開講年度2017
科目名マスメディア論
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年2年
担当者加藤 晴明
単位数2
曜日・時限春学期 月曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
地方からの学ぶマスメディア
授業の概要
①マスメディア論を、東京に集積するマスメディアから考えるのではなく、逆に、徹底的にローカルのまなざしから学びます。具体的な事例として、独自の歴史と文化と多様なメディアをもつ奄美群島に焦点を当ててマスメディアを学びます。
③単なる奄美の話ではなく、ローカルメディア(地域メディア)を通じて、逆にマスメディア一般に広がる講義を展開するので、マスメディアと地域メディアの両方を学べることになります。
④地域創生、地域政策、地域活性化、観光イメージ、ローカルアイデンティティなど、地域について関心のある受講生にとって役に立つ授業内容となっています。
授業の到達
目標
①知識:マスメディアの基本特性について知識を深める。。
②知識:東京と地方のマスメディアの違や関係について知識を増やす。
③理解:生活に密着した地域のメディアが、地域の中で果たす役割について理解を深める。
④思考:メディアが地域活性化にいかに役立つかを考えることができるようになる。
⑤判断:社会の情報イメージが、メディアによった作られたことを学ぶことで、メディア情報への判断力をもつことができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1問題提起:〈地域と文化とメディア〉を連環させてマスメディアを学ぶことの意味
※なぜ、東京ではなく、ローカル(講義では奄美)からマスメディアを学ぶのか、その意義を説明する。
予習:教科書の「はじめに」をよく読むこと。(120分)
復習:講義のノートをベースに、「はじめに」を再度読んで補完的な書き込みをしてノートを完成させること。(120分)
2日本・東京のマスメディアと地方のマスメディア
※日本のマスメディアの構造について概説します。
また、地方のメディアの種類・意義について説明します。
予習:日本のマスメディアについて、本やインターンを使って、どんな会社があるのか調べておくこと。(120分)
復習:受講ノートや配布された資料を再確認し、要点をまとめておくこと。(120分)
3メディアの生成:奄美から学ぶメディアの生成
※奄美の歴史と、戦前から戦後のメディアの歴史について説明します。メディアが地域社会の中で生まれるということの意義を提起します。
予習:教科書1章「歴史印刷メディア編」の1節をよく読むこと。(120分)復習:1章1節を再度読んで補完的な書き込みをしてノートを完成させること。(120分)
4新聞メディア:奄美から学ぶ新聞というメディア
※島の新聞を通じて、新聞の報道や紙面について学びます。沖縄の新聞や奄美の新聞の紙面分析を通じて、名古屋の新聞と比較します。
予習:教科書1章2節「奄美の新聞メディア」をよく読むこと。(120分)
復習:講義のノートをベースに、1章2節章再度読んで補完的な書き込みをしてノートを完成させること。(120分)
5印刷・出版メディア:奄美から学ぶ印刷メディア
※島の印刷・出版メディアの構造を通じて、誰が・だのように、何のためにメディア事業を営んでいるのかなど、メディアと社会の関係を学びます。
予習:教科書1章3節、4節をよく読むこと。(120分)
復習:講義のノートをベースに、1章3節を再度読んで補完的な書き込みをしてノートを完成させること。(120分)
6印刷・出版メディア:紙媒体がつくる地域イメージ
※実際のフリーペーパーやタウン誌の誌面の記号分析をやってもらいます。
※記号分析を通じて、メディアリテラシー(メディアを読み解く力)を養う。
予習:身近なフリーペーパーやWeb版を見て内容の構成を考察しておくこと。(120分)
復習:講義中の記号分析を使って、身近なフリーペーパーを対象に、地域イメージの分析を試みてみること。(120分)
7テレビメディア:東京のメディアのニュース構造
※地方のマスメディアと比較するために、東京発のマスメディアのニュース番組の構造を説明する。
実際に番組を分析してみる。
予習:ニュース番組を見ながら、そのストーリー展開をノートに書いて、構造を考えてみること。(120分)
復習:配布された資料を復習し、授業での課題分析を自分で再評価してみること。(120分)
8テレビメディア:奄美から学ぶテレビ
※奄美のケーブルテレビの概要や番組構造、地域での役割を説明する。また実際に番組を視聴し、分析してみる。東京のマスメディアとの比較を試みる。
予習:教科書2章1節、2節、3節をよく読むこと。(120分)
復習:予習と同じ部分を読んで、受講ノートを補完しておくこと。(120分)
9ビジュアルメディア:写真・映像がつくる地域イメージ
※奄美の写真・映像事業とそれが果たしてきた役割について説明する。写真・映像がつくりだす地域イメージを実際に分析・解読してみる。
予習:教科書2章4節をよく読むこと。(120分)
復習:予習と同じ部分を読んで、受講ノートを補完しておくこと。(120分)
10NHKが描く地方:奄美番組から
※マスメディアの描き造形する地方イメージ=情報的リアリティ=擬似イベントを説明します。同時に、メディア・リテラシー教育の一貫として、その記号分析を試みてもらいます。
予習:教科書3章1節「島外メディアとしてのNHK」と2節「NHKの紀行番組と奄美映画」をよく読むこと。(120分)
復習:予習と同じ部分を読んで、受講ノートを補完しておくこと。(120分)
11音楽メディア:奄美から学ぶ音楽メディア
※奄美は歌が盛んな島です。産業としての成立しています。伝統芸能からポピュラー音楽までの地場の音楽メディアについて解説します。
予習:教科書5章「音楽メディア・ネット編」1節と2節をよく読むこと。(120分)
復習:予習と同じ部分を読んで、受講ノートを補完しておくこと。(120分)
12ラジオ:災害とラジオメディア
※いま一番注目を集めているメディアにコミュニティFM放送があります。ラジオとは何か。コミュニティFMとは何か。その役割とは何かを説明します。
予習:前の授業時の説明を参考に、東日本大震災臨時災害ラジオのWebを検索しラジオを聴いてみること。(120分)
復習:配布された資料を再読してノートを補完すること。(120分)
13ラジオ:奄美から学ぶラジオメディア
※奄美にはローカルなラジオ局が4局ある。ラジオがなかった島にラジオができて、何が変わったのか。そうした変化を通じて、ラジオの特性とは何かを説明します。
予習:教科書4章「ラジオ編」、1節「あまみエフエムミッション」、2節「あまみエフエム個性」をよく読むこと。(120分)
復習:予習と同じ部分をよく読んで、ノート補完しておくこと。(120分)
14ネットメディア:奄美から学ぶネットメディア
※ネット時代に入り、紙媒体のウェブ展開が急速に進んでいる。地域ブログやウェブによる島からの情報発信について説明する。
予習:教科書5章4節「インターネット時代のウェブ事業」をよく読むこと。(120分)
復習:予習と同じ部分を読んで、受講ノートを補完しておくこと。(120分)
15講義のまとめと生成・発展の地域メディア学の提起
※従来のマスメディア論を拡張する、地域のメディア学の可能性を論じる。
予習:教科書6章「奄美から始めるメディア学」、終章「地域と文化のメディア学」をよく読むこと。(120分)
復習:予習と同じ部分を読んで、受講ノートを補完しておくこと。(120分)
    
16定期試験を実施する。
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験(50パーセント)、講義中のミニ課題(30パーセント)、平常点(20パーセント)
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『奄美文化の近現代史』加藤晴明・寺岡伸悟南方新社3090円
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『幻影の時代』ブーアスティン東京創元社19004-488-00669-8
参考URL
1.加藤晴明の講義ブログ講義の記録です。
質疑応答
講義終了後か、メールあるいはLINEで。
備考
ある地域に徹底的にこだわることで、逆にマスメディアの特性も見えてきます。メディアは、ある社会との関数でもあるからです。地域とメディアと文化に関心のある学生の受講を期待します。
画像
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更新日付2017/02/24 15:19:16