開講年度2017
科目名環境ビジネス論
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年2年
担当者津田 秀和
単位数2
曜日・時限春学期 木曜日 3時限
キャンパス名城公園キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
環境ビジネスの促進要因と阻害要因を学び、実現可能な環境ビジネス構想を描く。
授業の概要
この授業では、会社、地方自治体、国、市民などの環境意識の高まりを受けて、それらの環境保全活動をサポートする中にビジネスチャンスを見いだし登場してきたビジネス=環境ビジネスについての理解を深めていく。環境ビジネスの顧客は、環境に関連する世の中の動向に大きく影響をうける。通常の商品 やサービス以上に、ビジネスとして不安定な側面を持っていると言い換えても良い。他方で、アイディア、構想力を武器に、既存の経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)や地域資源を結合させ、様々なインフラを活用することでビジネスチャンスを生み出せる可能性を秘めている。資源の結合において協働(パートナーシップ)の考え方は欠かせないため、この点についても学び、小資本でも実現可能な環境ビジネスプラン形成のための考え方を養っていく。環境に優しく、ビジネスとしても成立する構想を考える力を養っていく。
授業の到達
目標
(1) 環境問題への関心を高め、環境問題について論じることができるようになる。
(2) 環境ビジネスの出現背景を整理し、理解し、環境問題とビジネス面を巡り、社会に求められていることを考察できるようになる。
(3) 環境ビジネスの阻害要因と促進要因を整理し、理解し、新しい構想につなげることができるようになる。
(4) 環境ビジネスについての具体的な例を調べ、既存のビジネスの課題や改善案を指摘できるようになる。
(5) 既存の資源を組み合わせ、ビジネス化する考え方を検討できるようになる。パートナーシップとそのビジネス化という観点で有効なビジネススタイルについて検討できるようになる。そして、環境ビジネスの新構想を立てられるようになる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1この授業での環境ビジネスの領域を理解する。環境問題についての感受性は一様ではない。そこで学びの最初のステップとして自らが関心を持つ環境問題を明らかにする。環境ビジネスの実例を探し、その意味や課題についてまとめる。120分
2環境ビジネスの現状を理解する。環境ビジネスの顧客に注目し、どういった主体がどういった環境配慮に関心を持ち、その支援を行うビジネスが出現しているかを理解する。自分が関心を持つ環境領域について、実施されている環境ビジネスをインターネットで検索し、優れている点と問題点をまとめる。120分
3環境ビジネスの阻害要因について学ぶ。通常のビジネス以上に顧客は不安定な性質を持つ。環境意識と行動の不一致、環境と便益のトレードオフなどに基づく。この点を読み解くための考え方を学ぶ。注目され、人々の意識が高まっている環境領域について調べる。そして、設定した領域の状況を確認する。併せて、その領域について「持続可能性」をキーワードに論点を整理する。240分
4環境ビジネスの促進要因について学ぶ。ESG投資とグリーンコンシュマーおよびそれらへの情報提供システムについて整理しつつ学び、それらが環境ビジネスにどう影響するかを理解する。自らが関心を持つ領域について、投資機関の評価指標での扱い、グリーン消費を推奨する団体での扱いを調べ、まとめる。240分
5環境政策や法規制・条例・ガイドラインなどは環境ビジネスの活性化につながる。どういった動向がどのようにして環境ビジネスの活性化につながるか、そのメカニズムを学ぶ。自らが関心を持つ領域について、関連政策や法規制等の状況を調べ、まとめる。180分
6環境問題に関連するビジネスに付随するキーワードを整理し、領域特性を理解する。取り扱うキーワードは、地域性、ユーザーとの共創、利便性、再生、競争優位性などである。自らが関心を持つ領域で、プランを作る場合の各キーワードの意味を考察し、まとめる。180分
7環境ビジネスの領域で注目される連携と協働について学ぶ。環境問題への対応には、行政、民間、市民の連携が欠かせず、また大きな成果を生むためには他者との協働が必要となる。これらに必要な考え方を学ぶ。自らが関心を持つ領域での行政団体や企業の動向を調べてまとめる。多様な協働を行うためのwin-win関係という点で、可能なパートナーとの関係を検討し、まとめる。180分
8既存の資源を組み合わせ、ビジネス化される事業について実例から学ぶ。事例検討を通じ、ネットワーク型(結びつき型)およびコミュニケーション手段の工夫の2つのポイントを整理し、理解する。自らが関心を持つ領域での既存の環境ビジネスを調べ、優位点と改善点を検討する。240分。ネットワークとコミュニケーション手段の点から改善案を検討する。180分
9第8回に引き続き、既存の資源を組み合わせ、ビジネス化される事業についてのポイントを実例から学ぶ。、使用されていない資源と地域資源を用いたコアコンピタンスの醸成についての理解を高める。自らが関心を持つ領域で、十分に活用されていない資源や地域固有資源を探し、その活用を盛り込んだ構想を検討する。180分
10第3回目の事例検討として、資金源の確保に注目した考察を行う。協働には調整役が必要となるが、この調整役が単なる調整費用を得続けることは困難である。どういった形で適切な対価を得られるかを理解する。自らが関心を持つ領域で、自らが調整役となる場合に適切な退化を得るための工夫を検討し、まとめる。180分
11第4回目のケーススタディとして、社会背景にあったビジネスモデル、および、支援型事業の短命さを克服する工夫の2つのポイントを検討しつつ学ぶ。第12回から使用し始める中間レポートを提出する回ともなる。自らが関心を持つ領域について、ビジネスを起こすときにそれが十分に必然性や必要性を持つかを検討する。第3回から第5回の講義内容と次回外学習を踏まえると良い。180分
12アイディアをプランにするための手順を学ぶ。そして、自らのアイディアをプランにする練習を行う。自らのプランを手順に沿ってまとめてみる。後の授業で洗練するので、細かく作ることよりも全体を作ることを優先する。180分
13中間レポートで集めた素材から情報を抽出し、自らのプラン作成のための準備をする。あわせて、ここまでの授業で醸成してきた感覚を活かしたプランを洗練する。授業時間中に不足した資料等につき、再度収集する。また、不足するアイディアについて検討する。180分
14第14回に引き続き、自らのプラン作成の準備をする。13回で不足した情報を付け足し、プランの洗練化を図る。授業時に完成しなかった論点(ワークシート)を完成させ、プランの全体像を作り込む。180分
15第14回目までで学んだことの概観を整理する。その上で、レポート試験のポイントを理解し、レポート内容の構想を整理する。総復習をし、レポート試験にむけて、情報を整理し、執筆と推敲を行う。840分
    
16レポート試験
評価方法・基
準(評価割合)
①期末レポート試験(50%)、②期中レポート(25%)、③平常点(25%)
 期末レポートは受講生が作成するビジネスプランを指す。期中レポートは、受講生が自らのプランのベースとする実際の環境ビジネスの資料探索および簡易分析結果を指す(講義時に指示)。平常点は受講態度、および講義時に行われる小テストやワーク結果で採点する。欠席状況は失格判定に用いる。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『配布資料を使用する。』
参考書
  ・
参考資料
参考URL
1.環境省:環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書環境問題と関連ビジネスの情報を理解するため、および期末レポートで活用。
2.グリーン購入ネットワークグリーン購入の情報
3.東京証券取引所・ESG投資ESG投資の情報
質疑応答
 講義内容についての質問は、オフィスアワー(水曜日昼休み)で可能です。オフィスアワーに来室する場合には必ずメール(tsuda@dpc.agu.ac.jp)を送付し、担当教員の指示を確認してください。なお、試験に関する質問および欠席のメールは受理できません。
備考
受講期間中はできるだけ、ニュース、新聞などで最新の環境問題について関心を深めておくことが推奨されます。自ら考え、プランを作成する必要がありますので、主体的に学ぶ姿勢が必要となります。経営学部以外の受講生においては、経営の基礎知識を概観しておくことをお勧めします。また、スマートフォンをいじる、居眠りをするといった行為は認められません。
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ファイル
更新日付2017/02/10 03:32:13