開講年度2016
科目名組織社会学Ⅰ
(全)開講学科歴史学科 2015年度以降入学
歴史学科 2013-2014年度入学
歴史学科 2002-2012年度入学
開講種別春学期
対象学年1年
担当者今井 隆太
単位数2
曜日・時限春学期 火曜日 5時限
キャンパス日進キャンパス


サブタイトル
社会集団の特性に着目して現代社会の問題を考えて見よう。
科目のねらい
 この科目の特徴は教職科目であり、社会学系であることだ。そこで毎年なにか関連するテーマを選んで、文献に基づいて知識を整理しながら、現代社会に具体的な問題を発見し、自分なりのものの見方を深めていく。今年度も同様である。 春学期は資源・エネルギーの減少問題とコミュニティの変化(崩壊)について書かれたテキストを読む。著者はロシア人だが、日本の隣国であるロシアについてわれわれは驚くほどなにも知っていない。しかし書かれている内容は日本人にとって疎遠でも異質でもない。現代に生きるわれわれにとって身近なテーマが浮かび上がってくる。 文献の内容を出席者どうし共有するために、担当者を決めてレジュメを作成してもらい、互いに学び合う場を作る。そこで深めた知見に基づいてレポートを作成し、パワーポイントを使ってプレゼンテーションする。今までの経験に鑑みて、レポートの質を高めていきたい。
到達目標
 文献の理解はレジュメの善し悪しに現れてくる。今期はレジュメの分量、レポートの字数について下限を引きあげて行こう。教室という場における学びの質を上げて行くには、どうしても教室外での準備時間の確保が必要だ。近年の学生諸君の様子をみていると、出発点となる文献の理解において充分な時間確保が為されていない。間際になって着手し、時間切れで不満足なものを持ってくるか、そのまま間に合わなくなってしまう例も散見される。読むこと、メモをとること、そして書く事という基本的な学びの技法について、もういちど取り組むこと、そしてマスターすることが目標の第一になる。
 ついで重視したいのが、学び合いの場のコミュニケーションである。レジュメを用いて知識の共有をはかること、人の話を聴いて理解すること。テーマを共有すること、テキストの知見に対する自分の立場を決めていくこと。ここでもやはり、教室を出て一週間を過ごし、ふたたび相まみえるまでの知的生活が関係してくる。学び合いの質を高める、その意識を持つことが重要である。
 いずれも到達目標としてはごく控えめなものであり、基本的すぎるかもしれないが、テキストの内容をなす現代的な知見を共有するとともに、このようなリテラシーをもつことは、大学生活を続けていく上で大切な財産になるものである。
授業の内容・
計画
前半は文献の理解が中心。進度をみながら調整して行く。
1回目 ガイダンス、担当者決め 序・崩壊論の概略
    レジュメの作成法 知の共有
2回目 文献共読:第一章「金融の崩壊」
3回目 文献共読:第一章後半+事例研究:アイスランド
4回目 文献共読:第二章「商業の崩壊」
5回目 文献共読:第二章後半+事例研究:ロシアンマフィア
6回目 文献共読:第三章「政治の崩壊」
7回目 文献共読:第三章後半+事例研究:パシュツゥーン人
8回目 文献共読:第四章「社会の崩壊」+プレゼン1週目
9回目 文献共読:第四章後半+事例研究:ロマ+プレゼン2週目
10回目 文献共読:第五章「文化の崩壊」+プレゼン3週目
11回目 文献共読:第五章後半+事例研究:イク族+プレゼン4週目
12回目 レポート提出期限+仕切り直し+プレゼン5週目
13回目 レポート熟読の会1
14回目 レポート熟読の会2
15回目 レポート熟読の会3+総集編
評価方法
(基準等)
 レジュメ(25%)、プレゼン(25%)、レポート(25%)は出来不出来よりもきちんと提出されているかを重視する。初めから出来てしまうというものではない。段々に質を高めていく。最初に材料を提供してくれる人も、徐々に学んでいいものを出してくれる人も評価する。例年出席カード兼用の用紙に感想や評価を書いてもらい、それも評価の対象としている。クラスへの参加度、貢献度(25%)を評価するということ。評価のパーセンテージは括弧内。
授業外の学修
(予習・復習)
 必ずテキストを読んでくること。自分の担当する箇所について準備するのはもちろんだが、テキスト全体について興味関心を持続するために、予習は欠かせない。また共通のテーマに関連する出来事をニュースの中から発見しておくこと。
教科書・
参考書
参考図書
ドミトリー・オルロフ著、大谷正幸訳『崩壊五段階説 生き残る者の知恵』新評論
資料は別途、配布する。
参照URL
1.今井隆太の歴史と社会学講師のホームページ
2.Club orlovテキストの著者のページ
質疑応答
 質問は大いに結構。ただ、講師が学内にいる時間が短いので工夫が必要。レスポンス・シートを介したアナログ式のほか、メールでの質問も受けつける。送信方法等についてはガイダンスで指示する。
備考
①レジュメのコピーは、前週末までに控室の渡邊さんにお願いして、授業開始前に受け取りにいくこと。お願いするときは科目名(組織社会学ⅠまたはⅡ)、担当教員名(今井隆太)を伝え、自分の姓名を名乗ってお願いすること。受け取りに行く時も同様である。②クラスへの参加度・貢献度を見るには出席が指標となる。担当箇所のレジュメが未完成だから欠席するというのは一番いけない。印刷が間に合わなければ、それなりの方法がある。事前に講師控室へ相談にくること。
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更新日付2016/02/22 03:17:30