サブタイトル | | |
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科目のねらい | | 現代社会において生じるさまざまな具体的な問題を前にして、そこから法的問題を取り出し、原理的に考えることのできる力を養成することをねらいとする。 |
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到達目標 | | 近代法(現代の日本の法を含む)は、他人を害しない限りは自由に行為できる(他人を害する場合にのみ国家による干渉を受ける)という自由主義(リベラリズム)を基本原理としている。それは「正義」を基本とした社会規制の考え方と言える。ところが、グローバリゼーションの進展による格差の拡大、生命倫理やさらに地球規模での環境破壊といった近年大きな問題となっている出来事は、この原理を基礎とする近代法の限界と、新たな法の理念を定式化する必要性とを示しているように思われる。この講義では、まず近代の自由主義的な法と国家の基本的な考え方を説明する。次に、この近代的モデルを前提にした現代の代表的な法・社会理論――正義論――を紹介する。最後に、これらの理論を根本から批判する理論を検討する。近代法の意義と限界、法と倫理との交錯について、具体的な事例も踏まえながら考えていく。 受講生が、社会のあり方をめぐって新聞に掲載される論考を読み、自分で考えることができるよになることを目標とする。 |
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授業の内容・ 計画 | | 1.オリエンテーション――講義全体の流れの説明 2.自由主義社会における国家と法(1)――基本原理と現状認識 3.自由主義社会における国家と法(2)――夜警国家論、福祉国家論、新自由主義、「第三の道」? 4.自由主義社会における国家と法(3)――なぜ正義が重要なのか、正義の基本的な考え方 5.ロールズの正義論(1)――基本的な考え方(原初状態、無知のヴェール、等々) 6.ロールズの正義論(2)――正義の二原理、とりわけ格差原理 7.格差原理をめぐって 8.リバタリアニズムの思想(1)――ロールズ批判、基本的な考え方(とりわけ自己所有論について) 9.リバタリアニズムの思想(2)――ノージックの正義論 10.コミュニタリアニズムの思想(1)――リベラリズムの前提にする人間像への疑問(空虚な自己への批判)、社会関係の重要視 11.コミュニタリアニズムの思想(2)――「善」の復権、二つの方向性 12.コミュニタリアニズムと法 13.具体的な問題を基に考える(1) 14.具体的な問題を基に考える(2) 15.まとめ――何を学ぶことができたか
レジュメを配布し、それを基に講義するという形式で授業を進める。 |
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評価方法 (基準等) | | 学期末の定期試験(100点満点)によって評価する。また、1回小テストを行い、10点満点で評価し、定期試験の点数に加算する。 なお、受講者の数によっては授業への参加度を加味することがある。その場合には、その旨、及び成績への加算の仕方について、最初の授業のときに明示する。 |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 事前にレジュメを配布するので、それを読んで授業の準備をしてほしい。授業には必ず出席し、ノートとレジュメによって復習すること。参考文献の使い方については授業中に指示する。 |
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教科書・ 参考書 | | テキストは特に指定しない。 (参考文献)平野仁彦・亀本洋・服部高宏著『法哲学』有斐閣・有斐閣アルマ 2002.4 ¥2,200+税(やや高度だが読む価値あり) マイケル・サンデル(鬼澤忍訳)『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』早川書房(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 2011.11 ¥972(やや高度だが読む価値あり) |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | 原則としてオフィス・アワーにおいて対応する。月曜日4限、私の研究室(6516)にて行う。これ以外の時間でも、対応可能な場合にはいつでも質問に対応する。 |
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備考 | | 授業中の私語は厳禁する。授業中の携帯電話操作は禁止する。 卒業・進級・就職・部活動その他を理由とした単位認定の特別扱いは、一切行わない。 |
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更新日付 | | 2016/02/01 16:07:35 |