開講年度2017
科目名ビジネス・ファイナンス論
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年3年
担当者岡田 義昭
単位数2
曜日・時限春学期 木曜日 4時限
キャンパス名城公園キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
企業の財務戦略(コーポレート・ファイナンス)を学ぶ
授業の概要
本講義では、企業の財務戦略を担う「コーポレート・ファイナンス」の理論と実際を学びます。近年、企業経営にともなう資金の調達・運用は、銀行を介する“間接金融”からマーケットに直接アクセスする“直接金融”へと質量ともにシフトしてきました。そのマーケットは、市場参加者の自由で徹底した競争に基づく市場原理が貫徹しており、皆が1円でも安く必要資金を調達し、あるいは1円でも高く余剰資金を運用しようと、日夜叡智を尽くしつつしのぎをけずっています。ビジネス・パーソンとして将来活躍が期待される受講生に、こうした日々ダイナミックに躍動するビジネス・ファイナンスの仕組みと現状とを、具体的事例に即して分かり易く詳述したいと思います。
授業の到達
目標
本科目を学ぶことにより、複雑化・高度化した企業ファイナンスの基礎的知識が身に付きます。そうしたエクスパティーズの習得により、受講生はグローバル化、情報化、規制緩和・自由化が進展する実際のビジネスにおいて活躍の場がいっそう広がるでしょう。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1「はじめに」:企業金融とは
本講義内容の概要や、企業金融のマーケット・アクセス化が進む現代においてコーポレート・ファイナンスを学ぶ意義等を説明します。
予習:シラバスを読み、予め半年間の授業内容を理解しておきます。
復習:半年間の授業内容全体について確認します。
2「証券市場と企業金融」:企業金融の実態
企業金融において、従来の銀行を経由した資金調達・運用(=間接金融)からマーケットに直接アクセスして資金を調達・運用する直接金融への流れを概観します。
予習:配布プリントにより、企業金融の実態を理解しておきます。
復習:講義冒頭に紹介した参考文献をもとに授業の基本知識をさらに深めます。
3「企業の財務戦略(1)」:割引キャッシュフローの財務情報
限られた資金で最大の収益確保を企図する企業財務行動において、割引キャッシュフロー(DCF)から得られる重要な財務情報を学習します。
予習:配布プリントにより、 正味現在価値、財務内部収益率、投資収益比率などを理解しておきます。
復習:参考文献をもとに授業の基本知識をさらに深めます。
4「企業の財務戦略(2)」:割引キャッシュフローの計算
企業の基本的な財務諸表の一つである割引キャッシュフローをエクセルで実際に計算し、各種財務情報を求めます。
予習:前回講義で説明された割引キャッシュフローから得られる各種財務情報を再確認しておきます。
復習:配布されたデータをもとに、各種財務情報をエクセルにより自分で実際に計算してみます。
5「ファイナンス理論の展開(1)」:資産選択理論
金融資産の投資選択に対し、ビジネスリスクを標準偏差(分散)で、収益を平均値(期待値)で定義したマーコビッツ・モデルを学習します。
予習:配布プリントにより、資産選択理論を理解しておきます。
復習:配布されたデータをもとに、標準偏差(分散)や平均値をエクセルにより実際に自分で計算し、マーコビッツ・モデルを理解します。
6「ファイナンス理論の展開(2)」:CAPM
証券投資収益率の計算式である資本資産価格決定モデル(CAPM)を学び、さらに計算式中のβ値に関する意味合いを理解します。
予習:配布プリントにより、資本資産価格決定モデルやβ値の意味合いを理解しておきます。
復習:参考文献をもとに授業の基本知識をさらに深めます。
7「ファイナンス理論の展開(3)」:裁定価格理論
各証券投資収益率を求める場合、単に資本資産価格決定モデルのような単一変数(β)のみならず、他の重要なマクロ経済指標(e.g. インフレ率、実質成長率、金利、為替レートなど)を考慮して説明力を向上させる手法=裁定価格理論モデルを学びます。
予習:配布プリントにより、裁定価格理論を理解しておきます。
復習:参考文献をもとに授業の基本知識をさらに深めます。
8「リスク管理と金融派生商品(1)」:先物取引
企業にとって多様なビジネスリスクを回避し、より有利な資金調達を図ることは重要な財務戦略の一つですが、そのために将来の価格変動リスクや信用リスクなどのビジネスリスクを回避するべく考案された先物取引の仕組みを修得します。
予習:配布プリントにより、先物取引の手法を理解しておきます。
復習:参考文献をもとに授業の基本知識をさらに深めます。
9「リスク管理と金融派生商品(2)」:スワップ
続いて、互いに「金融債務」を交換してビジネスリスクを回避するスワップ取引の仕組みを学習します。
予習:配布プリントにより、スワップ取引(金利スワップ、通貨スワップ等)の手法を理解しておきます。
復習:参考文献をもとに、スワップ取引でどういうメリットが得られるかを中心に理解を深めます。
10「リスク管理と金融派生商品(3)」:オプション
スワップとならんでリスク回避の手段として活用されるオプション取引、すなわち、将来の一定期日ないしは一定期間内に予め定められた価格ないしはレートで一定数の商品、株式、債券、通貨などを売買する権利を対象とする取引(=選択権取引)を学びます。
予習:配布プリントにより、オプション取引の手法を理解しておきます。
復習:ドルプット・ドルコールの二期間モデルを具体的数値例に即して確認しておきます。
11「グローバル・ファイナンス(1)」:外国為替の仕組み
グローバル・ビジネスを展開する企業が、外国企業との商品取引で代金を決済したり、海外企業進出・外国証券投資を企てた際に資金を決済したりする仕組みを理解します。
予習:配布プリントにより、外国為替の仕組みを図解で理解しておきます。
復習:参考文献をもとに、並(順)為替と逆(取立)為替授業の違いを中心に基本知識をさらに深めます。
12「グローバル・ファイナンス(2)」:外国為替市場
日本の通貨である円と外国通貨とが売買される外国為替市場の実態を学習します。
予習:配布プリントにより、外国為替市場の現状を理解しておきます。
復習:参考文献やネット情報(動画等)をもとに授業の基本知識をさらに深めます。
13「グローバル・ファイナンス(3)」:企業財務と外国為替
ビジネスのグローバル化が進展する今日、複雑さを増したそのビジネス環境の変化に企業の財務戦略がどう対応しているかを分析します。
予習:配布プリントにより、企業財務と外国為替取引の現状を理解しておきます。
復習:参考文献をもとに授業の基本知識をさらに深めます。
14「グローバル・ファイナンス(4)」:為替リスク管理とそのヘッジ
時々刻々と変化する外国為替レートに対して、企業財務がどう為替変動リスクを管理し、どのような手法で変動リスクを最小化しているか、その基本的手法を理解します。
予習:配布プリントにより、為替リスク管理とそのヘッジの手法を理解しておきます。
復習:参考文献をもとに授業の基本知識をさらに深めます。
15「まとめ」
春学期全体の内容を確認します。
予習:配布資料やノートを見直し、疑問点の質問内容を予め整理しておきます。
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験(100点満点)
その他(議論内容、参加度、課題提出等)
評価の配分:定期試験60%、その他40%
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『毎回プリントを配布』
2.『テキストは使用せず』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『講義冒頭に参考文献リスト(40冊)を配布』
参考URL
質疑応答
研究室番号:2906(名城公園キャンパス・アガルスタワー9階)
オフィスアワー:金曜・1時限
備考
本講義の理解を深めるべく、国際金融論、金融・証券論を併せて履修することが望まれます。
画像
ファイル
更新日付2017/01/30 14:47:53