開講年度2016
科目名臨床医学(外科1)
科目ナンバー
開講学科歯学部歯学科 2015年度以降入学
(全)開講学科歯学部歯学科 2015年度以降入学
部門専門  
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者野本 周嗣
実務経験教員
関連性が高いディプロマ・ポリシー
単位数1
曜日・時限秋学期 月曜日 2時限 楠元図書館4階大教室


コーディネーター
野本周嗣(外科学講座 主任教授)
担当講座
外科学講座(コーディネート)
担当者
野本周嗣、栗田賢一、竹内一夫、宮地 斉、宮部 愛、小島規永、外ノ池隆史、早川統子、内堀典保、野村佳世、永坂佳規
授業の概要
(目的)
歯科という科は、侵襲を伴う治療が主な選択肢である。本来的に外科の仲間で、身体的条件や侵襲の大きさは大いに異なるものの、症例毎の治療法の選択においても外科ときわめて似通った基準に立っている。それらは、患者の身体的要件、患者の社会的経済的要件、患者の家族要件、患者の心理的要件、医療の供給側の要件などである。
そこで、外科系医療にかかる歯学部教員に、第一線でも指導的立場にある重厚な講師陣を揃え、従来の”外科”の講義の一部以下のように置き換えて、「外科学」の本論への架け橋とする。
教材(教科書、
参考書等)
教材は講義ごとに配布されたプリントなどを使用する。
講義(実習)
の方法・形式
パワーポイントやOHPあるいは板書などを利用し、講義を行う。
必要機器
課題
(定期試験・
レポート試験・
授業内試験)の
フィードバック方法
講義・実習
講義(実習)項目・一般目標(GIO)講義(実習)内容・到達目標(SBOs)・
予習・復習
担当者
1【講義項目】
発生発語のメカニズム
「話すということ:声と語のちがい」

【一般項目GIO】
発声発語のメカニズムを知るために、関連する身体の器官、構造、機能などを理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)発声器官・喉頭の動き・声帯振動・喉頭原音・声門の開閉運動について説明できる。
2)発声について説明ができる。
3)構音器官について説明できる。
4)日本語の構音操作について説明できる。
5)鼻咽腔閉鎖機能について説明できる。
6)語音産生のメカニズムについて説明できる。
早川 統子(心身科学部)
2【講義項目】
「正常」な発話をするために必要なこと

【一般項目GIO】
正常な発話をするために、身体機能・構造発達について理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)日本語音の分類(構音点・構音様式)について説明できる。
2)鼻咽腔閉鎖機能時の筋の動きについて説明できる。
3)語音産生時の筋の動きについて説明できる。
4)正常な構音発達について説明できる。
5)耳で聞いた各語音の構音点、構音様式について説明ができる。
早川 統子(心身科学部)
3【講義項目】
「コミュニケーション」とは何か:コミュニケーションをとるのに必要なこと

【一般項目GIO】
歯科医療現場において、医療従事者と患者・患者の家族、または医療従事者同士でコミュニケーションをとるために、言語の面から必要な要素を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)コミュニケーションの過程について説明できる。(スピーチチェーン)
2)SpeechとLanguageの違いについて説明できる。
3)言語の4側面について説明できる。
4)聞くこと・話すこと・読むこと・書くことの障害について説明できる。
5)言語障害患者に対するアプローチ方法・関連職種について説明できる。
6)チーム医療の在り方について、自分の言葉で説明できる。
早川 統子(心身科学部)
4【講義項目】
口腔咽頭機能の発達とその障害
「『話す食べる飲み込む』の発達と、障害」

【一般項目GIO】
「話す食べる飲み込む」という行為のために、口腔咽頭機能の発達と障害を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)摂食嚥下機能の正常発達を説明できる。
2)言語発達と摂食嚥下機能の関連を説明できる。
3)摂食嚥下機能発達の異常・遅延の病態機序を説明できる。
4)摂食嚥下機能のリハビリテーションを説明できる。
野村 佳世(小児歯科学講座)
5【講義項目】
高齢者は異常か?
「生理的機能の低下から見た口腔咽頭機能」

【一般項目GIO】
高齢者に対して診療を行う時に適切に対応できるために、高齢期は成人期と比較して口腔機能がどう変化してくるのか、また評価や機能訓練について理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)成人期の正常な口腔機能(摂食、嚥下、咀嚼、発音(構音))を説明できる。
2)高齢者に起きる摂食嚥下機能の低下を説明できる。
3)現代の日本人の死因の第3位が肺炎であることに留意し、その評価法・機能訓練について具体的に説明できる。
竹内 一夫(高齢者歯科学講座)
6【講義項目】
先天的後天的形態異常
「顔や口が割れているということ」「頭や顔の形がヘンだということ」

【一般項目GIO】
口腔・頭頸部の診察・治療を行うために、口腔・頭頸部の先天的後天的形態異常を呈する状態や評価、治療法などについて理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)外観から認知できる「異常」な状態を説明できる。
2)その状態の患者自身による評価と客観的評価法の概要について説明できる。
3)それらの異常に対する治療法とその適応の選定の要因について概要を説明できる。
栗田 賢一(顎口腔外科学講座)
7【講義項目】
外傷
「けがをするということ」

【一般項目GIO】
歯科医師として外傷の診察・治療を行うために、「けが」という状態や対処法、治療法を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)突然訪れる「けが」という異常な事態への対処法を、時間の流れに従って説明できる。
2)JPTEC、JATECなどのガイドラインを理解し、外傷による損傷が顎顔面に留まらないときの考え方を四肢、腹部、胸部、頭部に関して概略的に説明できる。
3)顎顔面に関する具体的な専門的治療につなげる過程を理解する。
栗田 賢一(顎口腔外科学講座)
8【講義項目】
急性炎症
「歯が痛い、顔がはれるということ」

【一般項目GIO】
歯科医師として診察・治療を行うために、炎症の概念や発症機構を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)感染症の中での「伝染性疾患Communicable disease」と「非伝染性疾患Non-communicable disease」の考え方が説明できる。
2)顎顔面においてはほとんどの急性炎症が常在菌感染症によるものか、慢性感染性炎症の急性転化によるものであることを説明できる。
3)起炎菌によっては、生命の危機に直結する疾患であることが説明できる。
宮地 斉(顎顔面外科学講座)
9【講義項目】
患者の身体的基盤
-医療従事者(全医師、看護師など)と共有する情報と理解-(1)

【一般項目GIO】
歯科医師として、看護師など他の医療従事者とチームで診療にあたるために、緊急性の度合の違いによる診療体制を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動SBOs】
1)急性期・亜急性期と慢性期の診療体制の違いが説明できる。
2)Communicable diseaseで急性期疾患が説明できる。
3)Non-communicable diseaseが短期的に生命を脅かす場合があることを説明できる。
4)主疾患はあるが、長期に生命・QOLが維持できる状態を説明できる。
5)主疾患は安定しているが障害を残し、援助介護を要する場合があることを説明できる。
野本 周嗣(外科学講座)
10【講義項目】
患者の身体的基盤
-医療従事者(全医師、看護師など)と共有する情報と理解-(2)

【一般項目GIO】
歯科医師として、看護師など他の医療従事者とチームで診療にあたるために、加齢や病態における身体的変化やよくみられる病態、手術を行う上で問題になる点を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動SBOs】
1)加齢による生理的変化と身体的耐容性の変化が説明できる。
2)MCP(Medical Compromised Patient)における病態生理的変化と身体的耐容性の変化を説明できる。
3)頻出病態など、手術侵襲に際して問題となる点について説明できる。
宮部 愛(内科学講座)
11【講義項目】
患者の心理的基盤-臨床心理学者がみる患者の心理-

【一般項目GIO】
医療従事者として患者と接するために、治療を受ける患者の心理状態や患者家族の医療における心理を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)急性期・亜急性期・慢性期の患者心理が説明できる。
2)小児患者と保護者の医療における心理が説明できる。
外ノ池 隆史(心身科学部)
12【講義項目】
患者の社会的基盤

【一般項目GIO】
患者が安心して治療を受けられるために、医療従事者として知っておくべき保険・医療制度を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動目標SBOs】
1)健康保険と介護保険の成り立ちが説明できる。
2)介護保険と医療保険の混在、民間疾病保険者の許諾と医療について説明できる。
3)慢性期の医療と介護のベストミックスについて説明できる。
4)歯科医療の社会に対する貢献が説明できる。
内堀 典保(顎顔面外科学講座)
13【講義項目】
患者の家族基盤

【一般項目GIO】
治療を受ける患者やその家族によりよい診療を受けられるようアドバイスできるために、患者に対して必要な介護体制や現代社会における介護・医療の状況を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動SBOs】
1)家庭介護と専門家介護のベストミックスについて説明できる。
2)超高齢社会に医療はどう関わるかを説明できる。
3)歯科医療は、超高齢社会にどう貢献するかを理解する。
永坂 佳規(顎顔面外科学講座)
14【講義項目】
医療の階層的供給体制と歯科医療

【一般項目GIO】
患者がよりよい治療を受けられるために、歯科医師としてできること、また超高齢社会に対し、歯科医療がどうあるべきか理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動SBOs】
1)医療圏の設定と医療資源の活用について説明できる。
2)超高齢社会に対して歯科医療がどんな貢献をすると期待されているかが説明できる。
3)在宅歯科医療の意義について説明できる。
小島 規永(有床義歯学講座)
15【講義項目】
外科的医療の理解とその実際

【講義項目GIO】
「外科学」という学問の本論へ導入するために、外科学の概念や診断方法を理解する。

【授業形式】
講義
【個別行動SBOs】
1)局所療法としての外科から総合医療としての外科への転換について説明できる。
2)最小侵襲治療(MIT:Minimum Invasion Treatment)の利点、欠点について説明できる。
3)侵襲医療の選択と医療安全について説明できる。
野本 周嗣(外科学講座)
留意事項
・講義項目により担当者が変わるので、授業に必要な持ち物や事前準備などは掲示版などにある連絡事項をよく確認すること。
・担当者の都合により、シラバスに記載されている講義の順番が変わることがあるので、掲示文書などの連絡には注意すること。
・担当者によっては、授業内で課したレポートや小テストなどの提出を求めることがあるので、授業中に指示されたり、掲示板で指示された内容については、必ずメモをとるなどして対応すること。
・担当者によっては、当日の授業内あるいは授業後に小テストやレポート作成を行うこともあるので、集中して授業に参加すること。
授業以外の
学習方法
・1回の授業について、授業時間に等しい時間の予習と復習が必要である。
成績評価方法
・期末試験、小テスト、レポートなどで総合的に評価する。
参照ホーム
ページ
画像
ファイル
更新日付2016/02/15 11:00:53