開講年度2017
科目名健康統計学
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年2年
担当者大澤 功
単位数2
曜日・時限春学期 金曜日 1時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
健康を科学的に評価するための基礎を学ぶ
授業の概要
 健康状態を客観的に評価するためには数値化は避けられない.したがって数値を処理する統計学の知識と技術は,保健体育教師,養護教諭,健康運動指導士,言語聴覚士,ヘルスケアトレーナー等,健康関連分野の専門職には欠かせないものである.しかし従来の統計学講義では,数式や計算が主体となりやすく,そこに至るまでのプロセスや結果の解釈についてはあまり重視されてこなかった傾向にある.多様な人間を対象とした健康関連分野においては,不確定要素があまりにも大きいので,結果としての数値だけでなくプロセスや解釈にも目を向けなければならない.
 そこで本講義では,健康情報を「つくる側」と「つかう側」の両方の視点より,できるだけ多くの保健統計例を紹介し,現場で有用な基本的統計処理能力とその利用方法を習得する.
授業の到達
目標
・統計解析の必要性とその基本的事項(P値,危険率,タイプ1エラー,タイプ2エラー)について説明できる.
・偶然誤差(chance),バイアス(bias)について,具体的な例を挙げて説明することができる.
・リスクを評価する研究デザイン(コホート研究,症例対照研究)について説明できる.
・介入研究と,観察研究(コホート研究や症例対照研究等)の違いを説明できる.
・無作為割付けについて説明できる.
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1情報の妥当性と信頼性:健康情報のエビデンス【予習】シラバスを読み健康情報の妥当性について考える.(10)
【復習】授業を振り返り,健康情報の必要性,妥当性,信頼性を考える.(20)
2リスクの評価:有病と罹患,相対危険とオッズ比【予習】疾病のリスクの評価について考える.(10)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
3コホート研究【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
4症例対照研究【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
5データの数値化:母集団と標本集団,代表値,平均値,標準偏差,分布【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
6統計学的推計#1:標準誤差,信頼区間,平均値の比較【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
7統計学的推計#2:比率の比較,仮説検定と区間推定【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
8前半のまとめ<中間試験>【予習】前半部分を振り返り試験勉強をする.(150)
【復習】試験の内容について配布資料で確認する.(30)
9研究デザイン:バイアスと偶然,年齢調整死亡率【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
10介入研究#1:ランダム化比較試験(RCT),非ランダム化比較試験【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
11介入研究#2:RCTの利点と欠点,生存曲線【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
12検査の評価:感度と特異度,ベイズの定理【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
13相関と回帰,多変量解析【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
14医療の経済的評価【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
15まとめ:健康情報をつくる,つかう【予習】前回の授業内容について確認する.(20)
【復習】授業中の課題の内容について配布資料で確認し理解を深める.(30)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
 中間試験結果(45%),学期末試験結果(55%)を基準として,授業への参加状況(課題提出,遅刻,早退,私語,居眠り等)等を加えて総合的に評価する.
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『必要な資料は授業中に配布』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『EBMのための臨床疫学(増補版)』縣俊彦,大澤功他著中外医学社3,800円(税別)978-4498009851
2.『基礎から学ぶ楽しい疫学(第3版)』中村好一医学書院3,000円(税別)978-4260016698
参考URL
質疑応答
 授業前後に教室で,およびオフィスアワー時に研究室(14601)で対応します.オフィスアワー以外でも事前に連絡をもらえば可能な限り応じます.オフィスアワーを含めて,会議等でしばしば研究室を不在とするので,メール(ohsawa@dpc.agu.ac.jp)で事前にアポをとってほしい.
備考
毎回授業では課題提出がある.
授業は前回の授業内容を理解していることを前提として進める.
授業内容は実際の習得度に応じて変更がある.
画像
ファイル
更新日付2017/02/10 11:09:53