開講年度2017
科目名東洋史特殊研究B-Ⅱ
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年3年
担当者服部 隆行
単位数2
曜日・時限秋学期 火曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
最新の史料からみた朝鮮戦争の実態
授業の概要
本講義では、第2次世界大戦以降の東アジアの国際関係についての基本事項を確認しつつ、冷戦期の米ソ対立が東アジアの国際関係にどのような影響を及ぼしたのかについて、東アジアの国際環境を大きく変動させた朝鮮戦争に着目して考察する。具体的には、①東アジアに冷戦が到来する契機となったアメリカ、ソ連〈現在のロシア〉による朝鮮半島の分割、②中国、北朝鮮、ソ連といった冷戦期の社会主義陣営の東アジア戦略とその動態、③朝鮮戦争が勃発するまでの国際環境の変動と中国、北朝鮮、ソ連の3者関係、④朝鮮戦争の勃発とその対応、⑤朝鮮戦争への中国の介入、⑥朝鮮戦争における戦闘、⑦朝鮮戦争の停戦と中国、北朝鮮、ソ連の態度など、朝鮮戦争に関する最新の史料を踏まえながら、史実に即した朝鮮戦争の詳細な実態を解明する。
授業の到達
目標
本講義では、東洋史専攻の学生諸君はもとより、日本史・西洋史・イスラム圏史ならびに、教職志望者にも有用な科目となるよう、第2次世界大戦以降の東アジアの国際関係について、その基本事項を確認しつつ、冷戦期の米ソ対立と東アジアの国際関係の変動について理解を深めていくため、履修する学生諸君は、現代史や現代の国際関係を構築している基礎的な史実をしっかりと習得することができる。また卒業論文の作成を控えた学生諸君には、歴史論文における歴史史料の活用方法、各種資料の分析・考察方法、あるいは歴史的理論と社会科学的な理論とを組み合わせた有意な分析・検討方法なども習得できる。また朝鮮戦争には数多くの映像資料も残されており、これらを適宜活用することで、学生諸君は、戦争を視覚的に認識し、戦争の実態に触れることができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1オリエンテーション・概要【復習】配布した年表・地図などで、本講義の概要を掴んでおく。120分。
2第2次大戦終結をめぐる東アジアの国際関係についての基本事項の確認(日本の敗戦と東アジアの国際環境の変動)【復習】配布したレジュメを読み、日本が敗戦したことで、東アジアの国際関係にどのような変動があったのかの詳細をまとめ、確認する。120分。
3第2次大戦直後の東アジアの国際関係についての基本事項の確認(中国での内戦と日米関係の強化)【復習】配布したレジュメを読み、国共内戦がどのように東アジアに冷戦を呼び込むことになったのかをまとめ、掴んでおく。120分。
4冷戦期の東アジアの国際関係についての基本事項の確認(米ソ対立と東アジア)【復習】配布したレジュメを読み、特に冷戦初期米国が東アジアにどのような政策を打ち出したのかをまとめ、確認する。120分。
5朝鮮戦争に関する映像資料を見る①【復習】朝鮮戦争の映像に関連する資料を読み、初歩的な朝鮮戦争のイメージを掴むことに努める。120分。
6日本の敗戦と朝鮮半島情勢(東アジアの国際環境の変動と朝鮮半島)【復習】配布したレジュメを読み、連合国が朝鮮半島に戦後どのような政策を打ち出そうとしていたのかをまとめ、確認する。120分。
7日本の敗戦と東アジアでの冷戦の進行(冷戦の始まりと朝鮮半島の分断)【復習】配布したレジュメを読み、朝鮮半島の分断が始まった理由を掴み、まとめておく。120分。
8大韓民国・朝鮮民主主義人民共和国の成立(李承晩と金日成)【復習】配布したレジュメを読み、朝鮮半島の2人の指導者がどのように両国の建国を進めたのかをまとめ、確認する。120分。
9中国・ソ連と朝鮮半島(中華人民共和国の成立と中ソ友好同盟相互援助条約の締結)【復習】配布したレジュメを読み、朝鮮半島をめぐり周囲の社会主義国がどのような国際環境を作り上げたのかをまとめ、確認しておく。120分。
10ソ連・中国・北朝鮮の連携と朝鮮戦争の勃発【復習】配布したレジュメ・史料を読み、ソ連・中国・北朝鮮の3国がどのように連携し、戦争環境を整えたのかをまとめ、確認しておく。120分。
11朝鮮戦争と中国①(参戦までの準備過程)【復習】配布したレジュメ・史料を読み、中国が朝鮮戦争の勃発に際し、どのように参戦環境を整えていったのかをまとめ、確認しておく。120分。
12朝鮮戦争と中国②(参戦をめぐる中国指導層の混乱)【復習】配布したレジュメ・史料を読み、中国指導層が参戦直前にどのような議論を行い、参戦を決断していったのかをまとめ、確認しておく。
13朝鮮戦争に関する映像資料を見る②【復習】朝鮮戦争の各作戦に関する資料を読み、作戦がどのような環境のなかで展開されていったのかを確認する。120分
14朝鮮戦争と中国③(戦闘過程と休戦会談)【復習】中国参戦後の朝鮮戦争の展開を確認しつつ、期末のレポートのために、朝鮮戦争がどのような国際環境により勃発したのかをまとめる。180分。
15朝鮮戦争と現代の東アジアの国際関係【復習】期末のレポート作成のために、朝鮮戦争の展開と社会主義国がどのような動態を見せたのかをまとめておく。180分。
    
16レポート試験。
評価方法・基
準(評価割合)
期末のレポート提出により評価(75%)。授業への参加態度も重視する(25%)。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『レジュメを配布する。』
2.『高校時代の日本史・世界史の教科書及び資料集』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『増補:米中関係のイメージ』入江昭平凡社ライブラリーやや高度だが一読の価値がある
2.『中国とソ連』毛里和子岩波新書入門書
3.『日中関係』毛里和子岩波新書入門書
4.『朝鮮戦争と中国』服部隆行渓水社本講義担当者の著書、研究書
参考URL
質疑応答
秋学期開講期間中の毎週火曜日3限。教職志望者の現代史の勉強の仕方から、卒業論文作成に向けた様々な課題について、質問に応じます。ただし、事前に予約のこと。
備考
春学期からの通年の履修が最も望ましいが、秋学期からの履修者にも受講上において大いに配慮するので積極的な履修を求めます。
また東洋史のみならず、特に近現代史専攻の学生諸君には、本講義は近現代史の一般的な知識と考え方を学べるので、卒業論文の作成に向けて有用な科目となります。
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更新日付2017/02/16 14:43:45