開講年度2017
科目名歴史学Ⅰ
科目ナンバー
開講種別春学期
対象学年1年
担当者安原 功
単位数2
曜日・時限春学期 火曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
摂関政治―道長の時代
授業の概要
 藤原道長は近年、摂関家が天皇を包み込んだ新しい王権のあり方を生み出した人物と評価されています。貴族社会全体が道長を中心に大きく再編されます。政治における正統性の重要性、政治と社会の関係、宗教と王権など、多様な視点から道長の政治を学びます。
授業の到達
目標
政治的目的とそれを正当化する表面的論理を区別できるようになる。
王朝文学を実際の貴族社会と関連付けられるようになる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1「はじめに」:授業内容・方針の説明
○授業内容の概要と成績評価の方法などを説明します
・摂関政治像の変遷、・平安貴族と日記、・平安時代の地方のイメージ
【予習】シラバスを読み、授業の概要を把握しておく(20)
【復習】授業全体の構成を整理する(20)
2「藤原良房-幼帝即位と応天門の変」
○初めて出現した幼帝と藤原氏の摂政について学びます
・清和天皇の即位、・応天門の変と摂政良房
【予習】教科書第1章-1の「天皇制の確立」~「摂政のはじまり」を熟読し、内容を確認する(40)
【復習】「摂政」の意味に留意しながら、講義内容をまとめる(30)
3「藤原基経と阿衡事件」
○成長した天皇と摂政が対立する問題を学びます
・摂政藤原基経、・陽成廃帝と光孝即位、・宇多即位と阿衡事件
【予習】教科書第1章-1の「関白の始まり」を熟読し、内容を確認する(20)
【復習】政治の表と裏の二重性に留意して授業内容をまとめる(30)
4「一条天皇の即位と道隆家の繁栄―『枕草子』の楽しい日々」
○一条天皇の即位・元服と妻定子の実家である藤原道隆一家の繁栄を学びます
・安和の変、・花山天皇の出家、・一条天皇の即位、定子との結婚、 ・『枕草子』
【予習】教科書第1章-2を「一条天皇の即位」まで熟読し、内容を確認する(30)
【復習】系図で人名を注意しながら授業内容をまとめる(30)。興味があれば『枕草子』を現代語訳でも読んでみましょう
5「藤原道長の登場と伊周との対立」
○若き道長の姿や道隆の息子である伊周との対立を学びます
・道長の人物像、・伊周と花山法皇の闘乱、・国母の重要性
【予習】教科書第2章-1を「長徳の変」まで熟読し、内容を確認する(20)
【復習】天皇の母の重要性に注意して授業内容をまとめる(30)
【課題】1~5回をまとめる(120)→第6回に提出
6「1~5回の振り返り」
○道長の登場までの講義内容を振り返り、整理・補足します
【予習】1~5回のまとめ(第5回の課題と同一、第7回にコメントを付けて返却)
【復習】講義を踏まえて各自で1~6回を整理し直す(90)
7「一条天皇と定子・彰子」
○次世代の天皇の出産競争を学びます
・振り返りの返却、・天皇一人に二人の后、・金峯山詣と納経
【予習】教科書第2章-1の「道長の外戚政策」~「彰子の出産」を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】授業内容をまとめる(30) 興味があれば金峯山について調べてみましょう
8「道長の家庭生活-妻・娘と天皇生母、女房」
○道長の家族とくに娘の重要性や紫式部を始めとする女房について学びます
・倫子と明子、・后と女房、・道長と紫式部
【予習】教科書第2章-1の「道長の結婚」「妻の実家と役割」、第3章-2「后と女房たち」を熟読し、内容を確認する(40)
【復習】天皇生母の重要性に留意しながら授業内容をまとめる(30)
9「道長と三条天皇・望月の栄華」
○三条天皇と道長の対立、後一条元服後に詠まれた有名な「望月」の歌を学びます
・三条天皇と道長の対立、・後一条即位と摂政道長、・後一条元服と威子の入内
【予習】教科書第2章-1の「後一条天皇の即位」「望月の歌」を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】一条天皇と三条天皇の相違点に留意しながら、授業内容をまとめる(30)
10「摂関政治のしくみ」
○伝統的な政治のしくみと道長による新しい政治方法の創出を学びます
・伝統的な政治システム、・道長の新システム
【予習】教科書第2章-1の「奏事の成立」「摂関にならなかった道長」を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】太政官政治の重要性に留意して授業内容をまとめる (30)
11「都と地方―尾張国郡司百姓等の訴え」
○都の人々の新しい生活ぶりと、尾張国住民が国司藤原元命を訴えた事件を中心に地方の実情を学びます
・中下級貴族と都市民、・受領の評価と再任用、・受領の地方支配と郡司百姓の抵抗
【予習】教科書第4章を熟読し、内容を確認する(50)
【復習】新しい都市空間の形成、受領支配の問題点に留意して授業内容をまとめる(30)
12「道長の主従制」
○道長の主従関係が貴族社会を再編成することを学びます
・摂関家家司と受領、・道長におもねる貴族
【予習】教科書第2章-2の「僧前を出す」~「賀茂祭見物」を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】主従制に留意して授業内容をまとめる(30)
13「仏教と天皇の守護者、道長」
○道長が天皇と国を守る守護者を演出したことを学びます
・貴族に拜礼を受ける道長、・法成寺の創建、・京都民衆に対する演出 
【予習】教科書第2章-3を熟読し、内容を確認する(30)
【復習】「王」としての道長像に留意して講義内容をまとめる。定期試験対策として1~13回を振り返る (60)
14「頼通の時代」
○道長没後に加速する、中世社会の本格的開始への動きを学びます
・荘園の発達、・「末法の世」のはじまり
【予習】教科書第6章を熟読し、内容を確認する(60)
【復習】定期試験対策として1~14回全体を整理し直す (120)
15「授業のまとめ」
○7~14回を中心に授業全体を振り返り、整理・補足します
【予習】1~14回全体のまとめを作成(第14回の課題と同一)
【復習】理解できているか再確認した後、知識として定着させる(180)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験(80%)と授業態度(毎回のまとめ、1~5回のまとめ、20%)
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『摂関政治〈シリーズ日本古代史⑥〉』古瀬奈津子岩波書店800+税978-4004312765
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『藤原道長の権力と欲望 「御堂関白記」を読む』倉本一宏文藝春秋950+税978-4166609154
参考URL
質疑応答
質問は授業の最後のまとめに付記してください。次回にお答えします。授業の前後に直接質問していただいてもかまいません。
備考
復習とは別に、授業の最後に簡単にまとめを書いて提出していただきます。質問や意見・感想があれば付記してください。次回の最初にお答えしたりご紹介します(時間には留意しますが、質問・意見によっては若干シラバスに影響がでる回もあるかもしれません)。
授業中は携帯電話・スマートフォンの操作、私語は厳禁です。
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更新日付2017/02/10 16:59:21