開講年度2017
科目名日本の文化と社会Ⅱ/特定主題科目Ⅲ-Ⅱ
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者安原 功
単位数2
曜日・時限秋学期 火曜日 3時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
聖武天皇と称徳天皇
授業の概要
 近年、先進的な律令制が導入されても伝統的社会が継続したとする、二重構造論が提起されています。律令国家の成立により列島社会が突然変化した訳ではありません。〈中国的文明〉と〈伝統〉が重なりあう二重性は新しい国家の行方を混乱させました。皇位継承問題もその一つです。国際的には半島諸国や列島辺境の人々を従属者とする日本の小中華思想は、国際秩序に通用しない虚構でした。本授業では奈良時代の国家・社会の諸側面を概観した後、聖武天皇とその娘である称徳天皇(孝謙天皇)を中心に奈良時代の政治史を学びます。
授業の到達
目標
社会現象・事件を生みだす複数の要因を関連させられる。
国内の少数者や周辺諸国の人々と協調できる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1「はじめに」
○授業の概要と成績評価などを説明します
【予習】シラバスを読み、授業の概要を把握しておく(20)
【復習】授業全体の構成をまとめ直す(20)
2「平城遷都と藤原氏」
○平城京の都市空間、藤原氏の動向を学びます
・平城京の平面プラン、・藤原不比等と皇親、
【予習】教科書第3章-2・3を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】藤原京との相違に留意しながら授業内容をまとめる(30)
3「農民負担と律令軍団制」
○農民の負担から、律令国家の性格を学びます
・租庸調の本質、・軍団制、・班田収授と公出挙
【予習】教科書第2章-1・2を熟読し、内容を確認する(40) 
【復習】農民負担から律令国家の本質を理解して、授業内容をまとめる(30)
4「律令国家と伝統的社会」
○律令制度と異なる伝統的社会のあり方が継続していたことを学びます
・豪族と郡司、・農村社会の実態
【予習】教科書第2章-3を熟読し、内容を確認する(20)
【復習】国家と社会の二重構造を媒介する豪族=郡司の役割に注意して授業内容をまとめる(30)
5「奈良時代の尾張と三河」
○奈良時代の尾張・三河地域を具体的に学びます
・尾張国、・三河国、・都で出土した尾張・三河木簡
【予習】配付資料を熟読し、内容を確認する(20)
【復習】地図などで具体的にイメージしながら、授業内容をまとめる(30)
6「小中華帝国「日本」と周辺地域」
○日本を中心と する中華思想を学びます
・新羅と渤海、・蝦夷と隼人
【予習】教科書第1章-3、第5章-2を熟読し、内容を確認する(40)
【復習】日本と唐・新羅の認識のズレに注意して授業内容をまとめる(30)
【課題】1~6回をまとめる(120)→第7回に提出
7「1~6回の振り返りと補足」
○全体を再整理・補足しながら、律令国家と社会の構造をさらに明確にします
【予習】1~6回のまとめ(第6回課題と同一、第8回にコメントを付けて返却)
【復習】講義を踏まえて1~7回を整理し直す(60)
8「聖武天皇の即位」
○聖武天皇が即位した理由と政治状況を学びます
・振り返りの返却、・奈良時代初期の政治、・開墾計画
【予習】教科書第3章-4・5を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】皇位継承問題に留意しながら授業内容をまとめる(30)
9「長屋王の変と藤原氏、さまよう都」
○壬申の乱後からの政治体制の脱却を学びます
・長屋王の変、・壬申の乱の影響、・藤原四兄弟と天然痘、・彷徨する都
【予習】教科書第4章-1を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】皇統問題と政治の関係に注意して授業内容をまとめる(30)
10「聖武天皇と仏教」
○国分寺・東大寺の創建、大仏造立等を学びます
・写経事業、・国分寺・国分尼寺、・東大寺と大仏、・鑑真と行基
【予習】教科書第4章-2を熟読し、内容を確認する(40)
【復習】聖武天皇個人の信仰よりも、国家・社会の構造として仏教が求められる理由に留意しながら授業内容をまとめる(30)
11「荘園と富豪層」
○墾田永年私財法の歴史的意味と東大寺と地方豪族のつながりを学びます
・墾田永年私財法、・初期荘園、・東大寺と地方豪族
【予習】教科書第4章-3を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】造寺・造仏による財政負担増、郡司=豪族の性格変化に留意して講義内容をまとめる(30)
12「孝謙太上天皇と淳仁天皇」
○太上天皇(上皇)と天皇、複数の王が存在する理由と問題を学びます
・太上天皇と天皇、・藤原仲麻呂の乱
【予習】教科書第5章-1の「仲麻呂の権勢」までを熟読し、内容を確認する(30)
【復習】太上天皇と天皇の共通点・相違点に留意して講義内容をまとめる(30)
13「称徳天皇と道鏡」
○奈良時代の特色である天武系皇統から天智系皇統への交替を学びます
・藤原仲麻呂の乱、・称徳と法王道鏡、・光仁・桓武天皇の即位
【予習】第5章-1の「藤原仲麻呂の乱」以下を熟読して、 内容を確認する(30)
【復習】授業内容のまとめと定期試験対策に1~13回を見直す(60)
14「女帝と皇位継承」
○飛鳥・奈良時代に女帝が多い理由を学びます
・女帝=中継ぎ天皇?、・飛鳥~奈良時代の皇位継承原理
【予習】教科書第3章-1と配付資料を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】定期試験対策として1~14回全体の整理をつくる (120)
15「授業全体のまとめ」
○8~14回を中心に授業全体を振り返ります
【予習】1~14回全体のまとめを作成(第14回の復習と同一)
【復習】理解できているか再確認した後、知識として定着させる(180)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験(80%)と授業態度(毎回のまとめ、1~6回のまとめ、20%)
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『平城京の時代〈シリーズ日本古代史④〉』坂上康俊岩波書店820+税978-4004312741
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『女帝の世紀 皇位継承と政争』仁藤敦史角川書店1500+税978-4047033917
参考URL
質疑応答
質問は授業の最後のまとめに付記してください。次回にお答えします。授業の前後に直接質問していただいてもかまいません。
備考
復習とは別に、授業の最後に簡単にまとめを書いて提出していただきます。質問や意見・感想があれば付記してください。次回の最初にお答えしたりご紹介します(時間には留意しますが、質問・意見によっては若干シラバスに影響がでる回もあるかもしれません)。
授業中は携帯電話・スマートフォンの操作、私語は厳禁です。
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更新日付2017/02/10 17:04:46