サブタイトル | | |
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科目のねらい | | 〈秒刻みで世界を駆けめぐる国内、国際ニュース報道の現状と課題を、ジャーナリストの目から解説する〉新聞、テレビなどによって伝えられるニュースは、国内外で起きる日々の動きを映す鏡である。それは地球上で同じ今を生きる人間の営みである。IT革命により、グローバル化、スピード化する21世紀高度情報化社会。マスメディアは、そうした刻々と起きる地球レベルのニュースを、迅速に収集し、公正な価値判断をし、同時代を生きる国民の「知る権利」に答えるのが役割である。それは「報道の自由」が保証されて可能だが、逆に厳しい職業倫理も求められる。新聞記者、カイロ、パリの海外特派員の体験を踏まえ、主に新聞報道を素材として、日々、国内、海外で起きるニュースの理解を深めるよう、一緒に考えていきたい。 |
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到達目標 | | フランスの首都パリなど、世界各地でテロが続発した2015年は、その背後でうごめく狂信的なイスラム過激組織「イスラム国」が、各国の集団と連携し、無防備な市民を襲撃するという、恐ろしき異次元段階に入ったことを示し、どう立ち向かうかを突き付けられた。背景には▽大義なき「イラク戦争」が生んだ憎しみ▽中東の民主革命「アラブの春」後の混乱▽失業、格差から疎外される欧州のイスラム教徒の移民2、3世▽大量難民の流入を拒絶する「極右」の台頭など、様々な要因が絡み合う。国内では東日本大震災からの復興の遅れ、尖閣諸島情勢、危うい北朝鮮体制などに伴う安全保障環境の変化、少年犯罪の低年齢化、少子高齢化の進展、そして18歳参政権が始まる。スマートフォン、パソコン、テレビ、新聞を通じ、日々伝えられる、これらの出来事は、同時代に生きる皆さんとは無関係なものではない。グローバル時代に生きていることを自覚し、ニュースに向き合わねばならない。新聞記者、カイロ、パリ特派員の体験を踏まえ、ニュース解説とジャーナリズムの役割を興味深く話していきたい。 |
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授業の内容・ 計画 | | 授業の内容 講義形式。レジメのほか執筆したコラムなどを配布。講義に沿ったニュース記事などをOHCで 見せて進める。さらにDVDを使用し、視覚的なアプローチも加えて、認識を深める。 授業計画 1.マスコミとジャーナリズムの役割。パリ週刊誌銃撃事件で考える。 2.「パリ同時多発テロ」-ホームグロウン(自国育ちの)・テロの背景と対応 3.「ニュースとは何か」。福沢諭吉の新聞論(「西洋事情」から)。 4.「アラブの春」-情報革命のSNS(ソーシャル・ネットワークシステム)が民衆の怒りを結集させ、 独裁者を倒す奇跡の民主革命を成功させた。ただその後の混乱を克服したのはチュニジアだけ。 5.表現、報道の自由と知る権利。三島由紀夫が被告となった日本最初のプライバシー裁判。 6.「イスラム国」を生んだ背景。英仏の植民地支配と大義なき米国の「イラク戦争」が、アラブ人と イラク人に憎しみを生んだ。 7.東日本大震災から5年。巨大地震、津波、原子力発電所のメカニズム。 8.「シリア内戦」と大量難民の欧州流入。移民、難民排斥の「極右」が台頭。分断を図るテロに統 合、団結が試される英仏など欧州連合。 9.「少年法」。その精神と報道対応。 10.「少年法」。低年齢化、凶悪化に対し、少年法も厳罰化へ改正相次ぐ。 11.少年法。死刑の「永山基準」。被害者の裁判参加制度。 12.「戦争とジャーナリズム」。湾岸戦争を取材した体験から。山本美香さんの死。 13.「戦争とジャーナリズム」。エンベッド取材と米国人記者の愛国報道。 14.ウクライナ危機ーロシアの軍事力を使ったクリミア編入がもたらした新冷戦。 15.変わるメディア事情。スマホ時代に迫られる活字メディア・新聞。 |
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評価方法 (基準等) | | 授業の終わりに書いてもらう毎回のミニレポート、平常点で評価。テストはしない。 |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 毎日30分、図書館などで新聞を読む。復習を30分。 |
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教科書・ 参考書 | | 参考文献・ジャーナリズムの思想(原寿雄著 岩波新書)、「コーランを知っていますか」(阿刀田高 新潮社)。「現代アラブの社会思想」(池内 恵、講談社現代新書)。「少年事件の実名報道は許されないのか」(松井茂記、日本評論社) |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | 授業の理解度を知るため、毎回、終わりに感想、疑問を書いてもらう。 |
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備考 | | |
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更新日付 | | 2016/02/24 18:48:06 |