開講年度2017
科目名日本語の表現Ⅰ
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年2年
担当者石黒 由香里
単位数2
曜日・時限春学期 金曜日 3時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
文学作品の表現分析
授業の概要
 「日本語学Ⅰ・Ⅱ」などで学んだことをもとに、「文章」という単位のテクストを用いながら、日本語の表現の特質について理解し、分析する力を養い、日本語研究・文学研究をすすめるために必要な能力を身につけます。
 具体的には、みなさんが小学校・中学校・高校の国語の教科書で目にしたことのある短編物語・短編小説などをテクストとして、そこに描かれているさまざまなことがらについて、「表現の分析」を試みていきます。〈読解〉=〈主題の追求〉のような高校までの読みではなく、〈授業の内容・計画〉に掲げたような観点からテクストを「分析する」ことを通して、日本語の表現の多様性に目を向け、これまでとは異なる文学作品の楽しみ方に気づいてください。
授業の到達
目標
1 文学作品の分析を通して日本語の表現の様々な特質について理解し、具体例を示しながら説明できる。
2 短編物語・短編小説を分析する際に活用できるいくつかの〈観点=ものさし〉を理解し、それに従ったテクストの分析ができる。
3 グループでの意見交流において、他者の意見をふまえながら、自身の考えを他者にわかりやすく説明できる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1表現から読むとは
 表現分析の概要
【予習】小・中・高における小説の読みの授業をふりかえり、そこで身についたと思う「力」を10以上、箇条書きで記す(30)
【復習】「文芸研(文芸教育研究協議会)」の文学用語について調べる(60)
2話者と視点(1)
 文学作品における、話者(語り手)と視点について
【予習】〈分析資料2・3〉を熟読し、語り手は誰かを考える(30)
【復習】語りの口調について、分析資料から読み取れることをまとめる(20)
【課題】分析対象とする短編小説を、3作品探す(180)
3話者と視点(2)
 一人称視点・三人称視点の特徴と表現効果について
【予習】〈分析資料4~6〉を熟読し、語り手は誰であるのかを考える(30)
【復習】「羅生門」「蜜柑」の登場人物について読み取れることをまとめる(20)
4話者と視点(3)
 視点の移動の表現効果について
【予習】〈分析資料4~6〉から、視点の移動が見られる箇所を探す(30)
【復習】〈分析資料1〉の語り手と視点人物との距離について確認する(20)
5話者と視点(4)
 二人称作品の表現効果について
【予習】〈分析資料7・8〉を熟読し、作品から受ける印象をまとめる(30)
【復習】二人称小説を読んで、表現効果を確認する(20)
6話者と視点(5) 
 古典作品の語り手について
【予習】〈分析資料9〉を読み、わからない箇所は古語辞典などで調べる(60)
【復習課題】分析対象作品の視点について、考察をまとめる(90)
7人物の呼称(1)
 呼称にみる語り手の意識について
【予習】〈分析資料10〉を熟読し、人物の呼称を確認する。(30)
【復習】〈分析資料7〉の呼称にこめられた語り手の意識を確認する(20)
8人物の呼称(2)
 呼称の変化にみる、登場人物の変化について
【予習】〈分析資料11〉を熟読し、主人公の呼称を抜き出し、分類する(30)
【復習課題】分析対象作品の人物呼称について、考察をまとめる(90)
9主役と対役
 登場人物の設定について
【予習】すべての〈分析資料〉の主人公を確認する(30)
【復習課題】分析対象作品の主役・対役について、考察をまとめる(90)
10作品の構成
 クライマックスと全体の構造について
【予習】指定する〈分析資料〉の、クライマックスを確認する(30)
【復習課題】分析対象作品の文章構造について、考察をまとめる(90)
11オノマトペ
 オノマトペの普遍性と独創性について
【予習】〈分析資料12〉を熟読し、オノマトペを抜き出して分類する(30)
【復習課題】分析対象作品からオノマトペを抜き出し、表現効果を考える(60)
12色彩語
 色彩語の暗示効果について
【予習】〈分析資料13〉を熟読し、色彩語を抜き出す(30)
【復習課題】分析対象作品から色彩語を抜き出し、表現効果を考える(60)
13象徴
 象徴表現が作品にもたらすものについて
【予習】〈分析資料13〉を熟読し、象徴表現を抜き出す(30)
【復習課題】分析対象作品から象徴語を抜き出し、表現効果を考える(60)
14まとめ(1)
  課題作品分析のグループ意見交流
【予習】分析対象作品の分析をまとめる(90)
【復習】グループの意見交流から考えたことをまとめる(30)
15まとめ(2)
  グループ分析の全体での意見交流
【予習】グループでの意見交流の内容を3分で説明できるよう準備する(30)
【課題】指定作品を分析し、レポートをまとめる(360)
    
評価方法・基
準(評価割合)
1 授業中に提出を求めるミニレポート 20%
  ・授業の内容が理解できているか。
2 各自が選んだ作品の分析 30%
  ・授業の内容が理解できているか。
  ・意見交流により、考えを深めることができたか。
3 レポート「文学作品の表現分析」 50%
  ・授業で学んだ分析の観点に従って、作品を分析できているか。
  ・自身の意見を、わかりやすく表現できているか。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『授業中に配付』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『ケーススタディ 日本語の表現』多門靖容他編おうふう1,800円+税978-4273033934
2.『よくわかる文章表現の技術 Ⅴ』石黒圭明治書院1,900円+税978-4625704048
参考URL
質疑応答
金曜日の2限および昼休みに、3号館3階・文学部事務室(講師控え室)にて対応します。
備考
毎講ハンドアウトを配付します。また、分析の対象とするテクストは【分析資料】として随時配付します。相当な枚数になりますが、整理して毎講持参して下さい。


欠席が3分の1を越えた場合は、単位を認めません。また、授業中の私語は厳禁です。

作品の分析などについて、グループで意見交流したり、全体に向けて発言を求めたりします。その際は積極的に参加してください。

連絡の際は、下記アドレスまで。
「件名」に学籍番号と氏名を必ず書いてください。
kogotaro@yahoo.co.jp
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更新日付2017/02/20 02:33:27