開講年度2017
科目名東洋史特殊研究B-Ⅰ
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年4年
担当者服部 隆行
単位数2
曜日・時限春学期 火曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
近現代の東アジアからみたアメリカ観、ソ連〈ロシア〉観の変遷と中国共産党
授業の概要
本講義では、19世紀後半以降の東アジア(中国・台湾・日本・朝鮮半島など)の近現代史について、その基本知識を確認しながら、近現代史における東アジア諸国とアメリカ・ソ連との関係がどのように形成されていったのかについて重点的に考察し、こうした東アジアと欧米諸国との関係が、第2次大戦期までの東アジアにおける国際環境や安全保障環境にどのような影響を及ぼしたかについても検討する。具体的には、東アジアの近現代史において最も大きな国際環境の変化に対応しなければならなかった中国が、国内の革命期や内戦、対外戦争となった日清戦争や日中戦争などの激動の歴史を経て、第2次大戦後には、「大国」としての役割を要求されるようになった背景を検討する。こうした中国の近現代史を詳細に追うことを通じて、東アジアの国際環境や安全保障環境の変化を考察する。
授業の到達
目標
まず高校時代、世界史を選択しなかった、または選択していても近現代史まで授業が進まずあまり予備知識がないという学生諸君、あるいは考古学、古代史、イスラム圏史や西洋史などを専攻する学生諸君でも、基本的な歴史の流れや用語の習得ができるるようになることを第一目標とする。次いで東アジア諸国とアメリカ、ソ連など欧米の国々とが、近現代史において、どのような関係を有していくのかを、理解・習得することを通じて、アジア・太平洋にまたがる国際関係史についての素養を身につける。こうした学習を通じて、教職志望や教員採用試験を受験する学生諸君においては、教育実習や採用試験の基礎的な学力を身につけることとなり、また卒業論文を作成する学生諸君には、近現代史の幅広い認識を持つことから、有意な論文の作成に寄与することになる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1オリエンテーション/概要【復習】配布した年表、地図等を見て、東アジアの近現代史のおおよその時代の推移を掴んでおく。120分。
2東アジアの近現代史についての基本事項の確認①(東アジアの近代と明治維新)【復習】配布したレジュメを読み、中国・朝鮮・日本の近代の始まりの詳細をまとめておく。120分。
3東アジアの近現代史についての基本事項の確認②(日清・日露戦争と東アジア情勢の変動)【復習】配布したレジュメを読み、日清・日露戦争が東アジアの安全保障環境にどのような影響を与えたかの詳細をまとめ、確認する。120分。
4東アジアの近現代史についての基本事項の確認③(第1次大戦と東アジアの国際関係)【復習】配布したレジュメを読み、第1次世界大戦が東アジアの国際関係にどのような影響を与えたかの詳細をまとめ、確認する。120分。
5近現代史に関する映像資料を見る①【復習】映像資料に関連するペーパーを読み、東アジアにおける歴史的課題を掴んでおく。120分。
6米中関係からみた東アジア近現代史①(米中関係の形成と東アジア)【復習】配布したレジュメを読み、特に米国と清との関係がどのように形成されたかの詳細についてまとめておく。120分。
7米中関係からみた東アジア近現代史②(米中の相互認識とアメリカの「門戸開放」政策の影響)【復習】配布したレジュメを読み、米国の「門戸開放」政策が中国に与えた影響について、まとめ、確認しておく。120分。
8米中関係からみた東アジア近現代史③(第2世界大戦と「大国」としての中国像)【復習】配布したレジュメを読み、満洲事変から、アジア・太平洋戦争に至る過程が、米中関係にどのような影響を与えたかの詳細をまとめ、確認しておく。120分。
9中国・ロシア関係からみた東アジア近現代史①(中露関係の形成と東アジア)【復習】配布したレジュメを読み、国際法の観点から、国境線の画定・通商関係の樹立が必要となった点についてまとめ、中露両国関係の始まりを確認しておく。120分。
10中国・ソ連関係からみた東アジア近現代史②(ロシア革命と中国への影響)【復習】配布したレジュメを読み、ロシア革命が中国にどのような影響を与え、中国国内の動態に変化を与えたかをまとめ、確認しておく。120分。
11中国・ソ連関係からみた東アジア近現代史③(毛沢東とソ連)【復習】配布したレジュメをを読み、中国共産党及び、毛沢東がソ連との関係をどのように構築したかをまとめ、確認しておく。120分。
12近現代史に関する映像資料を見る②【復習】映像資料に関連するペーパーを読み、東アジアにおける歴史的課題を掴んでおく。120分。
13中国共産党と東アジアの近現代史(1)【復習】共産主義や中国共産党が使用する独特の用語・制度などを確認しつつ、期末のレポート作成のための基本的な準備を行う。180分。
14中国共産党と東アジアの近現代史(2)【復習】中国共産党が「正史」としてきた東アジアの近現代史を確認し、問題点・課題などを掴みつつ、期末のレポート作成のための準備を行う。180分
15東アジアの近現代史から見た国際環境と安全保障空間の変遷【復習】これまで配布したレジュメや各自がまとめたものを参照しつつ、国際環境や安全保障の観点から、期末のレポートに各自の意見が反映できるように努める。180分。
    
16レポート試験。
評価方法・基
準(評価割合)
期末のレポート提出で評価する(75%)。授業への参加態度も重視する(25%)。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『各単元の最初に配布するプリントをテキストとして使用する。』
2.『高校時代に使用していた世界史・日本史の教科書や資料集』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『増補:米中関係のイメージ』入江昭平凡社ライブラリーやや高度だが、一読の価値がある
2.『必読書は授業中に適宜紹介する。』
参考URL
質疑応答
春学期開講期間の毎週火曜日3限。教職志望者の教育実習や授業プリントなどの作成の仕方。卒業論文作成に向けた資料の収集方法など相談に応じます。ただし事前に予約をして下さい。
備考
本講義の内容は、歴史の連続性上、春学期のみならず、秋学期の講義内容にも関係してくるので、通年での履修を望みます。
画像
ファイル
更新日付2017/02/16 14:43:28