開講年度2016
科目名哲学Ⅱ
(全)開講学科経営学科 2013年度以降入学
法律学科 2013年度以降入学
法律学科 2007-2012年度入学
現代社会法学科 2013年度以降入学
現代社会法学科 2007-2012年度入学
心理学科 2013年度以降入学
心理学科 2010-2012年度入学
健康科学科 2015年度以降入学
健康科学科 2013-2014年度入学
健康科学科 2010-2012年度入学
健康栄養学科 2013年度以降入学
健康栄養学科 2012年度入学
健康栄養学科 2008-2011年度入学
歯学部歯学科 2015年度以降入学
歯学部歯学科 2002-2014年度入学
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者星 揚一郎
単位数2
曜日・時限秋学期 木曜日 3時限
キャンパス日進キャンパス


サブタイトル
自由・正義・平等(現代)
科目のねらい
 哲学とは、日ごろ問わないことを問うてみる学問であり、みなさんが専攻しているすべての学科の基礎でもあります。
 とくに、いま、あらためて「社会のあり方」と一人ひとりの「生きる意味」が問い直されています。たとえば、テロが多発するなか「正義とは何か」、「多様な人々がいかに共存するか」、社会のなかで「税や年金、健康保険料をだれがどれだけ負担すべきか」、「格差はどの程度まで許容されるか」といったことが議論されています。
 こうしたテーマには、さまざまなアプローチが可能ですが、この授業では、春学期に引き続き、身近な例を引き合いに出しつつ社会哲学の基礎知識を分かりやすく紹介しながら、既存の体制が崩壊しつつある今、進むべき道をみなさんとともに模索してまいります。「正解」を教わろうとする姿勢は捨ててください。自分で考えてみること、哲学してみることが大切です。哲学Ⅰでは古代から近代の思想を扱いました。哲学Ⅱでは現代の議論を紹介します(全体を把握するために哲学Ⅰのシラバスもご覧ください。ただし、哲学Ⅰを履修している必要は必ずしもありません)。
到達目標
 哲学の主なトピックスを一通り学習することで、大学生にふさわしい教養を身につけ、3・4年次の各自の専門分野に哲学の内容を応用できるように導いていきます。同時に、この授業を通して、大学生にふさわしい思考力、議論力、論述力を習得します。これも哲学の重要な要素です。
授業の内容・
計画
 以下、授業で扱いたい項目を列挙します。ただし、みなさんの質問や意見、時事的な出来事により順序が変わる可能性がありますので、了承していただける方のみ登録をしてください。哲学Ⅰの内容も確認しながら、全体と部分を往復して説明していきます。

1、問題提起 ヴィトゲンシュタイン『倫理についての講話』 
2、近代民主主義 トクヴィル『アメリカのデモクラシー』
3、自由主義(リベラリズム) ロールズ『正義論』
4、自由至上主義(リバタリアニズム) ノージック『アナーキー・国家・ユートピア』
5、功利主義 シンガー『正義の倫理 ジョージ・ブッシュの善と悪』 
6、哲学的解釈学 ハイデガー『存在と時間』、ガダマー『真理と方法』
7、厚生経済学 アマルティア・セン『合理的な愚か者』『正義のアイデア』
8、共同体主義(1) マッキンタイア『美徳なき時代』
9、共同体主義(2) サンデル『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』
10、討議倫理 ハーバーマス『討議倫理』 
11、共和主義的規範理論 アーレント『人間の条件』『過去と未来の間』
12、脱構築と正義 デリダ『ならずもの』『法の力』
13、討議的民主主義 シャンタル・ムフ『民主主義の逆説』
14、徳倫理学 ヌスバウム『相対的ではない徳 アリストテレス的アプローチ』
15、成熟と未熟 鷲田清一・内田樹『大人のいない国 成熟社会の未熟なあなた』
   論述指導 戸田山和久『論文の教室』
評価方法
(基準等)
 レポート試験。レポートのテーマは「授業内容をふまえたうえで、自ら問題を立てて論述する」です。本文1200字以上、A4用紙に書いてください。
 最初にレポートの書き方についてのプリントを配布し、書き方を指導します。とくに引用箇所は「  」で囲み、出典をページ数まで明記してください(これができていないレポートは不可とします。学術書二冊以上から必ず引用してください)。どなたでも下書きを見せていただければ指導します。とくに留学生の方には日本語のチェックもしますので利用してください。
授業外の学修
(予習・復習)
 日ごろから、授業で扱ったこと(時事問題を含む)に関心をもち、関連する書籍や新聞などを読んでください。また、授業内容が分かっているかどうか、ノートを家で見直してください。そして、分からないところがあれば質問するか、自分の意見を述べる準備をしてください。
教科書・
参考書
  テキストはありません。適宜、参考文献を紹介いたします。「授業の内容」の欄もご覧ください。
参照URL
質疑応答
 説明が分かりにくければ、いつでもご指摘ください。授業中でも、授業の前後でも分かるまで説明します。
備考
 毎回、お伝えしたい概要を紹介し、それについて質問があれば受け付け、議論するという形式で進めてまいります。そのさい、教室が勉強をする雰囲気になるように、みなさんの協力をお願いいたします。問題があれば、そのつど指摘しますが、ご容赦ください。
 個別に何か教員が配慮すべきことがあれば、あらかじめ教えておいてください。十分にコミュニケーションをとって、気持ちのよい授業にしていきましょう。どうぞ宜しくお願いいたします。
画像
ファイル
更新日付2016/02/20 15:14:53