サブタイトル | | |
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科目のねらい | | 私たちの健康を食生活の面から支える専門家としての管理栄養士・栄養士養成のための有機化学の基礎を化学構造、性質、化学変化の面から理解してもらう。 |
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到達目標 | | 生化学、栄養学、食品学の基礎としての有機化学を栄養士・管理栄養士、食品衛生管理者などを目指す学生に健康と栄養のための有機化学を理解させる。生活を科学的に分析し、より快適な生活を送るにはどのような改善が必要かを認識させる。その一つの方法として、有機化学を用い理解させ、身の回りに溢れる有機化合物に対する理解を促す。 |
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授業の内容・ 計画 | | 第1週目 オリエンテーション(食品衛生管理者の有機化学と勉強方法について説明)。「食品含有成分の種類と化学構造」のスライド紹介と説明で食品と有機化合物の関係を理解。 第2週目 高校・教養教育の有機化学関連項目の復習と確認(共有結合、価電子、オクテット説、結合電子、非結合電子対、ケクレ構造式・縮合構造式、炭素・窒素・酸素・イオウ・水素の結合手・・)。 第3週目 有機化学の歴史と食品・栄養学への有効利用の解説。有機化合物の化学構造(σ結合・π結合、sp混成軌道、共有結合と結合角、球棒模型・空間充填模型)の説明。 第4週目 有機化学と高分子化学の関係解説。有機化合物の分類(炭素骨格による分類、官能基による分類)の説明。 第5週目 飽和脂肪族系炭化水素(アルカン族の命名と性質)の説明と命名演習。 第6週目 不飽和脂肪族系炭化水素(アルケン族、アルキン族、アルケニン族の命名と性質)の説明と命名演習。 第7週目 異性体と立体化学・・構造異性体(骨格異性体、位置異性体、官能基異性体)、立体異性体(鏡像異性体・光学異性体、幾何異性体、配座異性体)の説明と演習。 第8週目 脂環式炭化水素、複素環式化合物の命名と性質の解説と演習。 第9週目 アルコールとフェノール(構造と分類、命名演習、代表的化合物の紹介と物性、IUPAC命名法と慣用名)の理解。アルコールの酸化・脱水反応と金属との反応、ジエチルエーテルの合成装置の紹介と解説。 第10週目 フェノールとポリフェノールの化学と物性、食品含有ポリフェノールの紹介と物性。エーテルとエポキシドの命名と物性解説。チオール、スルフィド類の化学構造と命名、物性解説。 第11週目 アルデヒドとケトン類の命名と物性、食品含有成分との関連、IUPAC命名法と慣用名、化学構造と物性との関連性の説明。ケトンの命名の解説と演習。 第12週目 カルボン酸とカルボン酸誘導体の命名と一般的性質、食品含有成分との関連、カルボン酸の酸性度と酸電離定数、飽和脂肪酸の化学構造と含有食品(物性と水溶解度など)説明。不飽和脂肪酸、飽和・不飽和ジカルボン酸、立体化学(E、Z)、食品添加物・保存料の化学構造と物性解説。 第13週目 高級脂肪酸の物性と化学構造及び命名 (慣用名とIUPAC名)、オレイン酸、リノール酸、α-、γ-リノレン酸、アラキドン酸、必須脂肪酸、ω脂肪酸の命名と物性の説明。高級脂肪酸の立体化学と物性発現機構、高級脂肪酸含有食品と生体への影響、EPA・DHA含有食品の解説。 第14週目 低級・高級脂肪酸エステル、油脂解説、環境教育(油脂のケン化:石鹸作り)のスライド紹介。基本となる生体物質:脂質(油脂、テルペン)、ステロイド、アルカロイドの化学構造と物性解説。ニ価カルボン酸、オキシカルボン酸(含有食品、物性、不斉炭素・光学活性物質)の説明。 第15週目 アミン類の命名と物性、生活圏への利用状況と問題点(ヘヤカラ―による毛髪の脱色と染色機構、ヘヤカラ―の毒性と安全対策)。芳香族炭化水素の命名と物性、核異性体、有機ハロゲン化物の毒性。フェノール・アミン類の構造と用途、サリチル酸誘導体の物性と用途、有機合成のベンゼン核置換の法則、アゾ色素の合成と合成食品色素利用例の紹介。 |
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評価方法 (基準等) | | 授業の2/3以上出席した者に対し、以下の評価を行う。 期末テスト(70 %)、レポート(20 %)、参加度(10 %)を総合的に判定する。 |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 1)毎時間講義した内容をノートにきちんと整理しておくこと。 2)毎時間演習や化合物の命名などトレーニングを行うので、自宅で反復トレーニングを行っておくこと。 3)友達間でお互いに化合物の命名や性質の発現などは話し合い、お互い議論し合うこと。 |
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教科書・ 参考書 | | 【教科書】授業の初めに教科書仕様印刷本を提供する。 【参考書】ボルハルト、ショアー著「現代有機化学」上・下巻 化学同人 2002.10 上・下巻各¥6500。山口良平他著 「ベーシック有機化学」 化学同人 2014.3 ¥2800。井村滋著 「基本有機化学」東京化学同人 2012.12 ¥2600。 上記3点を参考書として紹介する。自分に合った本を参考に授業内容の理解に務めてもらいたい。 |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | 1)食品成分の中で興味がある成分が出てきた場合は、授業の中でいつでも勇気をもって質問すること。 2)有機化合物の構造を自分でデザインし、どのような性質が発現するか議論したい場合は質問すること。 |
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備考 | | 自分ノートを完成すること。 毎時間の講義内容を整理し、完成されたノートの製作を心掛けて欲しい。 |
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更新日付 | | 2016/01/15 15:47:00 |