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科目のねらい | | 「人間は死すべきもの(存在)である」 これは西洋の格言です。当たり前のことが格言になっているということは、誰もがそのことを忘れているからです。「死を忘れるな」というラテン語の格言は、シェイクスピアが『ヘンリーⅣ』に引用しています。 今日、死は病院の中に閉じ込められてしまい、日常、身近に体験することがほとんどなくなりました。ところが一方では、生命に関する諸問題Ⅰで触れられていた脳死・尊厳死など死の時点や方法などをめぐって社会問題さえ起きています。死について考えることが、それほど必要な時代になってきているということです。 生命に関する諸問題Ⅱでは、上記の視点から「生と死」について考えます。これは死をめぐっての文化誌であり、また文化史と見ることができるでしょう。 |
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到達目標 | | 私たちの日常生活には、「生と死」に関連するさまざまな事象があります。「生と死」といったテーマは古来からいろいろな立場や視点から探求されてきました。それだけ、このテーマを解決することは難しいことだと思います。生命に関する諸問題Ⅰでは、すでに物理学・化学・生物学・医学などの自然科学系分野の視点からこのテーマについての考察を展開してきました。生命に関する諸問題Ⅱでは、心理学・仏教学・仏教文化史・宗教学・哲学などの人文・社会科学系分野の観点から、問題を提起します。そこから種々の知的発見や喜びが味わえることを期待しています。この講義が、今後、各人が人間について多面的により深く考える機会になり、自分なりの「生命観」・「人生観」・「死生観」を築き、積極的かつ充実した生き方をして頂ければ幸いです。 |
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授業の内容・ 計画 | | 初回授業時に、全教員で講義内容や評価方法に関するオリエンテーションを行ないます。必ず出席してください。 第2回目以降、下記の内容で講義を進めますが、講義の順が変更になる場合もあります。 各教員が担当する講義は4回または3回と短いため、毎回出席していなければ、内容を理解することが難しくなります。また、4名の教員の講義を全て受講することによってはじめて、多面的に生と死について考える機会となるため、以下の条件に当てはまる場合は、失格とします。 1. 各教員の講義を2回以上欠席した場合 (例:菅担当の3回のうち2回欠席した場合には、その時点で失格) 2. 各教員が課すレポートのうち、1名以上のレポート課題を全く提出しなかった場合 (例:3名の教員が課したレポートは提出したが、残り1名のレポートを全く提出しなかった場合には、その時点で失格)。 欠席をするやむを得ない事情がある場合には、その事情が説明できる資料を持って、各教員に申し出てください。
1. 仏教の生命観 菅原研州 (1) ゴータマ=ブッダの生命観―縁起思想を踏まえて (2) 仏教説話の中の生命観①―『大智度論』巻12「二鬼負屍抜出手足頭脅従人易之形改心存遇仏得道」話 (3) 弘法大師空海の生命観―密教とは何か? (4) 仏教説話の中の生命観②―『撰集抄』巻5「高野山参詣事付骨にて人を造る事」話 2. 江戸時代の日本人の生と死:三浦 雅彦 (1) 鈴木正三の死生観 (2) 信覚恵中の死生観 (3) 『葉隠』の死生観 (4) 近世儒者の死生観 3. 宗教・哲学における生と死:岡島 秀隆 (1) 哲学は死をどのように考えてきたか―ソクラテス・ハイデガー・ジャンケレヴィッチなど (2) 日本人の死生観―仏教説話など (3) 現代人の死生観-ロボット・サイボーグ・アンドロイドなど 4. 心理学における生と死:菅 さやか (1) 死への恐怖に対処する存在としての人間 (2) 死への恐怖が心の働きに与える影響 (3) 死への恐怖を乗り越えてよりよく生きるために |
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評価方法 (基準等) | | 各教員が、毎回の講義中または担当講義終了時にレポートを課します。4名の教員それぞれがレポートを評価し、それらの合計または平均点が最終評価となります。 |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 本講義を履修する場合は、できる限り春学期・生命に関する諸問題Ⅰを履修しておいてください。新聞やテレビ、インターネットなどの様々なメディアを通して、日々、生と死に関する問題に関心を向けるようにしてください。 |
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教科書・ 参考書 | | 特に指定するものはありません。各担当者が随時、提示します。 |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | 質問は、授業中はもちろん、オフィスアワーの時間帯に各担当者の研究室において受付けます。 |
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備考 | | 講義中の私語や、許可なくスマートフォン・携帯電話を操作することは厳に禁止します。 教員の学会出張や病気等で講義の順番が変更される場合も多少あると思われますが、その場合は他の教員が授業します。変更の場合、事前に通知します。しがたって休講は原則としてありません。 コーデネーター菅の研究室 2号館3階2313 |
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更新日付 | | 2016/02/09 17:50:58 |