開講年度2017
科目名教育学Ⅱ
科目ナンバー
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者黒澤 ひとみ
単位数2
曜日・時限秋学期 月曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
現代日本社会における教育と福祉
授業の概要
この授業では、現代社会における「子どもの貧困」問題に注目しながら、人間らしい暮らしとはどういうことか、子どもの人間的な発達を保障するために何が必要なのかを考える。「教育」とは人間形成をあるべき方向へ目的意識的に組織する営みであり、「福祉」とは健康で文化的な生活を営むための社会的な条件・基盤およびそれをつくる営みである。この観点に立ち、授業においては現代日本の子どもを取り巻く格差社会の厳しい現実を知り、学生が大学卒業後、労働者さらには家庭を持つ者として、人間らしい暮らしを実現していけるよう、子育てのセーフティネットのあり方について認識を深める。その際、子どもの権利を大切にする考え方を重視して授業を行う。
授業の到達
目標
この十数年余り、非正規労働の広がりと賃金水準の低下により、結婚や子育てなど若年労働者を取り巻く状況が厳しくなっていることを知る。その状況下で、様々な困難を強いられている子どもたちの姿から、子どもが幸せに暮らし、発達するために必要な物・事について認識を深める。そのためにも、基本的人権の思想について、子どもの権利条約、日本国憲法、教育基本法、児童福祉法の理念を学ぶことを目標とする。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1ガイダンス:授業の方針とスケジュール
今後の授業で取り上げる「子どもの貧困」問題について概観し、教育と福祉の関係を把握する視点について見通しを持つ。
(予習)シラバスを読み授業内容をあらかじめ把握する(15分)
(復習)授業の全体について確認する(15分)
2東日本大震災、原発事故と子どもたちの暮らし
ドキュメンタリー映画を視聴し、東日本大震災と原発事故の影響により、生活が大きく変わった子どもたちの様子を知る。
(予習)東日本大震災と原発事故後の子どもたちの暮らしの変化を確認する(30分)
(復習)普通の生活が根底から覆され、困難に陥る実態について認識を深める(30分)
3現代日本社会における「子どもの貧困」
ドキュメンタリー番組を視聴し、日本社会に広がる「子どもの貧困」の実態を知る。
(予習)配布資料から「子どもの貧困」の実態について確認する(60分)
(復習)「子どもの貧困」は身近な問題であることを理解する(60分)
4絶対的貧困と相対的貧困
貧困概念を学び、日本社会に広がる「相対的貧困」の実態について理解を深める。
(予習)配布資料から「絶対的貧困」と「相対的貧困」を確認する(60分)
(復習)「相対的貧困」の実態について理解を深める(60分)
5日本社会における就業構造の変化と人々の暮らし
非正規雇用と低賃金の拡大状況を確認し、結婚・子育て困難の実態について理解を深める。
(予習)配布資料から就業構造の変化を確認する(30分)
(復習)官公庁の統計資料からわかる就業構造の変化について理解を深める(60分)
6乳幼児期の子どもの貧困
保育所・子育て家庭の実態から、乳幼児期の子どもの育ちに貧困による影響がどのように及んでいるのか理解を深める。
(予習)配布資料を読み、困難の実態を確認する(60分)
(復習)貧困がもたらす様々な困難についての理解を深める(60分)
7学齢期、若者の子どもの貧困
学校、学童保育所の実態から、学習の遅れが不登校へつながり、社会的排除が引き起こされていく実態について理解を深める。
(予習)配布資料を読み、困難の実態を確認する(60分)
(復習)貧困がもたらす様々な困難についての理解を深める(60分)
8小テスト:1~7回目までの授業内容の理解を確認する。
小テストの内容を確認し、これまでの授業の要点を整理する。
(予習)配布プリントを整理し、テストのための準備をする(120分)
(復習)これまでの事業の内容及び基本的知識についての理解を確認する(30分)
9基本的人権と学習権思想
日本国憲法における基本的人権の項目を確認し、「教育を受ける権利」が「学習権」と称されるにいたる経過を学ぶ。
(予習)配布プリントを読み、基本的人権の重要性を確認する(60分)。
(復習)学習権の意義・理念について認識を深める(60分)
10学習権を保障するための諸制度
教育の機会均等の理念、生活保護及び就学援助の制度を学ぶ。
(予習)配布プリントを読み、教育に関する法制度の重要性を確認する(30分)。
(復習)生活保護及び就学援助の制度としくみについて理解を深める(60分)
11学校教育における教育福祉
スクールソーシャルワークや養護教諭の仕事について理解を深め、学校教育における教育と福祉の連携の重要性を認識する。
(予習)配布プリントを読み、スクールソーシャルワークと養護教諭の仕事を確認する(60分)
(復習)学校における教育と福祉の連携について理解を深める(60分)
12児童福祉法制と教育法制
児童福祉法制の理念を学び、教育法制との関連について理解を深める。
(予習)配布プリントを読み、児童福祉法の理念を確認する(30分)
(復習)児童福祉法制と教育法制の関連について理解を深める(60分)
13子どもの権利思想の歴史
子どもの権利条約に至る子どもの権利思想の歴史的意義を学ぶ。
(予習)配布プリントを読み、子どもの権利思想が登場した歴史的背景を確認する(60分)
(復習)子どもの権利思想の歴史的意義について理解を深める(60分)
14子どもの権利条約の特徴と内容
子どもの権利条約に明示された子ども観を確認し、遊ぶ権利、意見表明権について理解を深める。
(予習)配布プリントを読み、子どもの権利条約の子ども観を確認する(60分)
(復習)遊ぶ権利、意見表明権について理解を深める(60分)
15小テスト:9~14回目までの授業内容の理解を確認する。
小テストの内容を確認し、これまでの授業の要点を整理する。
(予習)配布プリントを整理し、テストのための準備をする(120分)
    
評価方法・基
準(評価割合)
テスト(2回各25%ずつ、合計50%)、大レポート(40%)、出席態度(10%)
出席態度は、DVD鑑賞レポートによって確認します。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『授業中に資料を配布します。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『授業中に紹介します。』
参考URL
質疑応答
授業時間の前後に、講義室および非常勤講師控室にて対応します。
備考
配布資料が多いため、ファイルを準備し、各自で管理をしっかり行ってください。
一定量の文章を読んだ上で、レポートに取り組んでもらう予定をしています。
画像
ファイル
更新日付2017/09/04 16:44:40