開講年度2017
科目名日本史基礎講読A-Ⅱ
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者福島 金治
単位数2
曜日・時限秋学期 火曜日 3時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
中世の「徳政」について考えてみよう。
授業の概要
 中世文書を読むことで、当時の社会の支配のありかたを知ることができる。今回は戦国期の甲斐武田家の記録『高白斎記』を読む。同書は、役務を担当した人物〔一説に、駒井高白斎とも〕が書き留めていた「引付」を基本にして記されたものと考えられる。その内容は、明応9(1500)年から天文22(1553)年までのもので、前半部は主に甲斐国内や京都でのできごと、後半部は甲斐武田家の合戦や行事が暦の詳細な記事とともに記されている。本書を読むことで、戦国期の地方の状況と大名武田氏の動向を詳細に知ることができる。
授業の到達
目標
 『高白斎記』を読むことで、戦国時代を生きた人々の使った言葉や慣習を知ることができる。特に、当時の気候変動や飢饉の様子、武田氏の合戦の日取り、方角に関する禁忌、そして甲斐で使われた暦の実態などを知ることができる。これらを学ぶことで、戦国時代の合戦のやり方や、まじないなどの知識が軍事と結合していた様子などもわかり、中世社会の仕組みについて基礎的な知識を身につけることができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1 『高白斎記』について(レクチュア)
 本の伝来と性格、内容・特徴について簡略に説明を行い、まず、文章を読んでみる。
〔予習〕 シラバスなどを事前に読んでおく(30分)
2 明応7年~大永元年
 武田信虎(信玄の父)の誕生から晴信(信玄)誕生までの京都の幕府と関東の情勢について。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
3 大永2年~天文9年
 信虎の関東出陣、晴信の元服と将軍義晴からの一字拝領などについて。
〔予習〕 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
4 天文10年~同12年3月
 晴信の家督継承、諏訪方面への出陣と高白斎の随従内容について。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
5 天文12年4月~同13年
 焼失した武田館の再建、都留方面での小山田氏との交渉、浪人山本勘介の家臣成りなどについて。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
6 天文14年
 信濃高遠への出陣、小笠原館の焼き討ち、今川・上杉・北条各氏との交渉などについて。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
7 天文15・16年
 信濃村上氏との合戦、川普請などの民政事業、板垣信方などの軍事行動などについて。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
8 天文17年
 城の「自落」やその後の城造りの方法、小笠原長時との合戦の勝利などについて。
〔予習〕 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
9 天文18年
 甲斐国での京都と異なる暦の使用の痕跡、望月・大井氏らの信濃国衆の家継承などについて。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
10 天文19年
 今川義元との対面と面会の儀式の様子、合戦の雲の色と動きなど兵法に関わる事項について。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
11 天文20年
 砥石城での真田幸綱の活躍、岩尾城の作り始めなどについて。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
12 天文21年
 諏訪頼継の自害、長尾氏との合戦、建物の造営と暦の吉凶などについて。
〔予習〕 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1間)。
13 天文22年(1)
 小山田・仁科らとの関係、小田原北条氏康との誓詞の交換などについて。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
14 天文22年(2)
 塩田などの信濃方面での転戦の内容などについて。
 〔予習〕 テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
15 天文22年(3)
 塩田方面での合戦、合戦での占いなどのことについて。
〔予習〕  テキストを読み、わからない単語などを事前にチェックし、授業後には再度解釈などを検討する(1時間)。
    
16定期試験授業時間外学習1時間
評価方法・基
準(評価割合)
 期間内には小テストを行い、定期試験を行う。評価は、試験75%、小テスト25%。出席は当然であるので、欠席しないこと。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『使用しない。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『武田信玄』笹本正治中公新書
2.『定本・武田信玄』笹本正治他高志書院
参考URL
質疑応答
授業は史料を輪読し、内容を解釈するやりかたで毎回すすめる。
授業中に質問し、また、回答をもとめる。
備考
 愛知学院大学図書館には関連の文献や史料集が配架されている。また、愛知県立図書館・名古屋市立図書館には開架で中世の文献がおかれている。行ってみよう。また、関連する現地を見るのも参考となる。
画像
ファイル
更新日付2017/02/13 14:52:15