開講年度2016
科目名化学Ⅰ A
(全)開講学科歯学部歯学科 2015年度以降入学
歯学部歯学科 2002-2014年度入学
開講種別春学期
対象学年1年
担当者宮内 憲一
単位数2
曜日・時限春学期 水曜日 3時限
キャンパス日進キャンパス


サブタイトル
無機化学を主とする化学
科目のねらい
歯科医学を修得する上で必須の、化学の基礎学力を身につける。
到達目標
歯科医学を修得する上で、化学知識や科学的な考え方およびその手法を身につけていることが要求される。入学してくる学生の中には高校で化学を履修しなかった者、履修したがその知識の修得度の低い者が多くみられる。また、平成14年度入学生からは4年後に全国共用試験(第二国家試験)も課され、その学習目安も示されているが、その中に化学事項も多く含まれている。更に、ほとんどの高校では実験・実習を満足に行っていないため、科学的な知識が実学となっておらず、基礎知識から演繹して考えるという習慣ができていない。
 そこで化学の講義では一年を通して実習をとり入れ、それらの作業から基礎知識を実学として利用できるような考え方を身につけてもらうことを目標とする。
 そのために、講義中の態度も含め、一年間厳しいトレーニングの場となることと思う。具体的なテーマは以下に記してあるが、春期は無機化学を主体とした基礎知識の修得を主な課題とする。高校の延長とも思える事項もあるが、高校時代のように断片的な知識の羅列ではなく、生体や歯科医学にとってどんな意味をもつのか関連づけながらより深く勉強する。
 また、授業の始めに、広く教養を身につけ、心を磨くための糸口となる学習をしていく。共に大人になるためである。
 なお、学生の理解度に応じて進度を調整するので授業進度は遅れることもある。
授業の内容・
計画
【1~2回】
 (講義項目)
1回
 化学反応とは・元素と原子・原子の構造・電子配置(含・演習・実習)
2回
 イオン化ポテンシャル・電気陰性度・原子半径(含・演習・実習)
(講義内容・到達目標)
講義(実習)項目が講義内容であり、到達すべき事項でもある。春期では、原子の性質・構造を理解し、分子の成り立ちを知る。また、物質の量的扱い(特に水溶液における分子の濃度等)を自由に応用できるようになって欲しい。更に、水溶液における酸・塩基平衡、pHや緩衝作用の意味を理解し、実際の応用を可能にすること。実習では容量器具の正しい使用方法を身につけて正確な操作を行えるようになること。
【3回】
 (講義項目)
化学結合・周期表の作製
(講義内容・到達目標)
周期表を作製し、原子の性質を把握すること。化学結合の形とその成因を説明できること。二年次に開講される理工学の基礎知識を身につける。
【4回】
 (講義項目)
実習の心得・ガラス細工(パスツール・駒込ピペットの作製)
(講義内容・到達目標)
実習への取り組みを明確にする。
【5回】
 (講義項目)
原子・分子の量的扱い
 -原子量・分子量・モル-
(講義内容・到達目標)
モル・原子量・分子量の概念が分かり運用できること。
【6回】
 (講義項目)
水溶液の性質
 -溶けるとはどういうことか?・各種濃度-
(講義内容・到達目標)
濃度の表現とその活用が身につくこと。パーセント濃度・モル濃度・ppm・規定濃度など実習で実際取り扱えること。
【7回】
 (講義項目)
理想気体の法則
(講義内容・到達目標)
ボイルの法則、シャルルの法則、アボガドロの法則等を理解し、麻酔で用いる気体について計算できること。
【8回】
 (講義項目)
ピペットの取扱い、試薬調整
(講義内容・到達目標)
器具の性質を知り、正確で的確に用いることができること。試薬ラベルの見方・薬物の扱いに慣れること。
【9回】
 (講義項目)
酸化還元反応
(講義内容・到達目標)
生体での酸化還元反応のとらえ方と生体内でどのように働いているかを理解する。
【10~12回】
 (講義項目)
化学平衡と緩衝作用、pH
(講義内容・到達目標)
生体にとっては緩衝作用の知識は重要なものの1つである。実習を通してその概念を把握すること。唾液の緩衝能を測定し、理解する。
【13~15回】
 (講義項目)
酸・塩基・中和
 -中和滴定-
(講義内容・到達目標)
酸・塩基および中和の考え方を理解する。胃酸中の強酸と弱酸を滴定することにより、生体中でのこれらの意義を知る。

 
評価方法
(基準等)
化学Ⅰ…3回に分けてテストを実施(各30~35点で合計100点分)および毎回の小レポート(合計15~20点分)を総合判定する。
化学実習Ⅰ…実習態度・実習製作物・レポートを総合判定する。原則としてペーパー試験は行わない。
授業外の学修
(予習・復習)
毎回のノートやプリントを完成しておいて下さい。復習を確実に!!
教科書・
参考書
生活の基礎化学(東京教学社)
化学実習指針(化学教室編)なお、実習指針は配布する。
参照URL
質疑応答
在室時はいつでも受けつけます。
備考
宮内の居室(研究室) 4号館2階 化学教室 内線3121 (不在の場合3120)
E-mail ken1chem@dpc.agu.ac.jp
質問や相談は居室時には常時受け付けるが、講義時間で不在の時もあるので、化学教室に確認すること。
画像
ファイル
更新日付2016/02/12 18:05:03