開講年度2017
科目名生物学Ⅰ B
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者池田 健
単位数2
曜日・時限秋学期 水曜日 3時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
細胞、分子、遺伝子のことばで考えよう
授業の概要
 近年、分子生物学の急速な進歩に伴い、生命科学は大きく発展した。その結果、地球上の全ての生物は同じ物質的基礎の上に成り立っており、同じ遺伝情報の流れに従って生きていることが明らかになった。生命現象の解明が進むなか、生物学は医学、歯学、薬学、農学などと以前にも増して深い関わりを持つ。例えば、多くの疾患には遺伝子が関与していることが明らかになり、今や遺伝子診断、遺伝子治療が行われる時代である。山中伸弥博士(京都大学)による「成熟した細胞に対してリプログラミングにより多能性(分化万能性)を持たせられることの発見(iPS細胞の作製)」、大村智博士(北里大学)による「線虫の寄生によって引き起こされる感染症に対する新たな治療法に関する発見」も記憶に新しい。そこで、「生物学Ⅰ」では生物学Ⅱ(浅原先生)や歯科学の基礎として、細胞の構造、代謝の反応、遺伝のしくみ(分子遺伝学を含む)などについて学習する。
授業の到達
目標
 細胞、分子、遺伝子のことばで考えることにより、様々な生命現象を統一的に理解することを目指す。とりあげる内容については、下記の授業計画を参照のこと。生物学Ⅰではとくに、全ての生物が持つ共通の性質(生物の定義と言ってもよいかもしれない)について、その内容を理解する。具体的には、大きな目標の一つとして、『分子遺伝学のセントラルドグマ』を分子レベルで説明できることがあげられる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1生物とは
    生物界の階層性
    生物学の研究方法
 
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
2生体を構成する分子
    生体の四大構成成分、その構造と機能
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
3タンパク質の構造と機能
    タンパク質の構造(一次構造から四次構造へ)
    酵素のはたらきと反応のしくみ
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
4細胞の構造と働き(1)
    原核細胞と真核細胞
    生体膜の構造と機能
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
5細胞の構造と機能(2)
    細胞小器官の構造と機能
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
6代謝とエネルギー(1)
    異化・同化と生体のエネルギー通貨ATP
    好気呼吸と嫌気呼吸
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
7代謝とエネルギー(2)
    解糖系、クエン酸回路、電子伝達系
    基質レベルのリン酸化と酸化的リン酸化
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
8細胞周期と細胞分裂
    細胞周期とそれに伴う分裂の過程(体細胞分裂)
    アポトーシスとネクローシス
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
9遺伝のしくみ
    メンデルの遺伝の法則
    減数分裂と多様性を生むしくみ
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
10分子遺伝学(1)
    染色体、ゲノム、遺伝子の構造
    遺伝子の物質的本体DNAの構造
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
11分子遺伝学(2)
    DNAの複製のしくみ
    (半保存的複製、不連続複製)
    複製の正確さ
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
12分子遺伝学(3)
    転写のしくみ
    選択的スプライシング
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
13分子遺伝学(4)
    遺伝暗号(コドン)
    翻訳のしくみ
    (タンパク質合成の開始・伸長・終結)
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
14分子遺伝学(5)
    発現調節(転写調節、オペロン、基本転写因子)
    DNAの変異と修復
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
15バイオテクノロジー
    クローニング・塩基配列決定法・PCR法
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
    
16定期試験参照不可
評価方法・基
準(評価割合)
 定期試験の成績で評価する。授業への取り組みを加味する必要がある場合は、10%程度を目処に含めて、総合的に判定する。
 なお、当然のことながら講義中に話した事柄全てが試験の範囲に含まれる。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『検討中』
2.『参考書は自分に合ったもので構いません。下の参考書欄にあげた本以外にもいろいろあります。相談に応じます。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『Essential細胞生物学 原書第4版』南江堂 8,000+税978-4-524-26199-4解りやすい。『THE CELL細胞の分子生物学』のダイジェスト版。
2.『エッセンシャル・キャンベル生物学 原書6版』丸善出版7,000+税978-4-621-30099-2米国の大学教養課程の教科書。図版が豊富で解りやすい。
3.『理系総合のための生命科学 第3版』羊土社3,800+税978-4-7581-2039-5日本の大学教養課程の教科書。生命科学系学部(医歯薬理農など)へ進級する学生向け。
4.『THE CELL細胞の分子生物学 第5版』ニュートンプレス22,300+税4-315-51867-2理系大学院でも使える。原書は第6版が出版されている。
参考URL
質疑応答
質問は常時受け付けます。
研究室:4号館3階(生物学教室内) 
オフィスアワー:月曜日~木曜日 12:40~13:20 時間外でも在室中であればできるだけ対応します。
備考
 授業形式は主として講義です。
 講義は、高校の生物学及び春学期の実習で学習したことを理解しているものとして進められます。これらの基礎的な知識や理解が不足している学生諸君は、春学期の講義「生物学の基礎」を受講するなど、本講義が始まるまでに自ら対策を立てる必要があります。また、本講義の内容は「生物学Ⅱ」を学習する上での予備知識となります。
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更新日付2017/03/22 16:56:58