開講年度2017
科目名産業と科学Ⅱ/総合科目Ⅵ-Ⅱ
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者城 貞晴
単位数2
曜日・時限秋学期 火曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
形を中心とする表面ナノテクノロジー 
授業の概要
モノの表面を原子スケールでのぞいてみると、そこにはとても豊かな世界が広がっています。表面の初歩的な話題から産業応用にいたるまで解説していきます。本講義の中心トピックはモノの「かたち」です。
授業の到達
目標
「表面」とはなんでしょう?あまり深く考えたことがないかも知れません。薄っぺらいのだろうか。表面の裏側はなんだろう。など様々な疑問が出てきそうです。しかし、モノの表面を真剣に見てみると、実に豊かな世界が広がっています。表面は、モノの内部と外部のインターフェイスにあたり、そのモノの性質を決める大切な役割を担っているのです。特にモノの形は、表面状態に大きな影響を受けて変化します。それを知った上で積極的に形をコントロールすることが可能になります。本講義では、形を制御する方法等について扱います。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1モノの形は何によって決まるのか?

## モノの形は、これを構成する原子たちと、それらを取り巻く環境が決めています。モノを拡大することで見えてくる世界を紹介します。
原子レベルと聞いて「実生活とかけ離れている」と感じる域を逸脱しましょう。原子レベルの制御によって身の回りは便利になってきています。そんな実感を持てるようにする。それが本講義の時間外学習です。
2原子配列が外形に及ぼす影響

## 様々な事例を通して、原子配列と外形の深いかかわりを説明します。
慣れてくると、どんなものでも原子配列を想像できるようになります。そんな頭のトレーニングが時間外学習にあたります。時間無制限。時間を忘れて没頭するのが理想です。
3表面超構造の形成

## 原子が規則正しく並んだ表面に、異種の原子を積むとどんなことが起きるのでしょうか。それは予測可能でしょうか。
原子の世界を想像できるようになったら、原子の規則配列表面に異種原子たちを降らせてみましょう。そんな配列をするでしょう。
4モノとモノの間に形成される規則構造

## 界面で形成される規則構造について説明します。感動的に美しい模様が潜んでいることも多いのです。対応格子理論を平易に扱います。
異種結晶表面同士をひっつけて回転させるとどんなことが起きるでしょう。難しく言うと「CSL理論」です。イメージできればそんなに難しくありません。イメージ出来ないと難解に思えるでしょうからご用心。
5制御のためには、まず原子の気持ちをよく理解することが大切である
~落ち着きたい、出て行きたくない、手をつなぎたい等~

## 原子たちは、案外人間くさいところがあるのです。原子の気持になり、その意思をわかってあげましょう。とても身近に感じられるでしょう。
原子の意思を知ることはモノづくりの上で基本になります。相手を理解することが大切なのは、どんな世界でも共通ですね。そんなトレーニングをしましょう。
6表面形態科学:針状構造体の形成

## 針のように細長い物体の有用性が非常に高く、そんなモノづくりが昔も今も変わらずに行われています。具体的な事例を通じて学びます。本講義担当者が現実につくった事例を交えて紹介します。
講義の内容を復習してください。
7表面形態科学:究極の細さを求めて

## どんな技術も必ず競争を生じます。細くする競争の行く末は「どんなものよりも細くする」なのです。そんな世界を紹介します。
講義の内容を復習してください。
8表面形態科学:ナノシート
~原子一層しかない広い平面を作る~

## どんな技術も必ず競争を生じます。薄くする競争の行く末は、やはり「どんなものよりも薄くする」なのです。そんな世界を紹介します。
講義の内容を復習してください。
9カーボンナノ材料の世界

## フラーレン、ナノチューブの発見によりカーボンナノ材料の開発に火がつきました。その魅力に迫ります。
講義の内容を復習し、カーボン材料の応用事例をあげてみてください。
10カーボンナノ材料の表面への応用:顕微鏡のプローブとしての応用を例として

## カーボンナノチューブを顕微鏡分解能向上に用いる技術開発が盛んです。その事例を紹介します。「工夫」「アイデア」を感じてください。現実の苦労話も交えます。本講義担当者自らの経験を交えて話します。
「工夫」「アイデア」が「出来ない」を「出来る」にかえてきたことをよく心にとどめること。
11有機薄膜、高分子薄膜の世界

## 有機薄膜、高分子薄膜の世界もまた非常に進展著しい分野です。その事例を紹介します。本講義担当者自らの経験も含めて紹介します。
講義の内容をよく復習してください。
12タンパク質材料の世界と新薬の開発

## タンパク質構造解析が世界をあげて進展しています。その多くは新薬の開発のために行われています。その実情を紹介します。
新薬の開発の現場レベルの話をよく心に留め置き、将来の薬の開発の動向を予測してみてください。
13金属材料の世界

## 1970年代全盛だった鉄鋼業界にかわって今は有機材料全盛の時代と言えます、しかし、金属材料が消えてなくなることはないでしょう。最もベーシックで、しかし偉大な可能性を秘める金属材料の表面研究を扱います。
金属材料の可能性について、自分なりに考えてみてください。
14「見えない」という常識を覆してきた歴史
~原理的に不可能でなければ、実現可能である~

## そろそろ本講義の根底に「工夫」「アイデア」そして「原理的に不可能でなければ人間は必ず克服する」という考え方が据えられていることに気付くはずです。一見不可能だからと言ってあきらめるのではなく、克服することの大切さを実感し、実生活でいかしてください。そんなメッセージを、皆さんに送ります。
世間の「常識的に出来ない」を疑い、「克服する力」を身に着けよう。原理的に不可能なもの以外は可能であることを知ろう。その認識を強く持てるように。
15社会に貢献する表面科学

## 振り返って、表面科学が如何に社会に貢献しているか、紹介します。
表面科学研究の応用例が身の回りにどのくらいあるか考えてみてください。それが時間外学習です。
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
参加姿勢30点, レポート・小テスト30点、定期試験40点の合計100点満点で評価する。
但し、真剣さが認められない等の場合(教員の指示に従わない、私語、居眠り、無断教室出入、遅刻、飲食など)には上記配点を超えた大幅減点の対象である。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『なし』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『なし』
参考URL
1.なし
質疑応答
講義時、オフィスアワーを中心に、随時受け付けます。
備考
画像
ファイル
更新日付2017/02/16 17:17:35