開講年度2016
科目名産業組織論
(全)開講学科経済学科 2013年度以降入学
開講種別秋学期
対象学年3年
担当者河合 伸
単位数2
曜日・時限秋学期 水曜日 3時限
キャンパス名城公園キャンパス


サブタイトル
不完全競争市場の分析
科目のねらい
ミクロ経済学の議論の出発点である「完全競争市場」では,企業はプライステイカーであることが仮定されている。このとき,各企業が影響を受けるのは市場価格のみであり,他の企業との戦略的関係は捨象されてしまう。しかし,自動車や家電などの製造業,ファーストフードなどの外食産業,パソコンや携帯電話などの通信・ネットワーク産業などにおける市場では,企業が相互の戦略的関係を考慮しながら行動する「不完全競争市場」であることが多い。そして「不完全競争市場」を分析するにあたり,まず「独占」市場における「価格差別」などの企業行動を分析しておくことが有益となる。また「費用逓減産業」と呼ばれる電力・ガス・水道のような産業では種々の規制が存在するが、それらの特徴や是非を論じる。そして「寡占」市場の分析では、企業間の戦略的相互依存関係をもとに,価格カルテルなどの状態がどのようにして生じうるのかを,「ゲーム理論」の枠組みで議論する。
本講義を通して,市場支配力を生み出す企業戦略の考え方を身に付けると同時に、そうした市場が生み出す効率性の問題や、それらに対処するための経済政策について学んでいく。
到達目標
1.価格差別についてその種類や特徴を理解し、計算問題にも対応できる。
2.費用逓減産業における規制について理解している。
3.ゲーム理論を用いた企業間競争について理解し、計算問題にも対応できる。
4.合併の事例や効果について理解している。
授業の内容・
計画
第1回 イントロダクション
第2回 産業組織論の歴史
第3回 産業組織分析の基礎
第4回 独占企業の価格設定
第5回 自然独占と規制
第6回 参入の経済効果
第7回 練習問題
第8回 ゲーム理論の基礎
第9回 寡占市場の理論
第10回 カルテル
第11回 集中度の指標
第12回 情報の非対称性
第13回 合併と企業結合規制
第14回 研究開発と戦略的行動
第15回 まとめ
評価方法
(基準等)
試験100%
原則試験にて評価しますが、受講態度などを考慮することもあります。
授業外の学修
(予習・復習)
講義ノートをしっかりとって、それについて復習するようにしてください。
教科書・
参考書
〈テキスト〉
特定のものは使用しません。
〈参考図書〉
泉田成美・柳川隆著 『プラクティカル産業組織論』 有斐閣アルマ
小田切宏之著 『新しい産業組織論:理論・実証・政策』 有斐閣
武藤滋夫著 『ゲーム理論入門』 日経文庫
参照URL
質疑応答
講義の後に気軽に聞いてください。
備考
産業組織論は応用ミクロ経済学でもあります。できれば、本講義の受講者はミクロ経済学の単位を修得していることが望ましいです。
画像
ファイル
更新日付2016/01/20 16:01:46