や時代背景、王朝人の暮らしや美意識、後の時代の人々の作品享受のありようなどを視野に入れながら、以下の事柄を到達の目標としていく。
・作品の本文を読み解くためのことばや古典の基礎知識を習得できるようになる。
・作品を読み味わうことの楽しみや意義を感じつつ、自らの意見や感想を文章としてまとめることができるようになる。
・作品に描出された人々の心の襞(ひだ)を見つめ、読者としての感性を養う。
・古典文学への視野を広めることができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1授業ガイダンス 授業の内容、進行、予習・復習の方法、成績評価について説明。
枕草子が成立した時代背景について概観する。
[予習]シラバスをよく読んでくる。テキストの作品解説に目を通してくる。(45分)
[復習]授業時に指定したテキストの項目を読む。(60分)
2春学期の「古典文学研究」Ⅰで取り上げた内容を復習を兼ねて概説。[予習]テキストの作品解説を読んでくる。(45分)
[復習]授業時に配布した資料の内容を再度見直す。(60分)
3春学期に引き続き、日記的章段を読む。清少納言の中宮定子への讃美の意味を探る。[予習]テキストの指定した章段を読んでくる。(60分)
[復習]授業時に配布した資料の内容を見直す。特に系図を確認する。(60分)
4「清少納言の女房としてあり方」をテーマとして引き続き、日記的章段を精読する。[予習]テキストの「作者について」の項目を読んでくる。(45分)
[復習]授業を受けた上で、再度テキストの「作者について」を読み、重要事項を確認する。(60分)
5「清少納言の家族」をテーマに、その「家」の意識を『枕草子』の章段の他、説話や和歌集から探る。[予習]テキストの指定した項目と章段を読んでくる。授業で紹介した書籍を読んでみる。(90分)
[復習]授業時に配布した資料の内容を見直す。(60分)
6「清少納言と紫式部―その対照的な人物像」をテーマに『紫式部日記』なども用いて、両者を比較する。[予習]『紫式部日記』の指定した箇所を読んでくる。(60分)
[復習]テキストと授業時に配布した資料の内容を見直す。(60分)
7前回に引き続き「清少納言と紫式部」をテーマに、清女が随筆を、紫女が物語を書き残した意義を考える。[予習]授業で紹介した文献を読んでみる。(60分)
[復習]テキストと授業時に配布した資料の内容を見直す。
8主家中関白家の栄華と没落の歴史を考察する。
8回まで『枕草子』を学習してきたことを踏まえ、課題を提示。小レポートを作成する。
[予習]授業で紹介した文献を読んでみる。(60分)
[復習]小レポート作成の準備をする。(90分)
9同時代の歴史物語『栄花物語』『大鏡』の記事を読みながら、『枕草子』の描出法について考える。
小レポートを提出する。
[予習]授業時に紹介した歴史物語に関する文献を読んでみる。(60分)
[復習]授業時に配布した資料の内容を見直す。(60分)
10提出したレポートを返却。これまでの授業内容について質疑応答を行う。[予習]これまでの授業内容を再度見直し、各自、関心を持った事項をまとめてくる。(60分)
[復習]返却されたレポートを各自、見直す。(60分)
11「枕草子絵巻」を鑑賞する。文学がどのような経緯で視覚的に楽しむ絵巻になっていったのか、中世の時代背景を踏まえながら考える。[予習]「枕草子絵巻」を掲載した図録を見てみる(60分)
[復習]授業時に配布した資料の内容を見直す。(60分)
12前回に引き続き、「枕草子絵巻」を鑑賞し、あわせて当該する章段を精読する。[予習]「枕草子絵巻」を掲載した図録を見てみる。(60分)
[復習]授業時に配布した資料の内容を見直す。(60分)
1313回まで『枕草子』を学習してきたことを踏まえ、課題を出す。小レポートを作成する。[予習]12回までの授業の資料を見直す。(60分)
[復習]小レポート作成の準備をする。(90分)
14清少納言の伝説を取り上げる。『枕草子』の中の清少納言は、後世の人々にとってどのように捉えられているのかを説話等から明かにする。[予習]テキストの「作者」の項目を読み直す。(90分)
[復習]授業時に配布した資料の内容を見直す。(60分)
15春学期中の学習内容のまとめをする。提出したレポートを返却。質疑応答を行う。
学期末レポート試験の課題を提示。
[予習]授業で紹介した『枕草子』に関する文献を読み、重要事項を書き抜く。(60分)
[復習]レポート試験を執筆する。(3時間~)
    
16レポート試験
評価方法・基
準(評価割合)
平常点(授業への参加度・学期中の小レポートの提出)を4割、
学年末レポート試験を6割、を基準とし、総合的に評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『ビギナーズクラシックス枕草子』角川ソフィア文庫角川書店734+税
参考書
  ・
参考資料
参考URL
質疑応答
毎授業時の質問等については、授業時間及び授業終了時に対応する。
またオフィスアワーに川名研究室(3号館4階)にて、個別に対応する。
備考
配布資料が多くなるので、各自、「古典文学研究Ⅱ」用のファイルを用意し、整理・保存すること。
「古典文学研究」Ⅰ・Ⅱをあわせて受講することが望ましい。
画像
ファイル
更新日付2017/02/17 21:30:09