開講年度2017
科目名人間と環境Ⅰ
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年2年
担当者松原 昌樹
単位数2
曜日・時限春学期 火曜日 3時限
キャンパス名城公園キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
生命倫理と自己決定権の尊重
授業の概要
主に生命倫理を取り上げることにより、人間の生命や健康の価値を意識させ、生命を脅かすような行為に目を向けてその予防と排除について自己の見解を整理させることが狙いである。講義を進める方法としては、できる限り実際に社会で起きている具体的な事例を取り上げて、倫理的な問題点を解析し、関連する周辺の法令や指針を学べるようにしていきたい。また、ビデオ教材などを活用してわかりやすく学べるようにも工夫したい。
授業の到達
目標
人間を取り巻く環境は、最近になって、大きく変化している。なによりも生物学や医学等の発展により、人体を資源とするような研究が盛んに行われるようになってきている。この講義では、主に生命倫理の重要性を理解する。また、人格権、とりわけ自己決定権の価値などについて深く考察することができるようになる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1内部告発:公益を図る目的での内部告発を保護するための条件を考える。内部告発を行うべき人や機関とその適切な手段を調べる。
2自殺者と救命:先進国の中で突出して高い自殺率を減らし、救命につなげる手立てを考える。自殺の原因と時期および手段を調べる。
3障害者の命の値段:障害者の死亡による逸失利益が極めて低い現状を考える。逸失利益の算定基準と慰謝料の相場を調べる。
4尊厳死:末期医療における患者の自己決定権と医師の治療義務とのバランスを考える。わが国や諸外国および主な学会の指針を調べる。
5性別の基準:男性と女性の2種類しか認めない戸籍の問題点を考える。性別適合手術の方法と国による条件の違いを調べる。
6性犯罪:性犯罪者に対する制裁が刑罰のみという日本の現状を考える。性犯罪をなくすための方策や国による違いを調べる。
7生殖補助医療:生殖補助医療の種類とそれぞれの適応条件について考える。関係する医学会の指針や外国の動向について調べる。
8ストーカー:なぜ殺人にまで発展するのか、加害者の心理や行動について考える。ストーカー規制法の内容や効果について調べる。
9危険運転:危険運転と判定できるための明確な基準について考える。従来の自動車運転過失危険運転と危険運転危険運転との違いについて調べる。
10究極の選択:生か死かの選択を迫られた時にどのような行動をとるべきかについて考える。実際に起きた事件やその時に人々がとった行動について調べる。
11胎児と生命の尊厳:人工妊娠中絶の推移とその背景や胎児の生命の価値について考える。人工妊娠中絶と法や宗教との関わりについて調べる。
12美容整形:医療技術を用いながら、治療行為ではない美容整形について考える。保険診療の歯止めのない美容整形の弊害について調べる。
13盗聴:個人情報に違法に進入する盗聴とプライバシーの権利との関わりについて考える。盗聴の方法とそれを規制する法について調べる。
14残虐な刑罰:死刑が憲法の禁止する残虐な刑罰に当たるか否かについて考える。死刑という厳しい刑罰により凶悪な犯罪が抑止されているのかを調べる。
15誤判:「疑わしきは被告人の利益に」という原則が機能しているか否かについて考える。誤判事件の実例およびその原因について調べる。
    
評価方法・基
準(評価割合)
・ 毎回、小テストを行い、その結果をABCDで評価して、15回の講義終了の時点で総合評価する。
・ 出欠については、特に参考にはしないが、欠席をすると小テストの点がつかなくなる。
・ 期末試験は行わない。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『・ 教科書は使用しない:資料を配布する。』
参考書
  ・
参考資料
参考URL
質疑応答
随時質問してほしい。また、教員側からも問いかけを行う。
備考
授業中の私語を慎むこと。日頃から新聞に目を通したり、テレビのニュース番組やドキュメンタリー番組を視聴して、問題の背景やそれに対する様々な視点を理解しておくこと。
画像
ファイル
更新日付2017/01/24 11:01:20