開講年度2017
科目名産業と科学Ⅰ/総合科目Ⅵ-Ⅰ
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年2年
担当者城 貞晴
単位数2
曜日・時限春学期 火曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
ナノスケールで見た表面の世界 
授業の概要
モノの表面を原子スケールでのぞいてみると、そこにはとても豊かな世界が広がっています。表面の初歩的な話題から産業応用にいたるまで解説していきます。
授業の到達
目標
「モノの表面しか見ない」などと言うと、決して良い意味に聞こえないでしょう。物事の本質を深く考えないという意味です。なぜそんな表現が定着したか考えてみると、そこには「内部はわかりにくいが表面は簡単に知ることができる」という固定観念や常識が隠れているように思われます。しかし、モノの表面を真剣に見てみると、実に豊かな世界が広がっています。表面は、モノの内部と外部とのインターフェイスにあたり、そのモノの性質を決める大切な役割を担っているのです。さらにナノスケールの素材が必要となった現在の産業界では、表面がそのモノの性質を支配するため表面をよく知らなければ新素材の開発すら出来なくなってきています。表面科学はまだ若い学問分野で未知の領域が多く残されていて、また、産業界からの期待がとても高いのです。本講義では、そんな表面科学の初歩的な話題からナノスケール技術に至るまでを概観したいと思います。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1表面を見ることは内部を見ることよりも簡単か?

## 表面は、非常に環境に敏感で扱いが難しいのです。そこに挑もうとする意思などを説明します。
まずは、表面と聞いてピンとこない状態から抜け出しましょう。
2表面が大切な理由

## 現代はナノテクノロジー全盛の時代です。スケールが小さくなるほど表面の占める割合が増加します。表面への理解を克服しなければ次世代産業は成り立ちません。
モノづくりと表面科学の密接な関係について理解しましょう。
3真空をつくる技術:歴史

## 地上に真空をつくることの難しさを説明します。表面への理解は真空技術の発達に支えられて達成されつつあります。
真空をつくってきた歴史を知りましょう。
4真空をつくる技術:技術

## 真空をつくる方法にはどんなものがあるのでしょう。どのくらいの時間がかかるのでしょう。どんな装置なのでしょう。そんな素朴な疑問に答えます。
真空をつくる技術について復習しましょう。そのアプローチは案外素朴なものですが、必ず「工夫」「アイデア」が潜んでいます。それを感じてください。
5表面科学とナノテクノロジーの密接な関係

## 表面科学とナノテクノロジーの密接な関係について説明します。
ノートの復習をしてください。
6本当に何もひっついていない表面を作る技術

## 「清浄表面」を得る方法とその評価方法を説明します。
清浄表面とは何か、そこで何が起きるのかを知りましょう。
7本当に何もひっついていない表面で起こること

## 「清浄表面」では、意外で、不思議なことが起こります。実例を通して説明します。
清浄表面とは何か、そこで何が起きるのかを知りましょう。
8表面超薄膜をつくる

## 原子1層分の厚みしかない薄膜を作るという究極の世界を紹介します。
原子1個が意外に身近なものであることを知りましょう。
9表面を見るための方法:顕微鏡技術の進歩

## 「見えないものを見たい、原子を見たい」人間の要求を満たしながら技術は進歩しています。技術の進歩を辿ると、人間の思いが見えてきます。
顕微鏡開発の歴史を知りましょう。「工夫」「アイデア」で「出来ないことを出来ることにかえてきた歴史」であることを知りましょう。皆さん自身と重ねてみると勇気が湧くはずです。
10表面を見るための方法:日本の表面研究者たち

## 日本には世界的に活躍する表面研究者が数多くいます。この話を聞くと、日本を誇りに思えることでしょう。
日本の表面技術の高さを支える人物たちを紹介します。
11表面を見るための方法:最も軽い元素を見ることを追求することとその意義

## 宇宙で最も軽い元素は水素です。この水素を見るための顕微鏡開発は今なお進行中。しかし、90年代既にこの夢を達成した顕微鏡があります。そのアイデア、技術など紹介します。
水素を見る意義を理解します。見えないものを見るための「工夫」「アイデア」を読み取ってください。
12表面を分析する技術あれこれ

## 表面分析技術は「工夫」「アイデア」の宝庫です。「出来ないからあきらめる」ではなく「出来ないのなら自分で克服する」の精神を見習おう。
表面に限らず、いかなる分野でも大切なものは「工夫」「アイデア」であることがわかってくるはずです。出来ないからあきらめるのではなく、工夫とアイデアで乗り越えるということを知ってほしい。
13「表面で起こること」から「表面コントロール」へ

## 自然の意思を積極的に活用する技術の開発が盛んです。発想の面白さを学びましょう。
自然に逆らわず、自然を積極的に利用する技術開発が盛んです。様々なアプローチ法を知りましょう。
14「表面で起こること」を積極的に使う表面コントロール法

## 前回の内容の理解を深めます。
自然に逆らわず、自然を積極的に利用する技術開発が盛んです。様々なアプローチ法を知りましょう。
15社会に貢献する表面科学

## 表面科学の成果が応用されている、様々な事例を紹介します。身近なものが非常に多いのです。
表面科学が如何に身の回りに貢献しているか、振り返りましょう。
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
参加姿勢30点, レポート・小テスト30点、定期試験40点の合計100点満点で評価する。
但し、真剣さが認められない等の場合(教員の指示に従わない、私語、居眠り、無断教室出入、遅刻、飲食など)には上記配点を超えた大幅減点の対象である。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『なし』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『なし』
参考URL
1.なし
質疑応答
講義時、オフィスアワーを中心に、随時受け付けます。
備考
画像
ファイル
更新日付2017/02/16 17:12:12