開講年度2016
科目名禅と芸術Ⅱ
(全)開講学科宗教文化学科 2014年度以降入学
宗教文化学科 2013年度入学
宗教文化学科 2008-2012年度入学
開講種別秋学期
対象学年3年
担当者水野 荘平
単位数2
曜日・時限秋学期 火曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス


サブタイトル
茶道における禅の影響
科目のねらい
 春学期に引き続き禅が芸術に与えた影響について考察します。
 秋学期では日本の諸芸術のなかでも禅の影響が顕著な茶道を取り上げます。
 茶道は、禅宗寺院での茶礼に端を発し、僧堂での一連の修行から喫茶喫飯をピックアップして、禅宗寺院ではなく世俗のなかで禅の修行を試みたものです。従って、茶道と禅とは密接な関係がある、というよりも、茶道の本質は禅そのものにあります。
 この授業では禅と茶道との関係を中心として茶道の展開史を概説し、また実際に禅によって培われた茶道独自の美意識を体験してもらいます。
到達目標
 禅と茶道との関係を具体的に理解することと共に、禅によって培われた独自の美意識や感性を実際に身に付け、体得することを目標とします。
授業の内容・
計画
1. 茶道の概略
2. 喫茶の伝来と闘茶
3. 茶礼(禅院での茶・行茶)の実習
4. 書院茶の成立:足利将軍家と同朋衆
5. わび茶の発生と展開:珠光から武野紹鴎
6. わび茶の大成:千利休
7. 武家の式楽としての茶の湯:徳川将軍の御成りと大名茶
8. 千家の成立・町衆への普及と家元制度
9. 近代茶道の展開
10. 茶道具の扱いと鑑賞(1)
11. 茶道具の扱いと鑑賞(2)
12. 茶道の基本所作(1)
13. 茶道の基本所作(2)
14. 点茶の実践
15. 秋学期のまとめ

* 出来るだけ多くの画像資料を紹介しながら講義を進めます。
* 茶道の基本所作(座敷での基本的な礼法)や、茶道具を中心とした美術品・文化財の取り扱いと鑑賞の仕方を禅学実習室(3号館2階)にて実習します。
評価方法
(基準等)
* 定期試験(60%)と、授業での小テストや小レポート(40%)に、授業態度を含めて総合評価します。
授業外の学修
(予習・復習)
 禅によって育まれた芸術文化を理解するためには、授業で得られる文字情報や画像だけでなく、実物(本物)を見ることが不可欠です。
 ぜひ、授業で紹介された美術品や建築を、実際に見に行ってください。
 また日ごろから、禅宗寺院や茶室、茶道具を所蔵する美術館・博物館に行っておくと、授業内容がより具体的に理解できます。
教科書・
参考書
≪教科書≫
* 授業のなかで、適宜プリントを配布します。
≪参考文献≫
* 谷端昭夫『よくわかる茶道の歴史』(淡交社、2007年) 【791.2/027】
* 桑田忠親『茶道の歴史』[講談社学術文庫](講談社、1979年) 【791.2/023】宗教文化学科
* 久松真一『茶道の哲学』[講談社学術文庫](講談社、1987年) 【791/037】宗教文化学科 (※『久松真一著作集』第四巻にも収録 【121.9/061/4】)
 その他、授業の中で適宜紹介します
参照URL
1.愛知学院大学 禅研究所実習で使用する坐禅堂を管理する研究所
質疑応答
毎回、授業の終わりに質疑の時間をもうけます。
備考
* この講義の内容は春学期の「禅と芸術Ⅰ」と連動しているので、「禅と芸術」Ⅰ・Ⅱと継続して受講するようにしてください。
* 講義中の入退室、私語、携帯電話の操作など講義に関係のない行為は禁止します。
* 禅学実習室で実習を行うことがありますが、その際は靴下を履いてきてください。
* 通常の講義のなかでも、文化財や美術品を取り扱うことがあるので、指輪やネックレスなどのアクセサリーを身に付けている場合は外せるようにしてください。
画像
ファイル
更新日付2016/02/15 10:56:32