サブタイトル | | 現代日本語の文字・表記につながる昔の日本語の文字・表記の特徴を理解しよう! |
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科目のねらい | | 教養部カリキュラムポリシーのひとつである「基礎学力の育成」「リベラル・アーツの修得」に従い、日本語の文字・表記の特徴について考える過程を通じて、多様な知識を獲得すること、及び、一般的諸現象の背後にある原理を理解する深い洞察力を涵養すること、を目指します。科目名は「文学Ⅱ」ですが、この講義では、いわゆる「文学作品」は対象とせず、文学作品を含む様々な言語表現の根幹をなしている「日本語」そのものについて解説します。日本語には様々な側面がありますが、この講義では、特に、みなさんが日常生活で当たり前に使用している「文字・表記」を取り上げます。 |
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到達目標 | | 現代日本語では、ひらがな・カタカナ・漢字・濁点など、多様な文字・表記を使用していますが、それらが現代のような姿になった背景にはさまざまな歴史があります。この講義では、特に奈良~平安時代の日本語を対象とし、古代にはどうやって日本語を表記したのか、万葉仮名の分析による古代母音音素推定とは何か、いろは歌の特徴は何か、等に関する具体的なテーマを設け、その答を考えることを通じて、現代日本語の文字・表記の特徴を理解することを目的とします。なお、この講義で取り上げるテーマ・日本語資料は古い時代のものが中心となるので、その点をよく了解した上で受講してください。 |
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授業の内容・ 計画 | | 次のような具体的テーマで講義します。 1.ガイダンス…………本講義の目的、内容の解説、受講上の注意など。 2.漢字の伝来…………「我が国に初めて漢字が伝来した時の状況はどのようなものだったのだろうか?」日本人が漢字を学び始めたときのようすを理解する。 3.『古事記』の表記(1)…………「『古事記』の文章はどのように表記されているのだろうか?」『古事記』における表記の実態を理解する。 4.『古事記』の表記(2)…………「太安万侶が『古事記』を筆録するときにはどんな苦労があったのだろうか?」漢字漢文で日本語を表記することの困難さを理解する。 5.『万葉集』の表記…………「平仮名や片仮名がなかった時代に、どうやって日本語の歌を表記したのだろうか?」『万葉集』における表記の実態を理解する。 6.万葉仮名の特徴…………「万葉仮名はなぜ文字の種類が多いのだろうか?」万葉仮名の特徴を理解する。 7.古代母音音素(1)…………「古代日本語には母音音素はいくつあったのだろうか?」その発見の過程を理解する。本居宣長の発見。 8.古代母音音素(2)…………「古代日本語には母音音素はいくつあったのだろうか?」その発見の過程を理解する。石塚龍麿の発見。 9.古代母音音素(3)…………「古代日本語には母音音素はいくつあったのだろうか?」その発見の過程を理解する。橋本進吉の発見。 10.平仮名・片仮名の発生…………「仮名文字には、なぜ「平仮名」と「片仮名」の2種類があるのだろうか?」平仮名・片仮名発生の時代的背景を理解する。 11.いろは歌…………「いろは歌の作者は、なぜ空海であるとはいえないのだろうか?」いろは歌の仮名を分析し、その成立年代や特徴を理解する。 12.いろは歌以前の手習い歌…………「いろは歌以前にも手習い歌はあったのだろうか?」いろは歌以前の「あめつち」歌「たゐに」歌を紹介し、その特徴を理解する。 13.濁点の成立(1)…………「濁点はどのようにして生まれたのだろうか?」濁点発生の過程を理解する。 14.濁点の成立(2)…………「濁点はなぜ2点で右上に付すのだろうか?」濁点が現在の姿になった過程を理解する。 15.まとめ…………文学Ⅱのまとめ及び定期試験に関する諸注意。 |
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評価方法 (基準等) | | 定期試験の成績を100%として評価します。ただし、遅刻・欠席をするなど受講態度の良くない点については10%の範囲内で減点します。また、無断退室等、受講態度の極めて悪い者に対しては、大幅な減点を含む厳しい対処をします。 |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 下記参考書を予習・復習に役立ててください。また、日頃から日本語の様々なありかたをよく観察するようにこころがけ、興味・疑問をもった表現・現象があったら、すぐにその場でメモを取っておいてください。それらの表現・現象についての質問があれば答えますし、また、それらが授業内容に関することであれば、できるだけ授業でもとりあげて解説します。 |
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教科書・ 参考書 | | 教科書は使用せず、プリントを配布します。なお、本学図書館には、『日本語大事典』(810.3/052/1~2)・『日本語学研究事典』(810.3/051)・『国語学大辞典』(810.3/032)・『日本語の世界1~16』(810.8/88/730~745)等が開架されており、授業で扱う様々な事柄についての詳しい解説が掲載されています。いずれも、授業内容をより深く理解するために有益な参考書です。 |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | 質疑応答は、授業中または河野の研究室で行います。河野の研究室は2412(2号館4階)です。オフィスアワーは「木曜日の2限~昼休み」ですが、在室時は随時応対します。 |
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備考 | | 受講者多数の場合には、座席指定を行うことがあります。 日本語について様々な疑問・関心を持っている人の受講を望みます。 |
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更新日付 | | 2016/02/09 18:23:51 |