開講年度2017
科目名日本の仏教Ⅰ
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年2年
担当者星野 和幸
単位数2
曜日・時限春学期 木曜日 4時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
芸能・音楽的側面から見た寺院の法会
授業の概要
 我々が直に接することのできる仏教の形態に、寺院の行事である法会がある。しかし、法会は仏教の教義よりも、むしろ様々な習俗を背景に芸能や音楽的な要素を多く含むことから、民俗や芸能・音楽の分野で扱われることが多い。本講義では、芸能や音楽的側面から、日本の仏教寺院で行われる主要な法会と、それに関わる僧侶の唱えごとやそこで演じられる芸能を概観する。日本の仏教に分け入る糸口としては、このような体験的な仏教にアプローチすることも有用である。
授業の到達
目標
 各宗派・祖師の略歴を踏まえ、その主要寺院の法会や、そこで奉納される芸能の概要を述べることができる。また、それは、寺院の行事を通して、日本の仏教に関わる歴史のみならず、その文化面にも関連づけることができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1「ガイダンス」
○本科目の概要と、これから取り上げる分野について確認します
・仏教芸能・音楽という分野について
・法会について
【予習】シラバスによって、本授業内容を把握する(20)
【復習】授業全体の確認(30)
2「南都寺院の法会」
〇仏教の伝来と、初期の法会について学びます。
・東大寺の《修二会》(「お水取り」)
・悔過会(けかえ)
【予習】東大寺の「お水取り」について確認する(30)
【復習】仏教の伝来と初期の法会の例として「悔過会」について確認(90)
3「雅楽と法会」
〇仏教と雅楽の関わりについて学びます
・四天王寺の《聖霊会》
・舞楽四箇法要
【予習】聖徳太子と仏教の関わりについて確認する(60)
【復習】法会における雅楽について確認(60)
4「天台宗の法会」
〇天台宗とその声明について学びます
・四箇法要の声明など
【予習】最澄と天台宗について確認する(60)
【復習】天台声明の沿革と、四箇法要について確認(60)
5「真言宗の法会」
〇真言宗とその声明について学びます
・理趣三昧など
【予習】空海と真言宗について確認する(60)
【復習】真言声明の沿革と理趣三昧について確認(60)
6「講式とその他」
〇その他の語るような声明について学びます
・《常楽会》の講式
・講式と論議会
【予習】明恵について確認する(30)
【復習】講式と論義会について確認(90)
7「修験道の法会」
〇修験道とその声明について学びます
・恵印法要
【予習】役小角と修験道について確認する(60)
【復習】修験道と恵印法要について確認(60)
8「浄土教にかかわる法会」
〇浄土教と芸能のかかわりについて学びます
・当麻寺《聖衆来迎練供養会式》
【予習】源信と末法思想について確認する(60)
【復習】浄土教と練供養について確認(60)
9「浄土宗の法会」
〇浄土宗とその声明について学びます
・知恩院《御忌会》
・念仏
【予習】法然と浄土宗について確認する(60)
【復習】念仏について確認(60)
10「踊躍念仏」
〇法会で行われる踊り念仏について学びます
・《一向上人開山忌》、《薄念仏会》
・一遍と一向の踊り念仏
【予習】時宗と一遍について確認する(60)
【復習】踊り念仏について確認(60)
11「念仏芸能」
〇念仏狂言について学びます
・嵯峨大念仏狂言
・良忍と融通念仏
【予習】良忍と融通念仏宗について確認する(30)
【復習】道御(円覚上人)と念仏狂言について確認(60)
12「浄土真宗の法会」
〇浄土真宗とその声明について学びます
・《報恩講》
・坂東曲(ばんどうぶし)
【予習】親鸞と浄土真宗について確認する(60)
【復習】《報恩講》と坂東曲について確認(60)
13「禅宗の法会①」
〇禅宗とその声明について学びます
・臨済宗の《開山忌》
・黄檗宗の読経
【予習】栄西と臨済宗について確認する(60)
【復習】禅の伝来と臨済宗の読経について確認(60)
14「禅宗の法会②」
〇曹洞宗と葬式仏教、僧堂の鳴らし物について学びます
・葬式仏教の隆盛
・楽器としての鳴らし物
【予習】道元と曹洞宗について確認する(60)
【復習】葬式仏教と僧堂の鳴らし物について確認(60)
15「まとめ」
〇これまでの授業内容の復習をします
【予習】これまでの内容を確認する(120)
【復習】レポートの準備(60)
    
16レポート試験
評価方法・基
準(評価割合)
 レポート試験による評価(100%)。その他、受講態度に問題のある場合(欠席・遅刻が多い、講義中の勝手な退室、私語やメールなど講義に関係のない行為を行っている)、試験の成績にかかわらず減点、もしくは不合格になることがある(最大40%)。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『毎回、プリントを配布する』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『体現芸術として見た寺事の構造』横道萬里雄岩波書店12000円+税4000240188
2.『日本仏教の儀礼―その形と心―』藤井正雄 編著桜楓社2500円+税13158311730723
3.『日本仏教史辞典』今泉淑夫 編吉川弘文館20000円+税9784642013345
4.『声明辞典』横道萬里雄 片岡義道 監修法蔵館5000円+税9784831865229
参考URL
質疑応答
 随時受け付ける。
備考
 各分野の細かな参考文献は、随時紹介する。講義中、可能な限り、視聴覚資料を用いて実例に触れる。予習は、キーワードから図書館などにある辞(事)典類を活用すると良い。また、法会やそのリアルタイムの情報は、その寺院や宗派の公式HPを見るのも有用。興味があれば、その寺院に出かけてみると良い。
 その他、各自の興味に合わせて、自由に調べることも実践してもらいたい。調べる過程で、思いがけない発見もあるので、さらに充実した学習成果につながる。
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更新日付2017/02/13 15:25:23