サブタイトル | | |
|
科目のねらい | | 仏教諸派のなかでも禅宗が芸術文化に与えた影響はとりわけ大きく、特に日本の芸術文化においては、禅によって培われた美意識が一つの核になっていると言えます。 禅によって培われた高度な美意識は、日本で発生したものではなく、もともと禅の隆盛を背景とした中国南宋時代の芸術文化のなかで生まれたものです。この南宋芸術が、禅宗を媒介として日本に伝わり、更に日本の禅宗寺院や武家階層のなかで育まれ、その後の中国では失われてしまったにもかかわらず、日本文化のなかで保存・継承され、やがて日本文化そのものとまで見なされるようになりました。 この授業では禅によって培われた美意識を主軸とする中国南宋時代の芸術文化と、それを受け継いで発展した日本の鎌倉・室町時代の芸術文化の特質を概説します。 |
|
|
到達目標 | | 禅と芸術(特に中国南宋美術)との関係を具体的に理解することと共に、禅によって培われた独自の美意識や感性を実際に身につけ、体得することを目標とします。 |
|
|
授業の内容・ 計画 | | 1. オリエンテーション 2. 中国禅宗史の概略 3. 日本禅宗史の概略 4. 坐禅実習 5. 中国の禅宗絵画 (牧谿に至るまでの中国山水画) 6. 日本の禅宗絵画 (雪舟など相国寺派を中心として) 7. 裂(きれ)と袈裟(1) (織の種類と宋代の裂) 8. 裂(きれ)と袈裟(2) (名物裂や袈裟の名品) 9. 墨跡 (禅僧の書) 10. 中国陶磁(1) (禅院仏具としての青磁を中心として) 11. 中国陶磁(2) (禅院での喫茶碗:天目) 12. 禅宗建築(1) (地域や時代による伽藍配置の変遷と禅宗七堂伽藍) 13. 禅宗建築(2) (禅宗様の伝来と方丈建築の変遷) 14. 禅宗庭園 (枯山水庭園) 15. 春学期のまとめ
* 出来るだけ多くの画像資料を紹介しながら講義を進めます。 * 学内にある坐禅堂へ、禅宗建築の特徴を見学に行きます。 * 禅と関連する美術品の鑑賞の仕方を禅学実習室(3号館2階)にて実習します。 |
|
|
評価方法 (基準等) | | * 定期試験(60%)と、授業での小テストや小レポート(40%)に授業態度を含めて総合評価します。 |
|
|
授業外の学修 (予習・復習) | | 禅によって育まれた芸術文化を理解するためには、授業で得られる文字情報や画像だけでなく、実物(本物)を見ることが不可欠です。 ぜひ、授業で紹介された美術品や建築を、実際に見に行ってください。 また日ごろから、禅宗寺院や東洋美術を所蔵する美術館・博物館に行っておくと、授業内容がより具体的に理解できます。 |
|
|
教科書・ 参考書 | | ≪教科書≫ 適宜プリントを配布します。 ≪参考文献≫ * 『世界美術大全集』東洋編 第5巻 五代・北宋・遼・西夏、小学館、2000年 【708/030/5】 * 『世界美術大全集』東洋編 第6巻 南宋・金、小学館、2000年 【708/030/6】 * 古田紹欽・柳田聖山・鎌田茂雄 監修『叢書 禅と日本文化』(ぺりかん社)全十巻 【188.8/01507】 その他、授業の中で適宜紹介します。 |
|
|
参照URL | | |
|
質疑応答 | | |
|
備考 | | 《受講時の注意点》 * 講義中の入退室、私語、携帯電話の操作など講義に関係のない行為は禁止します。 * 禅学実習室での実習することもありますが、その際は靴下を履いてください。 * 通常の講義のなかでも、文化財や美術品を取り扱うことがあるので、指輪やネックレスなどのアクセサリーを身に付けている場合は外せるようにしてください。 |
|
|
画像 | | |
|
ファイル | | |
|
更新日付 | | 2016/02/15 10:55:20 |