開講年度2017
科目名教育方法論
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年2年
担当者牧野 薫
単位数2
曜日・時限春学期 火曜日 3時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
教育実践の基礎となる知見を提供するものとしての教育方法論
授業の概要
教育方法を学ぶというと、普通、学校で教師が児童・生徒に「どのように教えるか」について学ぶことと思いがちです。私たちは小学校に入学してからずっと「教育」に慣れ親しんできたため、「どのように教えるか」という問題についてもわかりきった、非常に単純なことのように考えています。しかし、実際に教室という場で自分自身が児童・生徒に教えることを思いえがくと、ことはそれほど単純ではありません。授業は、教室という同一の場を共有する教師と子どもたちとの間で成立する、複雑でダイナミックなコミュニケーションの過程です。すなわち教育方法は、教師が「どのように教えるか」ではなく、教室という現場で教師と子どもとが、ともにどのような学びを、どのようにつくっていくのかを探究するものであると言えます。この授業では、そのような教師と子どもとの間のダイナミックなコミュニケーション過程について、多面的に探究していきます。
授業の到達
目標
教育の目的・内容との密接な連関のなかにおいて教育方法を考え、論じることができる。
「教える」という営みについて、受講生自身の経験や、授業実践の事例を検討することを通して理解し、自分自身の言葉で表現することができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1はじめに:教育方法論とは
教育方法論とはどのような学であるかについての概略を学びます
復習 配付資料を再読する(15分) 授業内容を確認する(30分)
2教育の目的・内容と方法
教育方法と教育目的・内容との関連について学びます
復習 授業内容を振り返り、教育の方法・内容・目的について理解を深める(60分)
3「教える」ことのむずかしさ
「教える」という行為のもつむずかしさについて、自分自身の経験をふりかえって考えます
復習 授業内容を振り返り、「教える」という行為のむずかしさについて考えをまとめる(60分)
4「教える」という行為を規定するもの
前回の内容に基づき、教え手が「教える」ことと学び手が「学ぶ」こととを対比し、「教える」という行為を規定するものについて学びます
復習 授業内容を振り返り、「教える」という行為を規定する要因についての理解を深める(60分)
5実践事例における「ずれ」の検討
教え手と学び手との間にある「ずれ」のもつ働きを、実践事例の検討を通して学びます
復習 授業内容を振り返り、「ずれ」の働きについて理解を深める(60分)
6「ずれ」の教育的意義
「ずれ」の教育的意義について、文献資料に基づいて学びます
復習 授業で配付された資料を再読する(30分) 「ずれ」の教育的意義について理解を深める(60分)
7教える」という行為の意味(1)
「教える」という行為がもつ意味について、ソクラテス、コメニウスらの教育思想をふまえて学びます
復習 授業内容を振り返り、ソクラテスらの教育思想についての理解を深める(60分)
8「教える」という行為の意味(2):実践事例の検討を通して
前回の内容をふまえ、大村はまの実践事例の検討を通して、「教える」という行為のもつ意味について具体的に考察します
復習 授業内容を振り返り、大村はまの指導について理解を深める(60分)
9「教える」という行為の意味(3):大村はま「内面に育つもの」
大村はまが指導の目あてとした「(子どもの)内面に育つもの」について考察し、「教える」という行為が子どもの発達にどうかかわるのか考えます
復習 授業内容を振り返り、「教える」という行為の意味について理解を深める(60分)
10大村はま「教えるということ」(1):「言論自由の職員室の空気」
テキストに基づき、「教える」という行為を支える学校文化について考えます
予習 テキストを第1章を中心に読んでおく(30分)
復習 テキストを読み返し、学校文化と「教える」という営みとのかかわりについて理解を深める(60分)
11大村はま「教えるということ」(2):「教えない教師」
テキストに基づき、大村はまが批判する「教えない教師」とはどのような教師であるかについて考えます
予習 テキストを第1章を中心に読んでおく(30分)
復習 テキストを読み返し、「教えない」が意味するものについて理解を深める(60分)
12大村はま「教えるということ」(3):教師のアイデンティティ
テキストに基づき、教師としてのアイデンティティとは何かについて学びます
予習 テキストを読んでおく(30分)
復習 テキストを読み返し、教師のアイデンティティについて理解を深める(60分)
13大村はま「教えるということ」(4):教育の射程
テキストに基づき、教育が長期的展望のもとで人を育てることであることを学びます
予習 テキストを読んでおく(30分)
復習 テキストを読み返し、教育という営みの本質について理解を深める(60分)
14熟練教師と初任教師
熟練教師と初任教師の思考過程の特徴について学びます
復習 配布資料を読み返し、熟練教師と初任教師の思考過程の特徴についてまとめる(90分)
15授業のまとめ
授業の全体をふりかえります
復習 15回の授業の全体を見直す(60分)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
評価方法:定期試験(100%)
評価基準:試験は論述形式
授業内容をしっかりと把握したうえで、設問に明確に答える文章であること
論旨の通った文章であること
字数も評価に加えます
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『新編 教えるということ』大村はまちくま学芸文庫4-480-08287-5
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『新編 教室を生き生きと1』大村はまちくま学芸文庫4-480-08146-1
2.『新編 教室を生き生きと2』大村はまちくま学芸文庫4-480-08147-X
3.『教育の方法』佐藤学左右社978-4-903500-34-8
参考URL
質疑応答
授業日の昼休みに、2号館2階講師控室にて対応します。
備考
授業では出席をとります。2/3以上の出席がない場合は失格となるので注意してください。公欠は出席扱いしません。
画像
ファイル
更新日付2017/02/05 17:59:53